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アンジー。daichead a haon

あと2時間ほどでルーのペンション、という時に、ショーンは寄りたい店があると言い出した。少しでも早くルーに会いたいとは思ったけど、まあ、ひと休みもしないといけないし、わざわざ送ってくれるショーンのお願いを断ることもできない。
なんだ、前にアンジーのことを聞きに来たパブじゃないか。
アンジーのことを教えてくれた女性も、ビールをおごってくれたおじいさんも写真を貼り付けておいたみたいに全然変わってなかった。
ショーンが馴染んだ感じで指で合図をするとライトビールが一杯出てきた。
え、僕だけが飲むの?
俺は飯だけでいいや。ショーンはフイッシュ&チップスとサラダと炭酸水を注文していた。
ふと、店内の照明か少し暗くなり奥のステージに小さなスポットライトが点いた。一人の女性が光の中に現れるとゆったりとした曲の演奏が始まった。
その女性が歌い始めると僕は手にしていたビールのグラスを落としそうになった。
ア、アンジー?アンジーなの?
ショーンかニヤリとした笑顔で僕を見た。何組かのカップルがフロアに出て踊り始める。
あなたが現れて私の世界は変わってしまった。まるで天使のように地獄から私を連れ出して、私は今、あなたの腕の中の楽園にいる。
そんなバラードを歌いながらアンジーは僕の方を見た。
僕を見つけるとアンジーはゆっくりと微笑んだ。
な、なんで、アンジーが。
パニックになっている僕にはかまいもせず、ショーンは近くにいた女性を誘って踊り始めた。
いい曲だ。あの声によく合ってる。
アンジーはワインレッドの衣装を身につけている。だめだよ、丈が短すぎる。きれいな脚を出しすぎだ。ルーだとわかっていると確かに膝とか足首のあたりが、骨ばっている。でも、本当にため息が出るくらいきれいだ。
アンジーは僕から目を離さずに歌い続けている。
あなたは、私の甘い甘い永遠の愛。


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