今週の生成AIの気になるニュース・記事(4/15~4/19)
こんにちは。分析屋の平野です。
社内チャット部屋にて紹介されたニュースや記事を紹介します。
毎週、生成AIの新モデルや新サービスが公開されますね。
LLMモデル
イーロン・マスク氏のxAI社は「Grok」の更新版「Grok-1.5V」を発表しました。
テキストプロンプトに加え、文書や図、チャート、スクリーンショット、写真などの視覚情報を処理出来るようになりました。
既存のGrokユーザーに間もなく提供予定とのことです。
OpenAIは4月15日、アジア初の拠点となる東京オフィスの開設に合わせ、「GPT-4」の日本語特化版「GPT-4 Customized for Japanese」を発表しました。
GPT-4 Turboに比べて日本語の処理速度が「3倍」とのことです。
サービス
米Googleは「Gemini for Google Cloud」を発表しました。
「Gemini Code Assist」、「Gemini in Security」、「Gemini in Looker」にて生成AIが利用できるそうです。
自動作曲AIサービス「Udio」が4月10日にリリースされました。
現在はβ版として公開されており1カ月で1200曲まで生成が可能です。
米Adobeは動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」のビデオ編集ワークフローに生成AI機能を導入することを発表しました。
現在Firefly用のビデオモデルの開発を進めている一方、OpenAI、Pika Labs、Runwayなどの生成AIモデルを今後利用出来るようにするそうです。
AI文字起こしツールの「notta」が、動画を要約してくれる機能をリリースしました。
YouTube動画のURLを貼り付けただけで、動画の要約とテキスト化します。
株式会社エクサウィザーズのグループが公開している「exaBase 生成AI」サービスが複数のLLMに対応しました。
GPTシリーズに加えて、Claude 3、Gemini、tsuzumiに2024年5月から随時対応とのことです。
また、異なるLLMの違いを吸収するマイグレーション技術を開発し、その特許を取得したそうです。
「Stable Diffusion 3」のAPIが2024年4月17日に公開されました。
Logitechの一般向けキーボード/マウス用ユーティリティ「Logi Options+」にChatGPTのプロンプト作成を高速化できるミニツール「Logi AI Prompt Builder」が追加されました。
現時点では、UIがほぼ英語で標準のプロンプトも英語で日本語のプロンプトで指示出すことはできますが出力は英文のままとのことです。
研究
市場調査の生成AIを活用が出来るかどうか研究した内容です。
GPT-4などのLLMを使いさまざまな質問を投げかけてみた結果、人間に対して行った場合の回答内容と75%~85%という高い割合で一致したそうです。
つまり、市場調査で質問を投げかける相手として、人間の代わりに生成AIを用意しても高い確率で同じ答えが返ってくると期待でき、LLMが市場調査において人間を補完または代替する手段となり得ると結論付けています。
Googleの研究者が、LLMに無限の長さのテキストを処理させる手法「Infini-attention」に関する論文を発表しました。
「Infini-attention」は圧縮メモリをTransformerベースのLLMが持つメカニズムである「注意機構」に組み込み、局所注意機構と長期線形注意機構で単一のTransformerブロックを構築するというアプローチです。
NTTは最適輸送問題に対して巡回対称性を利用することで、従来方法と完全に同等な解を高速に計算できるアルゴリズムを提案し、その効果を理論的/実験的に「世界で初めて」示したと発表しました。
今後、生成AI(人工知能)のリアルタイム処理の高速化などへの応用が期待できるとのことです。
ビジネス
SHIFT社は生成AIを利用したリバースエンジニアリング用のツールを開発し、マイグレーション支援サービス「AIドキュメントリバースサービス」の提供を始めました。
COBOLやC、C++、Java、JCL、SQLなどに加え、PythonやGo、JavaScriptなど18のプログラミング言語に対応しており、ソースコードを読み込むことでクラス図やシーケンス図など10種類のドキュメントを作成できるそうです。
