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知らない女の子からアドレスの書いた紙を渡された話

伊藤源二郎です。

このnoteは2008年7月16日、僕が大学3年生の夏に書いたmixiの日記を転用したものです。

ですので、「二十歳の童貞大学生」もしくは「ヤラハタ大学生」(← 同じじゃねえか!!!)が書いたと思ってご覧ください!

僕が大学のキャンパスを歩いているとき、知らない女の子からアドレスの書いた紙を渡された話です!

童貞時代の淡い青春の思い出、ぜひぜひご一読ください!


【本文】

おとといの月曜日


2限のバスケでさわやかな汗をかいたオレは、日吉のキャンパスでさわやかな風を感じていた

3、4限は三田キャンパスで授業があったのだが、日吉の緑溢れる美しい木々たちが、三田に向かおうとするオレの心を引きとめた

木漏れ日がきらきらと揺れていた

心地よい夏の午後だった

オレはそのまま日吉でのんびり過ごすことを決めた(←授業行けよ)

その後1人で日吉をぶらぶらしていると、サークルの後輩の相木やら大窪やらが来たので、キャンパスのベンチに座り、人間観察をしつついろいろ語り合うことにした

露出の激しい季節

足自慢の少女たちが思い思いにその自慢の足を魅せつけながら、オレたちの前を通り過ぎていく

空ではギラギラと、太陽が僕らを照らしている

夏だった

駐車場の猫はあくびをしながら今日も1日を過ごしていく

夏色だった

しばらく時間が経ち、夕方になったので飯を食おうということになり、並木道の坂を下っているときだった

後ろから、ちょっとぽっちゃりした同い年ぐらいの女の子が声をかけてきた

「あの、これ友達からです」

と、1枚の紙を渡された

そこには


「よかったら、友だちになってください。」

というメッセージと、pinkなんちゃら@ドコモというアドレスが書いてあった

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オレは思った

胡散臭え!!!!

・・・が、しかし

こんなこと初めてだな

なんかちょっと嬉しいな


もしかしたらバスケかなんかの授業が一緒で、ずっとオレのプレーに恋をしてて

でも恥ずかしくて声をかけれなくて

そんなとき、偶然キャンパス内でオレを発見して話かけようと思ったものの、勇気が出ないから友達に頼んで、せめてアドレスだけでも渡してきてもらおうと思ったのかもしれない


ふお~なんて初心(うぶ)でいたいけな少女なんだ!!!

絶対処女だ!!!! 

※当時伊藤は童貞だったので、「処女と付き合いたい」と思ってました。『ふたりエッチ』の優良さんと真さん的な、『童貞VS処女』の関係に憧れていました。

キスすると赤ちゃんができると思ってるタイプだな

チクショーこの清純が~

まさか東京にも、しかも大学生になってもなお、こんな子が残っていたとは・・・


と、オレはさまざまな妄想を巡らせ、若干怪しいと思いながらも、その日の夜、相木んちで遊んでるときにノリでメールをしてみた


しばらくするとメールが帰ってきて、何通かメールをした


が、オレの『憧れの先輩(オレ)説』は見事に砕け散った

まず、慶應の子じゃなかった

しかも学生でもなかった

オレを見たのはそのときが初めてだったらしい


さらに24歳だった

オレはガッカリした

しかも多くを語らない、メールしててイライラするタイプの女だった

名前すらオレから先に名乗り


オレが名乗ってもその返信で名乗ってこないという、悪い意味で変な女だった

それで、この話を昨日同じクラスのたくみにしたところ

「おまえ、それなんか騙されてんじゃね?」

と言われ、まさかとは思いつつも、オレもなんか怪しいなぁとは思っていた


それでも、メールのやりとりは続いていた


そして今日、事件は起こった

レポートを提出しに三田キャンパスに行ったオレは、腹が減ったので学食で1人メシを食った

食べ終わり、学食を出て外に向かおうとしたとき、誰かに肩を叩かれた

振り返ると、すらっとしたきれい系の女の子が立っていた

彼女はオレに折りたたまれた紙を渡し、こう言った

「友達からなんで、よかったら読んであげてください。」

オレは「あー、どうもっす。」

とぶっきらぼうに答えて、彼女と別れた

だが内心

やべーーー!!!!また紙渡されちゃったよ!!!!ちょっとオレ最近キテるじゃん!!!!もしかしてモテ期到来か!!!!うっひょひょ~い


と、かなり有頂天になりながら手紙をあけた


・・・・・・愕然とした


手紙には


「よかったら、友だちになってください。」

というメッセージと


pinkなんちゃら@ドコモ、というまったく同じアドレスが書いてあったのだ!

