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【文活12月号ライナーノーツ】雪柳あうこ「つづきますように」

この記事は、文活マガジンをご購読している方への特典としてご用意したライナーノーツ(作品解説)です。ご購読されていない方にも一部公開しています。ぜひ作品をお読みになってから、当記事をおたのしみくださいませ。

 祝、文活1周年。雪柳あうこです。こんにちは。
 文活で執筆のお誘いをいただき、とにかく毎月書き続けてきて、気がつけば1年。あっという間でした。いつも読んで下さっている皆様、ありがとうございます。

それでは、ライナーノーツのお品書きをどうぞ。

■連作、最終話でした

「手紙」というテーマと、「紫」と「藍」という二人の主要な登場人物を固定して始めた1年間の連作短編たちは、10作になりました。
そして、「紫と藍のあいだ」は、12月号の「つづきますように」をもって一区切りとなります。ここまで読んで下さって、本当にありがとうございました。毎月のテーマと「生活」に沿う物語達、1つでもあなたのお気に召すものがあれば幸いです。
連作は以下にまとめています。お手隙なときに通して読んで頂けたりすると、たいへん嬉しいです。

 10作、できるだけ形式などが重ならないようにと試行錯誤しました。「紫」から藍への手紙や、「藍」から紫への手紙、二人それぞれのオリジナルエピソード、1作の中でのやりとりなど。文活の毎月のテーマに沿いつつ、どんなことができるだろうかと頭を巡らせる日々でした。

 最終話は、二人が「会う」話にしようと、なんとなく思っていました。「手紙」では伝えられないことを補うような話ができればと。形式も今までにやってみたことのない、「紫(わたし)」の、「藍(私)」の、そして「わたしたち(二人)」の語りとしても読めるようにしてみました。
 コロナ禍で「会う」ということを制限された2020~2021年。初めての人や久しぶりの人に会おうとするとき、衛生面に気をつけるだけでなく、いつの間にか心理的なハードルが高くなっているように感じます。そんな気持ちを織り込みつつ、二人の久々の再会を描いてみました。少しでも共感していただけるところや、楽しんでいただける点があれば幸いです。

■「つづく(つづけられる)」のは、意思だけでなく

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