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「数」ってなあに? 〜順序の誕生〜 シンタロウのさんすう vol.3

シンタロウです。僕はネコです。ある理由で人間の皆さんに読んでもらうための連載をはじめました。その背景はぜひこちらで復習をお願いします^^



では本題に入るにゃ。


「数」ってなあに? 前回のテーマがこれでした。そしてそのひとつの答えが「区別するための道具」でしたね。詳しくは前回の内容を確認してみて欲しいです。

今回はその続き。というか、「数」の別の側面を人間の皆さんに知ってもらいたいなーって思っています。別の側面。ちょっと難しい言葉だったかな。「他の顔」ってことです。例えば僕のような猫もいろんな顔があります。単純に生き物としての顔。人間が飼育するペットとしての顔。ネズミの天敵としての顔(笑)とかね。

同じように「数」にもいろんな顔があります。それを知っておくことは、きっと人間の皆さんが「数」をどういうときに使う有効なのか、いったい何をもたらしているのか、深く理解できると思うんです。

前置きはこれくらいにして、では始めましょう。


どっちが多いの?


人間の皆さんはすでに「1」よりも「2」が大きい数であることを知っています。だからこの先の話はなかなかピンとこないかもしれません。できればすでに知っている常識をいったん忘れて読んでみて欲しいです。

前回、サンマの話をしたのを覚えていますか。サンマは僕の大好物です。まあそれはいいか。


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※ふたたびサンマが登場


「数」があると区別できます。大きいサンマと小さいサンマを区別することができるんです。ここまではいいですよね。ここからが重要です。仮に僕が昨日食べたサンマをAとし、今日食べたサンマをBとしますね。「数」があるから、僕もあなたもこのAとBが違うことを認識できます。でも、、、、

どっちが大きいの?

これをどうやって決定できるでしょうか。何を言っているのかわからないかもしれません。「そんなの見りゃわかるだろ」があなたの思ったことかもしれません(笑) でもそうじゃないんです。いいですか。重要なところです。

どちらのサンマが大きいのか。それがわかるのは、1よりも2の方が大きいと知っているからです。1cmよりも2cmのほうが物理的に長い、つまり大きいと認識できているからです。

いま僕はあるご夫婦に飼われています。旦那さんは数学者。奥様は投資家です。その二人は年齢が違います。お二人のある日の会話で知ったのですが、9歳違うそうです。旦那様が年上です。

いま僕は当たり前のように語っているこの内容も、年齢が「数」であること、区別できる道具であること、1つ年齢を重ねるとその「数」が変わること。その数が大きくなること、これらを知っているから語れることなんです。


08_YES(そうそう!)


人間の皆さんは買い物をしますよね。購入金額900円に対して1,000円を渡し、100円のお釣りをもらう。僕の前世は商人でしたが、その頃からずっと続いている人間の習慣です。でもこれは、900という数と1000という数が「違う」こと、1000のほうが大きいことが認識できているからできることです。想像しにくいかもしれませんが、もし人間が900という数と1000という数はどちらが大きいのか認識できなかったら、とても困ったことになるとは思いませんか。


区別はできる。でもそれだけではどう違うのかわからない。


人間が生活をしていく中で、これでは困ってしまう。だから昔の人間は、「数」には順序が必要だと気づいたんです。わかりやすく言えば、「1」よりも「2」のほうが多く、「2」よりも「3」のほうが多い、だから「1」よりも「3」のほうが多い。という概念です。

この連載を読んでいるみなさんの中には、商売をしている人もきっといると思います。利益とは、売上から費用を引き算したものですよね。そんな当たり前のことも、「どう違うのかわからない」となると自分の商売がいい感じなのかヤバいのか、さっぱりわかりません。資金が底をつき、商売を継続できないことすらも気づかない。そんな妙な世の中になっているのです。

僕はこの「順序が作れる」という機能がとっても重要だったと思っています。ぜひ日常を振り返ってみてください。順序が作れなければ、どちらが大きいのか決められなければ、困ってしまう場面、成り立たない場面がいっぱいあることに気づくはずです。そういう意味で、「数」というものを発明した人、順序という概念をしっかり作ってくれた先人に、僕たちは心から感謝したいですよね。

裏を返せば、現代で生きる僕たちは、どういうときに「数」を使う必要があるのかも見えてきます。

「どちらが大きいのか」
「どちらが先なのか」
「どちらが優秀なのか」

・・・そんなことを決定するとき、数の力を借りることになるわけです。お仕事をしている人たちは、とりわけ重要かもしれませんね。

27_パソコンを叩く


あ、奥様が帰ってきた。今夜のごはんは何かな〜♪

 今日はこのへんで。

最後まで読んでくれてありがとにゃ。


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シンタロウ(猫・オス)

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人間に算学を教える猫・シンタロウ。なぜか日本語を喋ることができる。前世は商人として財を成し、晩年は教育者として算学を子どもたちに教えていた。そして現現代。猫として生を受けたシンタロウは現代の人間があまりに数字を苦手としていることに剛を煮やし、ブログなどで人間に算学を教え始める。飼い主である夫妻は夫が数学者・妻が投資家。日中はふたりとも外出が多く、自宅でひとりぼっち。暇つぶしで書き始めた「シンタロウのさんすう」は、数字に苦手意識を持つ大人や子供に数の大事さをどう教えようか悩むパパやママが“ムッツリ”読んでいるともっぱらの噂。

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