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デコピンな一眼レフ 米国ブランドで日本製のアーガスCR-1

自分でも困った性癖だと思うのだが、変わったものがあると、ついつい手元に置きたくなってしまう私である。M42マウントの一眼レフは、それこそいやというほど買っては売り買っては売りを繰り返してきた。基本のアサヒペンタックスに始まり、フジカSTシリーズ、ヤシカ、アイレベルとウエストレベルの両方で撮影が可能なリコーフレックスTLS401などのリコー、確かペトリもあったかも、そしてチノンやコシナなどの日本勢、ドイツ製のプラクティカ、エディクサ、フランス旅行中のカメラ機材一式の盗難後に急遽入手したソビエト連邦製のゼニット。もう忘れているカメラもあるはずだが・・・。
そんな中でアメリカ合衆国ゆかりのM42一眼レフは、手にしたことがなかったのである。英国製のカメラはL39マウントのカードンがあるけれど、これはレンジファインダー機で、M42一眼レフではないのでひとまず除外して・・・、と。
最近入手したのがアーガスCR-1である。アーガス、ん?、アーバス、ダイアン・アーバス?と馬鹿な連想が続くが、なかなかのキャラの一眼レフなのである。

やや大ぶりのナイスバディーである。アメリカ人のデカい手に馴染むよう作られている感じ。しかも作動系はシンプル。機体は重い。ペンタプリズム部が独特なかたちで、デコピン状態だ。
いろいろ調べてみるとこれは日本製である。チノンが作ったとの記述がネット上で散見される。メカニズム的には一応信頼性は高そうだ。

作動音もデカい。ガッチャマーンという感じ。軍艦部もオーソドックスな一眼レフのレイアウトだ。

一応TTLメーターが付いてはいるが作動せず。電池を新たに入手して、作動するかどうかテストしてみようと思う。

使用電池はVARTAの1.5Vのもので、オリジナルの1.3Vよりは電圧が高いけれど、そのあたりはまあまあいーかげんで。これが古い機械のいいところなのだ。
電池室もチェックしたが、サビや電池の液漏れもないようで、ちょっと安心。

私のM42マウントの謎レンズをいろいろとくっつけてみる。

リケノン50mmはややパンケーキっぽいので、レンズが小さく、ボディが大きく見える。

ミツビシ35mmはまあまあ良いかなーという印象。

ドーンとサンズーム85-210mmをつけるとさすがに重たくなる。がっつり撮影という雰囲気が漂う。
一緒にくっついていた28mm、55mm、135mmはいずれも富岡光学製らしい。個人的な好みだけれど、富岡製は大型で重いので敬遠している。




私が欲しかったのはアーガスのボディだけだったので、他はヤフオクに即出品している。

ニコンっぽい黒と黄色のストラップはたまたま持っていたもの。
裏ブタがやや緩そうなので、遮光のためにモルトを張り直した方がよいかもしれない。

アーガスCR-1をいろいろいじってみたのだが、TTLメーターのスイッチが見つからない。シャッターを何度か切っているうちに、シャッターボタンを半押しすると、絞りが絞り込まれることに気が付く。ははあーーん、これはシャッターボタンがTTL露出計のスイッチを兼ねていて、半押しで作動する絞り込み測光なのかもしれない、と見当をつける。
古い機材をいじくりまわしていると、カメラ作りに情熱を傾けた先輩方、先人たちの工夫や研究の跡が見て取れるのはとても素敵なことなのである。
アメリカンブランドで日本製のアーガスCR-1を持って撮影に出るまでには、まだ少々手を入れなくてはならないだろうが、その日が来ることを心待ちにしながら、もうしばらくこのグラマラスな日系のアメリカンガールを愛でることにしよう。

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