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DXとマーケティングその25:デジタルサービスの開発とマーケティング情報システム

分析屋の下滝です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とマーケティングの関係を考えてくシリーズの25回目です。

今回は、DX書籍の一つである『デザインドフォー・デジタル』の続きを行いたいと思います。

具体的には、DX領域における「デジタルサービス開発」の位置づけと、マーケティング領域における「マーケティング情報システム」との位置づけとの関係を見ていきます。

これまでの記事の流れは以下の図となります。

ロードマップ2

これまでの記事

第1回はこちら。経産省のDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第2回はこちら。『DX実行戦略』におけるDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第3回はこちら。「無料/超低価格」のビジネスモデルを分析しました。
第4回はこちら。「購入者集約」のビジネスモデルを分析しました。
第5回はこちら。「価格透明性」のビジネスモデルを分析しました。
第6回はこちら。「リバースオークション」のビジネスモデルを分析しました。
第7回はこちら。ここまでの記事をまとめました。
第8回はこちら。「従量課金制」のビジネスモデルを分析しました。
第9回はこちら。『マーケティング大原則』という書籍におけるマーケティング定義を確認しました。
第10回はこちら。『マーケティング大原則』という書籍で紹介させている「戦略的コンセプト」をDXの視点から関係性を見ました。
第11回はこちら。DXの実行プロセスとマーケティングのマネジメントプロセスの関係性を見ました。
第12回はこちら。DXの実行プロセスとマーケティングのプランニングプロセスの関係性を見ました。

DXと経営篇
第14回はこちら。DXと経営との関係付けの準備を行いました。
第15回はこちら。DXと事業の定義がどのように関係するのかをみました。
第16回はこちら。DXと「われわれの事業は何になるか」と「われわれの事業は何であるべきか」がどのように関係するのかをみました。
第17回はこちら。DXの背景を整理しました。
第18回はこちら。DXの背景と「顧客は誰か」との関係を整理しました。
第19回はこちら。DXの背景と「顧客はどこにいるか」との関係を整理しました。
第20回はこちら。DXの背景と「顧客は何を買うのか」との関係を整理しました。

デザインドフォー・デジタル篇
第13回はこちら。『デザインドフォー・デジタル』というDXの書籍をもとにDXとマーケティングの関係をみました。
第21回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングの関係を指摘しました。
第22回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングでの新製品開発との関係を整理しました。
第23回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングでのカスタマーインサイトとの関係を整理しました。
第24回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングでのカスタマーインサイトチームとの関係を整理しました。

おさらい:デザインドフォー・デジタルでのDX

以下の図は、『デザインドフォー・デジタル』でのDXの概念を整理したものです。青色がDXでの概念、赤色がマーケティングでの概念です。

画像2

デジタル対応化:デジタル対応化ができる企業になれば、イノベーティブなデジタルサービスを開発できる組織能力を備えるようになり、そのデジタルサービスは、より高度なバリュープロポジション(顧客への価値提案)を実現できるものだとされます。

バリュープロポジション:バリュープロポジションは、顧客のニーズに対しその企業のみが提案できるような価値を指します。

DXと組織能力:DXは、デジタル対応化に向けての取り組みとされます。この取り組みは、ビルディングブロックと呼ばれる組織能力を構築することから構成されます。ビルディングブロックは5つあり(図の左上)、各ビルディングブロックは、「人材」、「プロセス」、「技術」の変化をもたらすものとされます。

今回の記事では、ビルディングブロックの一つである、「シェアード・カスタマーインサイト」を扱います。

「シェアード・カスタマーインサイト」は、デジタルサービス開発におけるプロセスのあり方を扱うようなものです。付随してデジタル技術や顧客に関する理解、理解の蓄積と共有といった行いやそれらを行うための体制も関わります。

おさらい:シェアードカスタマーインサイトの構成要素

以下の図に、シェアード・カスタマーインサイトの構成要素を示します。

dfd_シェアード

『デザインドフォー・デジタル』でのニュアンスを拾いきれているわけではありませんが、整理してみたものになります。

本文でどのように書かれているのかは、過去の記事を参照してください。

基本的には、顧客のニーズに応えられるデジタルサービスをいかに開発していくか、ということになりそうです。

以下で、特徴を整理します。

開発プロセス:デジタルサービスの開発は、実験的に何度も行いながら、「デジタル技術が可能にするソリューション」と「顧客ニーズ」が重なり合う部分を見つけるというアプローチを取ります。

