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伊東の旅

小さい頃から基本的に出不精で、家族で帰省や修学旅行もまあまあ楽しむけど、積極的に外に出たがりませんでした。大人になってからも、旅行を楽しむ余裕があるなら、レコードや映画代に充てたい主義でした。レコードや映画から、いろんな時代といろんな国に思いを馳せたり、イマジネーションを広げることができるから、普段はそれで充分だと思っています。

身近な小さな旅として、散歩を好みますが、路傍の植物に視線を落としたり、知らなかった道で、知らない素敵なお店を見つけたり、見たことのない風景に入り込むと、異邦人のような気持ちで、知らないどこかにいる自分を体験する面白さを発見します。

古き良き時代に外国から日本にやってきた人のような気持ちとは、こういうものなんでしょうか?
心のアンテナが少し動き出しました。
だから、今回自分から旅行を企ててみようと思ったということは、無意識にでも新しい次元に自分が入り始めたのかも知れません。

もともと和洋折衷なものや、異国情緒を感じるものが好きなので、それは音楽からも体験できていますが、それがいまリアルに存在するところは?と真っ先に思いついた場所が伊東温泉。と、くればこのCMですよね?

ハトヤ再発見を楽しんでいる方々の動画やSNSを見て、CMでしか見たことがないハトヤには、やはり一度は行くべき!と思い早速調べてみました。
今回は、海側にあるサンハトヤへ。
「訳アリ部屋プラン」というのを選びました。
安いかわりに部屋のタイプの指定はできなくて、途中の清掃も入らず、布団敷きはセルフで。

食事時間と席はあらかじめ指定あり。それでも夕朝食バイキング付きでこだわりが無ければ、のんびりと自分ち感覚でお部屋でくつろげるので、なかなかお得だと思います。
休みが取れる日と部屋の空きのタイミングがなかなか合わず、ようやく今日の日を迎えました。

ここからは、写真メインで振り返ります。

東京駅から踊り子号に乗って伊東へ。素朴な字体のヘッドマークが最近では見かけなくなりましたね。
行く前から駅弁は弁松と決めてました。昔風の味の濃い、茶色いおかずのお弁当がぜったいに旅の風情に合うと思いました。煮豆がたくさん入ってるのがうれしいです。

あいにくの曇天。途中強風のため速度を落としての運転。海が見えるにしたがって、椰子の木がかぜにあおられて大丈夫かな?と心配する。
あまり旅をしてないから知らなかったんですけど、東海道線ってトンネル多いですね。海が見えた!と思っても、すぐトンネルなんだ。

伊東駅に到着すると、少し晴れてきた。
無料送迎バスの時間まですこし間があるので駅前を散策。連休の真ん中の割に静かで、お土産屋さんものんびり。
近くにスーパーがあるので、お酒の調達は便利かもしれませんが、今回は酔っ払わずにホテル滞在を十二分に楽しむので買いません。
バスに乗り、5分くらいでサンハトヤへ。

わーい!南国ムード満点です!

「海底温泉」の名の通り、もう一方のハトヤホテルも海底温泉を汲み上げた源泉掛け流しなので、いいお湯です。あちこちガタがきた私には今回は湯治も兼ねています。

訳アリと聞いてあまり期待してませんでしたが、なかなか眺めの良いお部屋。サンハトヤは全て部屋が海側に向いているので、だいたいどこも眺めはいいんじゃないでしょうか?この窓際のイスとテーブルの空間、本当に好き。ここの名称はなんて言うのかわかりませんが、まぁ無理だけど、もしも自分で家を建てられることができたら、この空間を作りたいですねー。

調度品に年季は入っているものの、味わいがあり、落ち着きます。お土産に必ずハトヤサブレを買うことにしました。妹はテレビを見ながらゴロゴロ。私は部屋でくつろぐまもなく、1人で17時までのプールへ。

プールとお風呂は近いので、脱衣所が共通なのは便利。
ダンスホールは、普段は使われてないみたいでもったいないです。ゲーセンの両替と自販機は新札が使えなかったで、小銭と旧札を用意した方がいいかも。

ホテル自慢の古代ビーチに渚プール。「ぜひ水着持参で!」との事なので、ファミリーに混じってプールを楽しむ。古代ビーチは、小さなジャングルというかチキルームみたいで、マーティン・デニーのエキゾチック音楽が脳内再生されます。