中国で「生成AI」を使って亡くなった人を「復活」させるビジネスが登場し、論争を呼んでいます。
調査
IDCが生成AIに関する予測結果を公開しました。
生成AIを企業のマーケティングタスクに適用すると、2029年までの期間で生産性が40%以上向上するそうです。
論文の盗用を検出するツールを提供しているTurnitinが、これまでにレビューした2億件超の学生が提出したレポートの調査結果について報告しました。
全体の約11%に相当する約2200万件のレポートでは、少なくとも文章の20%がAIによって生成された可能性があると判定され、文章の80%以上がAIによって生成された可能性があるレポートの総数は、全体の約3%に相当する600万件に達したと報告しております。
活用事例
旭化成における生成AIの活用事例です。
ある事業部の製造現場では、書面による顧客監査対応業務を1件あたり25時間から12時間に短縮し、年間で約1820時間の短縮が実現できる見込みとのことです。
単に対応業務を自動化しただけではなく、過去のデータの活用により品質が向上することも確認できたそうです。
パルコとLIFULLにおける生成AIの活用事例です。
LIFULLではモデルも含め、撮影は一切せず、プロンプトだけを使ってビジュアルやムービー、ナレーション、音楽に至るまですべて生成AIを活用した広告の事例、
パルコでは生成AIで10,000パターンの「フワちゃん」を作った事例が紹介されています。
経済産業研究所は「漫画制作における生成AI活用の現状:2024春」という資料を無料公開しました。
2人組漫画家「うめ」のシナリオ・演出担当の小沢高広さんが作成したもので、商業漫画において、生成AIを活用しているという小沢さんの知見を全103ページの資料で紹介しております。
NTTComにおける生成AI活用事例です。
本ブログの記事データを管理しているGitHubリポジトリにGPT-4を用いた校正CIを導入してみたそうです。
適切なプロンプトを得るための試行錯誤や、この記事自体を校正させてみた結果について掲載されています。
メルカリの生成AIの活用事例です。
「メルカリAIアシスタント」やメルカリ社員専用のChatGPTなどについて紹介されています。
プロンプトなど
日本マイクロソフト株式会社の畠山大有氏がChatGPTで生産性と品質を上げるポイントについて解説しております。
法律
アメリカ・民主党のアダム・シフ下院議員がAI企業に対し、生成AIモデルの開発に使用した著作権のある素材を開示することを義務付ける「生成AI著作権開示法(Generative AI Copyright Disclosure Act)」案を提出しました。
この法案は、AI企業が著作権のあるコンテンツを不正に使用してツールを開発しているのではないかという懸念から生まれたものです。
弁護士の方はAIと著作権に関する法的論点とその基本的な考え方について網羅的に整理したものです。
中国の裁判所で「ウルトラマン」のような画像を生成出来るサービスを提供していた事業者に著作権侵害の責任を認め、損害賠償などを命じる判決を出したそうです。
生成AIと著作権を巡る判決として日本でも注目されております。
その他
画像素材サイト「PIXTA」などを運営するピクスタは4月8日、PIXTAの画像素材を生成AIの学習用素材として販売すると発表しました。
同社は「生成AIの学習用素材へのニーズの激増傾向を考慮した」と説明しております。
専用フォームから問い合わせすれば除外できますが、
しない場合は事前説明などなく生成AIの学習用素材として提供される可能性があるとのことです。
ジェネレーティブAI「Adobe Firefly」に画像生成だけではなく動画生成を行わせるため、Adobeがトレーニング用のコンテンツ収集に動き出したことをBloombergが報じました。
動画提供に対する報酬は、1分につき最高7.25ドル(約1110円)ほどになる可能性があるとのことです。
AI企業Anthropicのダリオ・アモデイCEOはAIモデルの学習費用が今後数年で約100億ドルに達すると推測しています。
また、「現状のAIとはかけ離れた性能を持ち危険度を定義できないAI」が2025年~2028年に登場するのではないかと予測しています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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