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見捨てられる技能実習生 駆け込み寺が救う

※文化時報2021年7月22日号の掲載記事を再構成しました。

 困窮する在日ベトナム人たちから、母のように慕われている。浄土宗僧侶の吉水慈豊さん(51)は、さしずめ生き仏のような存在なのかもしれない。自坊・日新窟(東京都港区)の寺務長として、そして自ら設立したNPO法人日越ともいき支援会の代表理事として、外国人技能実習制度=用語解説=の隙間からこぼれ落ちるベトナム人実習生や留学生に、救いの手を差し伸べる。師の教えが、心の中に常にあるからだという。(山根陽一)

モノのように扱われ

 吉水さんには、会員制交流サイト「フェイスブック」のメッセージ機能を通じて、在日ベトナム人からのSOSがひっきりなしに届く。過酷な労働環境や住居、医療など、相談は多岐にわたる。先日は「妊娠したら強制送還される」と思い込んでいた女性を説得し、通訳として出産をサポートした。

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