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裏で糸を操っているのは?

髪が短い女性が、同じポーズをする人型が収められた箱を昔の傀儡師のように肩から下げている奇妙な作品です。長沼孝三先生が、世の不条理やおかしなことを皮肉ったとされる連作「怪」シリーズの一つです。

「傀儡(かいらい)」 1972年 セメント

タイトルの意味には、あやつり人形の他に、人の手先になって思い通りに動かされるという意味もあります。

長沼先生が今作に込めたのは、個人的なことかもしれないし、組織的なことなのかもしれないです。

もしかすれば、当時の世界情勢を憂い制作したのかもしれないです。

それは定かではないが、間違いなく広い視野と深い意味を込めて制作された今作は、鑑賞者の琴線に触れ、思わずはっとなる巧みさがあリます。


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