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白黒はっきりしないことをどう表現するか? 〜小数の本質〜 シンタロウのさんすう vol.6

シンタロウです。僕はネコです。ある理由で人間の皆さんに読んでもらうための連載をはじめました。その背景はぜひこちらで復習をお願いします^^



では本題に入るにゃ。

我が家の奥様は投資家をしていますが、その奥様がこんなことをよく言っています。

「世の中は白黒はっきりできないことが圧倒的に多いのよね。グレーばかりよ」

ボクは最初「??」でしたが、数の話に置き換えると分かった気がしたんです。今回はそんなお話です。

「白」や「黒」ははっきりした色。グレーはそれらが混ざった色。でもグレーという色もいろんなグレーがあるよね。濃いグレー。薄いグレー。

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かなりグレー。ちょっとグレー。とても曖昧だよね。でも確かに世の中にはとても曖昧なことが多いような気がする。奥様の言っていることが分かった気がしたんです。

例えば猫の世界でも恋愛というものはあります。お気に入りの子(猫)に気に入られたくて、いろいろ努力しているんだよ。(あ、僕のことは聞かないでね♡)

かなり好き。
ちょっと好き。

曖昧だよね。かなりってどういうことか、ちょっとって何なのか、わからない。

実はね、数の世界でも同じことがあるんです。


ピザ1枚では足りないけれど2枚は多い

例えばピザが1枚。ピザが2枚。これはわかりやすいよね。で、もしあなたがピザを食べるとして、1枚では足りないけれど2枚は多いなーって思ったとします。どれくらい食べられますか??

1枚とちょっとだけ食べれる。
1枚と半分は食べれる。
2枚は食べれないのでちょっと残す。

そう。人間は数というものが「1」とか「2」とかはっきりしたものだけではないことに気づいたんだ。「ちょっと」とか「半分」とか曖昧なものも数で表現する必要が出てきたってことね。そこで人間は考えた。どうすれば「白」や「黒」では ない「グレー」を数で表現できるかなと。もうお気づきですよね。小数という数の出番になるわけです。

前回、「箱」の話をしたことを覚えていますか。数えやすくするためには「箱」を使う。人間の知恵だよね。

今回の話題でもまったく同じなんです。数を数える基本は「箱」を使うこと。「100」という数は「1」という数が100個ある数を意味しますが、これをひとつずつ数えるのは大変。だから「1」が10個入る箱を用意する。その箱が10個入る箱が「100」という数。そういうことですよね。

だから今回のような「ちょっと」という数も同じようにして考えればいいんです。

「1」という数はある箱が10個入る数だと考えます。今まで人間が認識していなかった、とても小さい数ということになります。

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でもこの数の存在を認めることで、人間は表現できる数が無限に(一気に!)増えたんです。だってそうでしょう? このとても小さい数もまた、さらにとても小さい箱が10個入る数って考えることができるからね。

これは革命にゃ〜!!!!!!!!!!!

と思ったかどうかはわかりませんが、それくらいの大発見。とても曖昧だと思っていたものが、実はとてもはっきりと具体的に表現できる方法があることが分かったわけですからね。


「曖昧なもの →  はっきりする」の気持ちよさ

0.1

0.01

・・・

0.00000001

・・・・・・・・・・

ほら、どんな数でも表現できることがイメージできると思います。これが「小数」という数の本質であり存在意義なんです。当たり前だけど「小数」は小さい数と書きます。読んで字の如く、とはこういうことですね。

37_表情_教える


我が家の旦那さんは数学者ですが、よく言っています。

「算数を勉強する子供たちは小数が出てくると途端に苦しむようだ。算数教育の現場のことはわからないけれど、ただ計算ルールを教えてそれを作業させているだけじゃないのかな。。。それは苦行だよね。そうじゃなくて、小数ってどうして存在するのか。いかに便利なものか。どれほど大きな発見だったのか。そういうことを伝えて欲しいよね」

うん、ボクもそう思います。それが数を学ぶ楽しさだからね。

最後に、奥様の言葉をもう一度ご紹介します。

「世の中は白黒はっきりできないことが圧倒的に多いのよね。グレーばかりよ」

数の世界も同じ。「1」とか「2」とか、はっきり表現できる数よりも曖昧でグレーな数の方が圧倒的に多い。とっても深いことを言っているような気がするのはボクだけかな。


では今日はこのへんで。

最後まで読んでくれてありがとにゃ。


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シンタロウ(猫・オス)

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人間に算学を教える猫・シンタロウ。なぜか日本語を喋ることができる。前世は商人として財を成し、晩年は教育者として算学を子どもたちに教えていた。そして現現代。猫として生を受けたシンタロウは現代の人間があまりに数字を苦手としていることに剛を煮やし、ブログなどで人間に算学を教え始める。飼い主である夫妻は夫が数学者・妻が投資家。日中はふたりとも外出が多く、自宅でひとりぼっち。暇つぶしで書き始めた「シンタロウのさんすう」は、数字に苦手意識を持つ大人や子供に数の大事さをどう教えようか悩むパパやママが“ムッツリ”読んでいるともっぱらの噂。

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