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交通安全の花咲かそう お寺×警察×支援学校

※文化時報2021年6月21日号の掲載記事です。写真は金戒光明寺の花壇に苗を植える「ひまわりの絆プロジェクト」の参加者ら。

 浄土宗大本山くろ谷金戒光明寺(京都市左京区)は、京都府警川端署と京都市立白河総合支援学校(同区)との協働で、命の大切さを伝える「ひまわりの絆プロジェクト」を開始した。全国の警察署が交通事故防止を訴える活動に、大本山が協力。地域活動の輪が広がりを見せている。(大橋学修)

 「ひまわりの絆プロジェクト」は、2011(平成23)年に京都府南部で起きた交通事故で、当時4歳の東陽大(あずま・はると)君が亡くなったことをきっかけに始まった。陽大君が幼稚園から持ち帰っていたヒマワリの種を、生きた証しとして育て、交通安全の輪を広げて命の大切さを伝える取り組み。全国の警察署が推進している。

 5月26日、金戒光明寺の高麗門前に新設した花壇に、プロジェクトのヒマワリの苗30株を植えた。育苗を手掛けた白河総合支援学校の生徒12人と共に、川端警察署黒谷交番の堀大介巡査部長や金戒光明寺の職員、地域住民らが参加した。

 今回の取り組みに合わせて、金戒光明寺ではヒマワリ模様の特別御朱印の授与を開始。集まった浄財の一部を京都犯罪被害者支援センターに寄付し、犯罪や事故の抑止活動に生かしてもらう。

 浦田正宗執事長は「ヒマワリが育つ様子を楽しみながら、地域の人々の心が潤ってほしい」と話し、堀巡査部長は「白河総合支援学校に育ててもらった初めての苗。亡くなった陽大君と同世代の生徒たちが植え付けることも感慨深い」と語った。

子ども食堂が契機に

 「ひまわりの絆プロジェクト」の実施は、金戒光明寺の職員有志が3月から行っている「くろ谷子ども食堂」に、川端警察署が参加するようになったことが契機になった。金戒光明寺と交流を持つようになった黒谷交番の堀巡査部長が提案し、金戒光明寺が地域貢献の一環として快諾した。

 川端署は、世代を重ねるたびにヒマワリの発芽率が下がっていくのを打開しようと、農園芸専門教科がある白河総合支援学校に育成を依頼。同校と金戒光明寺の縁を紡ぐことになった。

 白河総合支援学校は、高等部単独の職業訓練学校。社会貢献を通じて、生徒たちが就労意欲を高めることを目指しており、今回のプロジェクトへの参加もその一環と捉えている。今後は農園芸専門教科で育てた野菜の提供などを視野に、くろ谷子ども食堂への参加を検討する。

 白河総合支援学校の筧薫(かけひ・かおる)教諭は「自分が人の役に立っていることを感じることで、自己肯定感を持ってもらい、働く意欲を高めてほしい」と話した。

 子ども食堂を通じた寺域の開放により、わずか3カ月で地域での交流が進む金戒光明寺。職員の伊藤英亮氏は「顔の見える関係をつくることで、互いに支え合い、安心して暮らせる地域にしたい」と話した。

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