夫は成長教に入信している 予定テトリス
予定を詰め込む夫
今日も帰ってきた夫がスマホをずっと見つめている。
最近少し仕事が落ち着いてきた夫は
社外の勉強会に顔を出しているらしい。
そのメンバー達はそれぞれ別の仕事をもっているため、
夜に打ち合わせを行う。
夫のスケジュールは色々な打ち合わせで埋まっていってしまっている。
夫は風邪を引いてしまい、その日は会社を休んだ。
でも次の日の夜の打ち合わせには出ると言っていた。
(え、風邪引いてるのに次の日の打ち合わせには出るの?)
そうまでして予定を詰め込まなければいけない理由はなんだろう。
成長教、必須のゲーム
成長教の人が必ずやっているゲーム、
それは予定テトリスだ。
空きがあれば、そこに予定を詰め込まずにはいられない。
英会話、社外の勉強会、スキルを獲得するセミナー。
もともと忙しい成長教の信者は、予定を詰め込んで自分を追い込む。
それは集中力を伴う作業で、うまくいけばあっというまにタスクが消えて、
自分のレベルも上げることができる。
しかし、その分落ちてくる課題は増える。そして、落ちてくる課題を組み替えて積み上げる。積み上げては消す。
消せた時の達成感で、レベルの上がり続けるテトリスを続けてしまう。
そして、ある日、体調を崩したり、予定の組み直しといった
何かの勘違いがきっかけで、瞬間的に予定を組み間違える瞬間がやってくる。
するとゲームオーバーになってしまう。
残ってしまうのは寂寥感と、後悔。
あの時、あの組み合わせ方をもっと工夫していたら,
もっとうまく予定を消していたのではないか。
ギリギリのところで動いていたことは忘れて、またテトリスゲームに
ログインしようとしてしまう。
赤ちゃんと私
生まれて数ヶ月、赤ちゃんはようやくまとまって寝るようになった。
母親としての私は、自由な時間はほとんどないけど、赤ちゃんが寝ると
ソファに大の字になる。
それから、マンションの窓から見える空の動きを見る。
時間は流れ行き、赤ちゃんはこんな同じ毎日の繰り返しの中でも、
すくすくと育っていく。
予定に書き込めない大事なこと
今日も夫は日が沈んでから帰宅する。晴れている空を夫は見ているんだろうか。
夫の心に休息できる隙間はあるのだろうか。
今週末はいつものスーパーに行く道を少し変えてみよう。公園を通る道に咲いている紫陽花を家族で見れるように。
(雨が降ってきて日が差すシーンを挿入。紫陽花の花がキラキラ光る)
それは予定には書き込むことではないけれでも、私達のかけがえない、生まれたての子供がはじめて紫陽花を見る日になるかもしれない。予定にかけない、大事なことは日常の些細な積み重ねの隙間からひょっこりと顔を出すものなのだから。
沢山のnoteの中から、この記事を読んでくれて、 ありがとう。