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非暴力を考えたい

※文化時報2023年3月3日号掲載の社説です。

 ロシアによるウクライナ侵攻から2月24日で1年がたった。力ずくで領土を奪い取ったことだけでなく、民間人への虐殺や性的暴行、原子力発電所をはじめとする重要インフラへの攻撃など、ロシアは明らかな戦争犯罪を繰り返している。一方的な理屈をつけて軍事侵略を正当化し、今なお攻撃を続けて国際社会を混乱に陥れていることは、断じて許されない。

 ウクライナのゼレンスキー大統領が、国民に団結を訴えて自衛のために応戦し、米国を中心とした西側諸国に武器供与などの支援を求めているのも、当然である。

 ただし、建前上は軍隊を持たず平和国家の日本に生きる私たちは、自衛のための戦争か無抵抗の服従かという二者択一ではなく、「非暴力による抵抗」という第三の選択肢があることを知っておかなければならない。とりわけ、いかなる暴力をも容認せず「非戦」を訴える仏教教団は、非暴力による抵抗について啓発に努めるべきではないか。

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