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なんだこれは!!!!


意味わかんねえ!!!!

たくみが言っていた言葉が頭をよぎる


まさか・・・なんかの怪しい業者とかじゃ・・・

mixiでも最近、「AV女優してま~す」とかいう意味わかんない危なそうな人からメッセージ来たりするもんな・・・


ヤバイ!!!オレは危ない人にメールをしてしまったのでは!!!!


といろいろ考えたあげく、「これはもう真っ向勝負じゃ!!!」と思いさっきの女を探した


すると意外とあっさりそれっぽい女とすれ違った

でも1人じゃなく2人になっていた

異性と2対1というアウェーの状況がめちゃくちゃ苦手なオレだが、そこは勇気をだして話しかけた

「あの!!!」

と声をかけると2人は振り返った

「さっきこれ渡してきた人ですよね?」

女はちょっと照れ笑いを浮かべながら

「あ~、ハイ」

「これとまったく同じ内容の紙、おととい日吉でももらったんですけど、どういうことですか?」

2人は相当驚いた表情を浮かべ、かなり戸惑っていた

オレは問い詰めた

「まさか、変な業者の人とかじゃないですよね?」

すると彼女たちは慌てて


「いえ!それだけは全然違います!」

と言った

口ぶりから、どうやら業者ではなさそうだ

そして、「紙を渡してきた方」じゃない方の女が口を開いた

「メールくれた方ですよね?」

「ハイ。」

「すいません、あの・・・その・・・あなたがタイプで・・・それで・・・。本当にごめんなさい」

としどろもどろに語った

なんだか悪い人ではなさそうだ


オレが「あ~、そうだったんですか。」

と言うと

「またメールしてもいいですか?」

と言われ、ダメなんて言えないので「ハイ」とだけ答えその場を後にした


その後、いろいろ考えた結果、オレは悟った

オレの推理はこうだ

彼女は24にもなり彼氏がいない状況に焦りを感じた

そこで、どうせ付き合うならどっかの名前のある大学生がいいと思い、まずは慶應の日吉キャンパスに足を運んだ

大学生のクソガキぐらい、24歳の大人の魅力で落とせると踏んだのかもしれない

キャンパスで品定めをした結果、並木道で手ごろな男を発見


すかさずアドレスの書いた紙を、友達に渡させた


彼女の「メールくれた方ですよね?」の言葉から察するに、おそらく複数の男に同様の紙を配っていたのだろう


続いて彼女は三田キャンパスに向かった

日吉(1,2年)と三田(3,4年)でそれぞれ物色して何人か口説けば、誰かしら落とせると考えたのかもしれない


そして、また三田の学食で手ごろな男を発見

だが、悲しいかな

奇しくも三田の学食でアドレスを渡したその男は、日吉の坂道で渡した男と同一人物(オレ)だったのだ・・・


まあねぇ


まさかあんなでっかいキャンパス2箇所で同じ人にアドレス渡しちゃうとは思わないよねー

それぞれ数千人の学生がいるしねー


似たような人がいても不思議じゃないもんねー

ホント、どんまいっすねぇ・・・

・・・まあ、結局オレの夢はぶち壊されたわけです

そうだよな

この歳でまだ処女なんて絶滅危惧種だよな・・・

そんな高校生みたいな女の子、もういるわけねえよな・・・

オレがおかしいんだよな・・・

あ~17歳が恋しいぜ!!!!!


っつーかホント神様オレにありえないこと起こしすぎだよー


もうネタは十分いただいたんで、もうそろそろいいんじゃないですかねぇ?


そろそろ彼女作っていただけませんかね?

頼むよ神様

ハイ、これが今日のネタでした

追伸

ここまで読んでいただきありがとうございました!

結局あの時のアドレスをくれた女の人とは、その後一度も会わないまま連絡が途絶えました。

全然知らない人だけど、これを読み返して「今どう生きてるのかなぁ」と考えてしまいます。

3,4個上だからもう今年36とか37歳かな?

幸せに生きててくれてたらいいな。

なんとなく。

おしまい

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