「経済をまわす」という言葉を簡単に使わないで【ビジネス数学・ニュースレター〜深沢真太郎の視点〜】vol.147

深沢真太郎　ビジネス数学・教育家　作家（33冊／小説・ビジネス書・教育書）

2020年7月19日 13:08

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メイントピック：「経済をまわす」という言葉を簡単に使わないで

ビジネス数学教育家、深沢真太郎です。

「経済をまわす」という言葉がすっかり定着しました。
これまでこんな言葉を使わなかった人でも、

「経済をまわすべきだ」
「経済がまわらなくなる」

といった発言をしています。

いま世の中は旅行に関連するキャンペーンの話題で持ちきり。
これもまさに旅行業界の経済をまわすためのものでしょう。

ところでみなさんは簡単に「経済をまわす」と言いますが、
それがどれほど難しいことであるかをご存知でしょうか。

自分の立場でものを言うのは簡単です。
キャンペーンはやるべき。
キャンペーンはやめるべき。
思うのも言うのも自由です。
しかし実際にそれを意思決定するのはトップなわけで。

これとまったく同じ構造をしているものがあります。
会社組織です。

会社も経済をまわさなければなりません。
お金を血液のように考え、お金を使いかつお金を入れて、生きています。
経済を止めるわけにはいかない。
だから経営トップはいろんな施策を数字で考えます。
しかし何かを意思決定するにあたり、部門Xを立てれば部門Yが立たない。
そんな状況の中でそれでも数字で意思決定するのが経営者です。

今回のキャンペーン。
私はその専門家ではありませんので具体的な言及は避けます。
しかしおそらくは、旅行業会（会社）に補助をするという施策Aよりも、
キャンペーンという施策Bのほうが経済的メリットがあると数字で判断したということです。
それも数兆円規模の。

もしいまあなたが普通に仕事ができている人だとしたら、
ぜひその仕事においてもっと経済をまわすためにすべきことを数字で考えてみてください。
「めんどくさー」ではなく、ぜひいちど真剣に考えてみてください。
「そんなの経営者の仕事だし」と逃げないで、ぜひいちど真剣に考えてみてください。
そしてもしその意思決定が数兆円規模の数字を動かすとしたらと想像してみてください。
どれだけ難しいことか、わかるはずです。

いま世の中はすべてのビジネスパーソンが、通常は経営トップがしている仕事や思考を体験できるチャンスです。
給料をもらうためではなく、あなたの会社の経済をまわすために何をするかを考えることができます。

今日も仕事ができることに感謝して、できることをしましょう。
もちろん私もです。

今日も素敵な１日をお過ごしください。

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