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フェルミ推定が教えてくれる「人生の教訓」 

前回はフェルミ推定のコツとして、統計的な感覚を持つことをお伝えしました。
「小さい箱」から「大きな箱」を捉えること。詳しくは前回の記事で復習をお願いします。


では今回は別の視点で、フェルミ推定における大切なポイントをご紹介することにいたします。似たような話としては、「木を見て森を見ず」といったところでしょうか。

経済効果という数字があります。オリンピックやサッカーのワールドカップが開催されたとき、あるいは人気アイドルがコンサートをしたとき、「その経済効果はおよそ◯円と推定されます」などと説明されることがありますね。

この経済効果もまた、「知らんがな」を数値化したものと言えます。どれくらいの効果があるかなど、はっきり言って誰もわかりません。しかしそれをざっくり規模感で捉え、金額という数値に置き換える。まさにフェルミ推定のエッセンスそのものではないでしょうか。

実は経済効果を数値化するにあたり、重要なポイントがあります。それは「100%の正解を追わない」ということです。細かい数字を追わないということでもあるでしょうか。

経済効果の測定において、まずは「1次的な効果」としてどれくらいかを推定します。これは誰でも考えられるような効果、変化、売上、などが対象になります。そして次に2次的な派生を考えます。次に3次的な派生を考えます。・・・・

このようにして経済効果がトータルでざっくりどれくらいかを捉えます。

しかし面白いことにある経験則があります。それは、2次的な派生までで90%は捉えることができてしまうということです。つまり3次的、4次的、・・・・などと細かいことを考え始めてしまうと、逆に大きく外してしまうリスクが増えるということなのです。

3次的、4次的、・・・・で考えなければならないのはいわば「想定外のこと」でしょう。想定外のことを考えすぎるあまり、実態と大きく違った結論を得てしまうのです。本末転倒と言えます。

ですからフェルミ推定において完璧な正解を追うことはとても危険であるということ。6割程度でOK、9割ならば儲けもの、くらいの感覚でいるほうが健全なのです。

ではこの考え方は、実際に「知らんがな」を数値化する際に技術としてはどのように落とし込む必要があるのでしょうか。

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