顧客の理解、顧客の参加、サービスのアイデア創出:実験では、カスタマージャーニーマップといった顧客を理解するための手法や、外部パートナーや顧客自体の参加、アイデアを募るための仕組みといったのが使われます。

ビジョン:実験においては、ビジョンを定義しておくことは、どのような実験を新たに実施するのか、実験結果の評価基準をどうするのか、という疑問に答える上で役に立ちます。ビジョンは例えば「スマート・エネルギーマネジメント・ソリューションを提供する」や「低コストでヘルスケアの成功を高める」といったものです。

業務プロセス:実験の際に、顧客の理解やデジタル技術の学びが得られます。この学びを蓄積し、社内で共有する必要があります。共有が必要なのは、同じような実験が行われないようにするためです。

組織体制:組織体制としても新しい試みが必要となります。
・IT部門やマーケティング部門等が、製品開発の初期から参加するといった機能横断型のチーム
・実験からの学びを社内に共有・拡散することを目的とした部門

おさらい

この連載は、DXとマーケティングの関係を考えていくものです。関係の捉え方として、ここ数回の記事では、マーケティング領域での概念と、シェアード・カスタマーインサイトでの概念がどのように重なるのかを調べてきました。

領域重なり

上記の図で示すように、大きく、2つの可能性があります。
1.マーケティング領域での概念に、シェアード・カスタマーインサイトの概念がすべて含まれる可能性
2.マーケティング領域での概念に、シェアード・カスタマーインサイトの概念が部分的に含まれる可能性

また、以下の可能性も考えられますが、恐らくありません。
3.互いに関係が全くない可能性。これは、これまでの記事の結論からするとありません。
4.シェアード・カスタマーインサイトにマーケティング領域の概念が含まれる可能性。シェアード・カスタマーインサイト自体が、マーケティング領域より広い概念を扱うとは見なせないと思われます。

この可能性1と2を分析するために、これまでの記事では、具体的には、次のような流れをもとに議論してきました。
1.まず、マーケティングにおける「新製品開発プロセス」と「マーケティング・リサーチ」との関係性があるのではないかと指摘しました。
2.次に、「新製品開発プロセス」との関係性を議論しました。
3.次に、マーケティング領域での「カスタマーインサイト」との関係性を議論しました。
4.次に、マーケティング領域での「カスタマーインサイトチーム」との関係性を議論しました。

以下では、2~4で具体的に議論した流れを振り返ります。

新製品開発プロセス:新製品開発プロセスでの整理は以下の図となります。DX領域での「デジタルサービス開発」は、マーケティング領域での「新製品開発」の一種として分類しました。

dfd_新製品特徴

マーケティング領域においては、新製品開発で言及されている特徴として、「顧客中心の姿勢」、「チーム型の製品開発」があります。それぞれ、「開発プロセスに置いて顧客を巻き込むこと」、「プロセスの最初から最後まで様々な部門の関係者が関与すること」を意味します。これらは、シェアード・カスタマーインサイトでも言及されている特徴と同様のものであると考えられます。

シェアード・カスタマーインサイトでは、デジタルサービス開発のプロセスにおいて、以下の4つが言及されています。
・ビジョンの設定
・顧客のニーズを満たせるようなサービスを見つけるために実験的に開発を繰り返すプロセス
・開発プロセスにおいて、デジタル技術と顧客に関して学習したことの蓄積・共有
・学習内容の蓄積と共有に責任を持つ組織体制
これらの特徴は、マーケティング領域では言及されていませんでしたが、新製品開発プロセスの枠組み内に位置づけたとしても、問題はないと思われます。

カスタマーインサイト:新製品開発プロセスの枠組みでは、上記の4つの特徴は言及されていませんでしたが、マーケティング領域おける他の概念の説明時に言及されているかもしれません。そこで、次に、マーケティング領域における「カスタマーインサイト」について調べました。カスタマーインサイトは「顧客に関しての深い洞察」と意味されます。

DX領域におけるシェアード・カスタマーインサイトは、その名の通り、カスタマーインサイトに関するものです。シェアード・カスタマーインサイトにおけるカスタマーインサイトの定義は見つけられませんでしたが、「顧客に関しての深い洞察」と大きくは変わらないと思われます。

