見出し画像

脱原発を諦めるな

※文化時報2023年3月17日号掲載の社説です。

 東日本大震災は11日、発生から12年を迎えた。仏教界は十三回忌という節目を捉え、追悼法要や復興祈願に加えて防災研修などの活動を活発化させている。一方、東京電力福島第一原発事故後の原子力政策が大きく転換されるというのに、反対の声が聞こえてこないのはどうしたわけか。

 政府は2月10日に「GX実現に向けた基本方針」を、同28日には原発の運転期間をさらに延長できるようにするための法案を、それぞれ閣議決定した。

 GXは「グリーントランスフォーメーション」の略称で、化石燃料中心の産業・社会構造をクリーンエネルギー中心に変革する取り組みのことを指す。震災以降、政府は原発の新増設や建て替えを「想定しない」としていたが、この基本方針には「次世代革新炉の開発・建設に取り組む」と明記された。

ここから先は

1,227字

¥ 300

サポートをいただければ、より充実した新聞記事をお届けできます。よろしくお願いいたします<m(__)m>