渚プールは、ハワイアンらしき曲が一曲だけエンドレスに流れてて、それが昭和感を醸しだして、曇天と相まって何処となくさみしげで、なぜか吹き出しそうになりながら1人で泳ぐも、おりからの強風で寒い!ファミリーが遊んでいたビーチボールが吹っ飛んでいく。17時ギリギリに退散。

食事は17時40分頃から。18時10分からはレーザーショーあり。これをSNSで見てサンハトヤに行きたい!と思ってて、今回いちばん楽しみにしていたアトラクション。おなかを空かせていたので、水着をさっさとお風呂場に干して、シアター会場へ。

バイキング料理は、どれもかなりおいしいです!
ちょっと取りすぎて道をあやまるふた皿目。
自分でカスタマイズする牛鍋もおいしいです。

私の席は2階席なため、バイキング料理がある1階までとりにいかないとですが、2階からの豪華なシアター会場の眺めは最高です。そして、ショーが始まります。こちらの動画を見て、サンハトヤに行きたいと思いました。

正味5分ほどのレーザーショーをついにフルバージョンみれて楽しかった!
昭和の時代〜バブルの頃は、芸能人のショーも開催されたでしょうけど、今はハイシーズンにマジックショーなどが来る以外は、ハトヤのスタッフさんによる手づくりのレーザーショー。

確かに、全盛期に比べるとさみしいかも知れないけど、美味しい食事も含めて、いまある施設を上手く利用して、お客様をもてなそうとされる気持ちが伝わって、それがとても嬉しいです。
しかし、こんなにいい設備やステージがあるのにもったいないなぁ。素敵なイベントの企画を考えたくなりました。

しかし、バイキングってペース配分が難しい〜。ものすごくお腹いっぱいで苦しい〜。デザートが食べられず時間切れ。妹に「これから売店とかゲーセンいかない?」って言われたけど、本当に歩けない。無理だ!急いで部屋に戻って横になって消化を促進させる。

窓に映る夜景も素敵。おなかが落ち着くまで、ぼんやりと眺める。ちなみにWi-Fiはロビーしか通じてないのでご注意を。逆にすぐ携帯に手を伸ばすことを忘れて、ぼんやり海を眺めたり、ホテルのアクティビティを楽しむことができるから、本当の休暇を過ごせると思うんです。

おなかが落ち着いたところで、海底温泉へ。深夜1時まで利用できるので、夕飯の前後の混み合う時間を避けて遅めの時間に。あまり利用する方がいなかったので、ほぼほぼ貸し切り。水槽には、小さなサメ2匹と魚が3匹くらいしかいなくてさみしかったな。

でも、深夜の水族館に入り込んだような静けさがあってどこか不思議な感覚。外の露天風呂にも入ったり、ゆっくりじっくり温泉につかれてよかった。
脱衣所近くには、休憩所があり、卓球台が3台無料で利用できます。風呂上がりに楽しむ人がいて、こういうのも昭和な風情。

自分たちで布団を敷いて、バイキングのペース配分について反省会をしていたら、いつのまにか眠ってしまいました。

目が覚めて、いま何時くらいだろうと窓を眺めると、夜明け前の蒼い時間。うとうとしては、だんだん白けてくる空を確認して、起き上がる。
普段は、身体中の関節が痛くて、起き上がるのに時間がかかるのに、全然痛くない!温泉が効いたのかもしれない。

田舎が温泉地に近いので、おじいちゃんとおばあちゃんの湯治にくっついて行ったけど、小さい頃の私にはただただお湯が熱いだけで、硫黄臭が苦手で、温泉のありがたみがわかりませんでしたが、こんなに効果があるなんて、自分が年をとったんだなと、しみじみ実感しました。
朝風呂にも行こうと思ったけど、湯当たりしてしまうかも、と思ってやめておきました。

さて、朝ごはんもバイキング。昨夜あれだけ反省したはずですが…。

桜エビの塩茹でがなかなかおいしかったです。

部屋に戻って荷物を片付けて、お土産を買ってチェックアウト。
楽しい時間はあっという間。本当に名残惜しい。だから旅は楽しいんだろうな。今まで知らなかったその楽しさがわかっただけで、今回の旅は成功だと思うし、大満足です!ここで体験できた、和洋折衷的感覚を何か形にできたらいいな!
今度は、山の上にあるハトヤホテルの方も。
またいつか、出かけられたらいいなぁ。

おみやげ。朝ごはんに出てた海苔のパッケージがかわいいのでもらってきてしまいました。

ハトヤのロビーで流れてるような、昭和の宴会場の雰囲気とか空想しながら選曲してみました。
もし、ロビーの選曲係という仕事があったら、担当させてほし〜です!


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