マーケティング領域でのカスタマーインサイトの概念を調べた結果としては、マーケティング領域におけるカスタマーインサイトの概念は、シェアード・カスタマーインサイトでの議論の枠よりも広いものと言えそうです。以下の2つの観点から、違いがありそうです。
1.カスタマーインサイトの位置づけ。カスタマーインサイトは、他の概念とどのように関係するのか。
2.カスタマーインサイトの使われ方。得られたカスタマーインサイトはどのプロセスで使われるか。

1つ目は、以下の図で示すように、マーケティング領域においては、「マーケティング情報」という概念があり、カスタマーインサイトは、その情報から抽出されるものと位置づけられています。シェアード・カスタマーインサイトでは、マーケティング情報という概念は出てきません。

カスタマーインサイト2

上記の図では、マーケティング情報を得る手段の一つとして、マーケティングリサーチを位置づけています。

2つ目は、カスタマーインサイトの使われ方に関するものです。以下の図で示すように、マーケティング領域おいてはカスタマーインサイトの使われ方は、新製品開発に限りません。広告キャンペーンといった他のプロセスにも使われます。シェアード・カスタマーインサイトが想定してる範囲では、広告キャンペーンは言及されていません。

カスタマーインサイトプロセス2

マーケティング領域におけるカスタマーインサイトの概念は、ここまでとなります。シェアード・カスタマーインサイトでの4つの特徴に対応するような概念は、存在しませんでした。

カスタマーインサイトチーム:続いて、マーケティング領域では、カスタマーインサイトチームと呼ばれるような組織体制が紹介されています。カスタマーインサイトチームは、以下の図に示すように、様々な方法でマーケティング情報を収集し、カスタマーインサイトを抽出する役割を持ちます。

カスタマーインサイトチーム_デジタルサービス開発

カスタマーインサイトチームは、シェアードカスタマーインサイトにおける以下の特徴に近い役割を持つと言えます。
・開発プロセスにおいて、デジタル技術と顧客に関して学習したことの蓄積・共有
・学習内容の蓄積と共有に責任を持つ組織体制

しかし、特徴を細かく見ていくと、違いがありそうです。
1.カスタマーインサイトの蓄積と共有の有無:カスタマーインサイトチームの役割として、カスタマーインサイトを蓄積し、社内で共有する、とまでは書かれていないこと。
2.新製品開発プロセスでのカスタマーインサイトの抽出の有無:カスタマーインサイトチームの役割として、新製品開発プロセスでのカスタマーインサイトの抽出とは書かれていないこと(上記の図では、新製品開発プロセスを対象としても問題はないとして付け足して拡張したものです)。
3.技術要素の理解の有無:カスタマーインサイトチームの役割として、新製品開発プロセスでの「技術要素の理解の蓄積」に関しては、書かれていないこと。デジタルサービス開発では、デジタル技術の理解が必要となります。

ここまでの議論踏まえて、以下の図に、シェアード・カスタマーインサイトの特徴とマーケティング領域での概念の関係性を整理しました。

dfd_シェアード_特徴整理

この図では、シェアード・カスタマーインサイトの特徴を、これまで議論してきたものより、細分化しています。理由としては、マーケティング領域における概念が、どの特徴を対象とするのかをより細かく分析するためです。

今回の話:マーケティング情報システム

今回は、これまでの記事の続きとなります。前回、マーケティング領域における「マーケティング情報システム」と呼ばれる仕組みも、シェアード・カスタマーインサイトの特徴と関係があるのではないかと指摘しました。

前節での特徴と概念の関係の整理の図で表すと、以下のようになります。

マーケティング情報システムと特徴

上記の図で示しているように、以下の特徴に着目していきます。
・デジタル技術に関する
 ・学習内容の蓄積
 ・学習内容の共有
 ・学習内容を共有する責任を持つ体制
・顧客に関する
 ・学習内容の蓄積
 ・学習内容の共有
 ・学習内容を共有する責任を持つ体制

