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対戦ゲームでコミュニティ大会が必要な理由とは

 この記事においてのコミュニティ大会の定義は「非営利かつ非公式の大会」とします。

 対戦ゲームであれば、多くの場合コミュニティ大会が開かれると思います。それこそ、小さい規模であれば友達の家に数人で集まって対戦会をするのもコミュニティ大会と呼んでもいいでしょう。大きな規模であればEVOのように数万人規模の参加申請がある格闘ゲームのコミュニティ大会もあります。

 今回の記事はコミュニティ大会がどうして必要なのかを書きます。ゲームの販売会社(以下パブリッシャ)だけでなく、プレイヤーや将来のesports観戦者、プロゲーマーやプロストリーマーのためにもコミュニティ大会が必要になります。

 なので、今回はコミュニティ大会を開くことで、どのようなメリットがパブリッシャやコミュニティにもたらされるのかを書きたいと思います。

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日本最大級のコミュニティ大会ウメブラ(スマブラSP)
引用元https://ayuha167.github.io/blog/2019/09/25/
撮影者https://darimoko.smugmug.com/

Ⅰ交流の場となる

 一番の理由としてはプレイヤー同士の交流の場を作ることができることです。オフラインであれば、対戦した相手と話しができる場合が多く、場合によっては会場にいる他の参加者との交流や対戦もできます。マナーを守って交流をすれば得るものは多いです。オンラインの大会でも、対戦終了後にSNSなどで連絡をして、交流をすることも不可能ではないと思います。

 飲み会や交流会などのイベントと異なり大会形式という縛りがあるので、試合後に参加者と話が合いやすいというのも交流の場として適切な理由になります。また、勝つためではなく交流のためにゲームをする層も一定数いるので、交流ができる場というのはプレイヤーを増やし維持するためにも必要です。

Ⅱ公式大会の練習の場を作る

 公式大会がある場合は、その練習の場としても機能します。公式大会がランクマッチの上位プレイヤーを招待する形で行われる場合や大会とランクマッチのルールが異なる場合はそれ用に練習を行うことが効果的だからです。

 その際の練習場所としてコミュニティ大会があると、練習がスムーズに行えます。大会の場合は1試合の勝敗が順位に大きな影響を与えるので、毎試合緊張感をもって試合を行えます。負けが続くときの気持ちの切り替えを早くしたり、運営トラブルによる大会遅延に対して集中力を切らさない方法もオンライン対戦だけでは練習しにくいところです。

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パズルゲームでは歴史の長い大会コミュニティぷよぷよ界隈写真は飛車ぷよの模様
引用元https://gamemix.jp/show/12215

Ⅲプロゲーマーの登竜門を作る

 ゲームが人気になり、そのゲームのプロゲーマーが誕生した際には、実績や経験を積む場としてコミュニティ大会が使われることがあります。

 特に、公式のプロリーグがない場合は、プロゲーマーとして活動するための土台としてコミュニティ大会の重要性が高いです。プロリーグがない以上実績を作り、プレイヤーに箔をつけ、スポンサーを獲得するにはコミュニティ大会で結果を残す必要があるからです。

 プロリーグがあればゲーム内のランクマッチでの成績でプロになれる可能性もあるのですが、少ない試合数の中で勝ち切った実績があることはプロになる上でマイナスになることはありません。

 コミュニティ大会も大型のものであれば配信があることが多く、場合によっては選手カメラがつく場合もあります。コミュニティ大会でもいいので、大型大会で上位入賞をし、実績と知名度を付けることによってスポンサーやチームの目に留まりプロへの道が開けてきます。仮にプロゲーマーとして活動できなくても、実績と実力を下地として配信を行うことができればストリーマーとしての道が開ける場合もあります。

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引用元https://note.com/orca_sheik/n/n65beead54c03

Ⅳプロリーグがないならコミュニティ大会を盛り上げよう

 プロリーグがない場合はコミュニティ大会がプロゲーマーの露出の場になります。公式大会があるゲームならばそこでの優勝がプレイヤーの目標になります。しかし、公式大会というのは営利目的で行う以上、広告宣伝費の上限が公式大会数の上限になります。

 そこで、公式大会に近い実績が作れるコミュニティ大会を作り、プレイヤーを中心にコミュニティ全体でコミュニティ大会を盛り上げることで、大会を増やすことを提案します。大会が増えればプレイヤーの露出も増えますし、露出が増えることでまずはプロストリーマー(youtuber等)として活動できる可能性が出ます。

 公式大会さえない場合は、コミュニティ大会の視聴者や参加者が増えることでがストリーマーとして活動できる土台を作ることもできます。将来的に専業プロとして活動するだけのお金は得ることは難しいですが、プロストリーマーとして活動する土台を作ることによってプロゲーマーとして活動できる状態になるかもしれません。

 また、コミュニティが大会を望んでいること、プレイヤーにファンがつくケースが多いことが分かれば、公式大会やプロリーグの開催が行われる可能性もあります。そうならなくても、コミュニティ大会へのサポートが始まる可能性はあります。

 コミュニティ大会へのサポートが入ると大会の規模が大きくなる。大会の規模が大きくなると競技性を求めるプレイヤーやプレイヤーのファンが増える。そうやって、コミュニティからプロリーグを作る土台を作ったり、コミュニティだけで経済が回る土台を作ればパブリッシャもプレイヤーもファンも幸せになれるのではないかと思っています。

 大会を開くのが大変であれば、大会に参加したり、大会を視聴したり、人に薦めたりとできることはたくさんあります。コミュニティ大会は運営の頑張りだけでは成り立たないので、参加者や視聴者全員で盛り上げる必要があります。

 そのためにはコミュニティ大会主催者が多くの参加者を集めるための努力をすることに加えて、プロプレイヤーやプロストリーマーを目指す人が積極的に大会に参加をすることも重要です。自分が望む環境は自分で作る精神が必要になります。

 最後は理想や感想を書いてしまいましたが、自分の好きなゲームでプロになりたい人やもっと頑張れる環境を作りたい、そういう人を応援したい。こう思っている人に少しでも火を灯せたらうれしいです。

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