マーケティング情報システムは、次のような役割を持つ仕組みとされています。

このように、企業は効果的なマーケティング情報システムを構築し、マネジャーに適切な情報を適切な形で適切なときに提供することにより、顧客価値を創造して強力な顧客リレーションシップを構築しなくてはならない。マーケティング情報システム(Marketing Information System ; MIS)とは、マーケティング意思決定者に必要な情報を収集し、顧客と市場の潜在的な欲求を浮き彫りにしていく仕組みのことである。
図5.1に示すように、MISは情報のユーザーに始まり、情報のユーザーに終わる。上のユーザーとはつまり、マーケティング・マネジャー、内部および外部のパートナー、その他マーケティング情報を必要とする人々である。まず、情報のユーザーとのやりとりから情報ニーズを評価する。次に、マーケティング環境を踏まえつつ、社内データベースや日々蓄積されるデータの利用はもちろん、マーケティングに役立つ情報を抽出するマーケティング・インテリジェンス活動やマーケティング・リサーチなどを通じして必要な情報を得る。最後に、情報を分析・利用して、カスタマー・インサイトの獲得や顧客リレーションシップのマネジメントを促す。
──『コトラー、アームストロング、恩藏のマーケティング原理』, コトラーら, pp.114-115

マーケティング情報システムは、以下の図で表現されています。

画像3

要素分解して整理します。
・マーケティング情報システムは、仕組みである。
・マーケティング意思決定者が存在する。
・マーケティング意思決定者に必要な情報がある。
・マーケティング意思決定者に必要な情報が収集される。
・顧客と市場の潜在的な欲求があり、浮き彫りにできる。
・マーケティング情報を必要とする情報ユーザーがいる。
  ・マーケティング・マネジャー
  ・内部および外部のパートナー
  ・その他マーケティング情報を必要とする人々
・情報ユーザーは、マーケティング情報からカスタマーインサイトとマーケットインサイトを得る。
・情報のユーザーとのやりとりから情報ニーズが評価される。
・社内データベースや日々蓄積されるデータが利用される。
・マーケティングに役立つ情報を抽出するマーケティング・インテリジェンス活動やマーケティング・リサーとなどを通じて必要な情報が得られる。
・情報は、分析・利用され、カスタマー・インサイトの獲得や顧客リレーションシップのマネジメントが促される。

なお、同書では、マーケティング情報システムの枠組みに基づき、以下の解説が続いています。

・マーケティング情報に関するニーズの評価
・マーケティング情報の抽出
・マーケティングリサーチ
・マーケティング情報の分析と利用

これらの解説の詳細によっては、結論が変わるかもしれませんが、この時点での考察を行いたいと思います。

考察

では、マーケティング情報システムの概念に、以下の特徴があるのか見ていきます。
・デジタル技術に関する
 ・学習内容の蓄積
 ・学習内容の共有
 ・学習内容を共有する責任を持つ体制
・顧客に関する
 ・学習内容の蓄積
 ・学習内容の共有
 ・学習内容を共有する責任を持つ体制

まずは、デジタル技術に関してですが、具体的な言及はなさそうです。

次に、顧客に関してです。こちらも明確には書かれていないような気がします。理由としては、「マーケティング情報システム」であって、「カスタマーインサイトシステム」ではないと思えるためです。つまり、マーケティング情報の蓄積(社内データベース)であって、カスタマーインサイトの蓄積ではないということです。

しかし、シェアード・カスタマーインサイトでは、カスタマーインサイトや顧客に関する学習内容という言葉は出てきますが、マーケティング情報という言葉はでてきません。もしかすると、マーケティング情報という概念も含んでいるのかもしれません。そこで、シェアード・カスタマーインサイトでの言葉の範囲を、マーケティング情報を含むと仮定して分析してみます。
・学習内容の蓄積:社内データベースに蓄積されます。

・学習内容の共有:ここでは、共有の意味を、蓄積されている情報の扱い方として、区別することが必要かもしれません。 
1.情報にアクセスできるということ、が共有を意味する。
2.情報を積極的に社内に共有すること、を意味する。
シェアード・カスタマーインサイトでは、積極的に共有することが必要だとされています。共有が必要なのは「同じような実験が行われないようにするため」でした。

つまり、シェアード・カスタマーインサイトでは、特定のプロセス(デジタルサービス開発)とその目的(バリュープロポジションを高度化するようなデジタルサービスを顧客に提供する)のために、学習内容の共有という活動が必要とされていました。

一方で、マーケティング情報システムは、具体的にどんなプロセスでの情報の利用なのかを規定していないように思えます。これは「マーケティング意思決定者に必要な情報を収集し、顧客と市場の潜在的な欲求を浮き彫りにしていく仕組みのことである」とあることからも読み取れるように思えました。マーケティング意思決定者が「意思決定するプロセス」に必要な情報と解釈するのであれば、プロセスが存在すると見なせますが、一般的すぎると言えそうです。

・学習内容を共有する責任を持つ体制:言及されていないように思われます。マーケティングリサーチといったマーケティング情報抽出のための体制は存在しますが、その体制の責任には「情報を共有すること」が含まれていないと思われるためです。

以上、3つの特徴を考察しました。

さて、カスタマーインサイトという概念を扱っているにも関わらず、「シェアード・カスタマーインサイト」と「マーケティング情報システム」との間に上記のような違いが生み出される理由はなんでしょうか。以下のように整理できそうです。
1.カスタマーインサイトが活用されるプロセスの範囲が異なる。
2.どんなプロセスでカスタマーインサイトが使われるかにより、カスタマーインサイトの扱われ方が異なる。
3.どんなプロセスかで、そのプロセス内において、他にどのようなプロセスや要素、体制が最適なのかは異なる。

プロセスの違い

最後に、以下の図に、マーケティング情報システムを整理しました。

dfd_シェアード_特徴整理2

まとめ

今回は、DX領域における「シェアード・カスタマーインサイトの特徴」とマーケティング領域における「マーケティング情報システム」の概念との関係を見ました。

結論としては、以下の二点です。
1.マーケティング情報システムは、マーケティング情報を対象としており、カスタマーインサイトの蓄積や共有、共有に責任を持つ体制に関しては、扱ってないように思われる。
2.マーケティング情報システムは、デジタル技術に関する学習内容の扱いを対象外としている。

この結論は、次のことに起因するように思えます。
1.マーケティング領域では「新製品開発」のプロセスを概念の対象としているが、DX領域が対象とする「デジタルサービス開発」といったより特化した製品開発での最適なプロセスを扱いきれていない。
2.「デジタルサービス開発」での最適なプロセスを扱いきれていないため、マーケティング情報システムの対象範囲もそのプロセスに最適でないか、対象外となっている。

次回は、マーケティング情報システムの枠組みに基づき、枠組みの構成要素をさらに詳細に見ていくことで、今回の結論の改善を目指します。

続きはこちら

これまでの記事

第1回はこちら。経産省のDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第2回はこちら。『DX実行戦略』におけるDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第3回はこちら。「無料/超低価格」のビジネスモデルを分析しました。
第4回はこちら。「購入者集約」のビジネスモデルを分析しました。
第5回はこちら。「価格透明性」のビジネスモデルを分析しました。
第6回はこちら。「リバースオークション」のビジネスモデルを分析しました。
第7回はこちら。ここまでの記事をまとめました。
第8回はこちら。「従量課金制」のビジネスモデルを分析しました。
第9回はこちら。『マーケティング大原則』という書籍におけるマーケティング定義を確認しました。
第10回はこちら。『マーケティング大原則』という書籍で紹介させている「戦略的コンセプト」をDXの視点から関係性を見ました。
第11回はこちら。DXの実行プロセスとマーケティングのマネジメントプロセスの関係性を見ました。
第12回はこちら。DXの実行プロセスとマーケティングのプランニングプロセスの関係性を見ました。

DXと経営篇
第14回はこちら。DXと経営との関係付けの準備を行いました。
第15回はこちら。DXと事業の定義がどのように関係するのかをみました。
第16回はこちら。DXと「われわれの事業は何になるか」と「われわれの事業は何であるべきか」がどのように関係するのかをみました。
第17回はこちら。DXの背景を整理しました。
第18回はこちら。DXの背景と「顧客は誰か」との関係を整理しました。
第19回はこちら。DXの背景と「顧客はどこにいるか」との関係を整理しました。
第20回はこちら。DXの背景と「顧客は何を買うのか」との関係を整理しました。

デザインドフォー・デジタル篇
第13回はこちら。『デザインドフォー・デジタル』というDXの書籍をもとにDXとマーケティングの関係をみました。
第21回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングの関係を指摘しました。
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第23回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングでのとカスタマーインサイトとの関係を整理しました。
第24回はこちら。シェアード・カスタマーインサイトとマーケティングでのとカスタマーインサイトチームとの関係を整理しました。

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