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ある意味、温泉三昧

身体のメンテナンスで、近所の銭湯感覚の温泉に行く。お気に入りは、サウナと炭酸泉だ。三菱のパジェロミニを乗っていた頃は、山梨が家から近いので村営の「道志温泉」や「道志川温泉 紅椿の湯」に行ったり、上野原にある「秋山温泉」、山中湖近くの「石割の湯」や富士山が見渡せる「山中温泉 紅富士の湯」などにも行った。

もちろん、石和温泉も行くことがあった。駅前の観光案内所で勧められた旅館などに泊まったこともあった。大概、観光案内で勧める宿は、料理も温泉もしっかりとした所が多い。行き当たりばったりの旅を好む謙也には、最適な場所だ。だいぶ前だが「最近は、中国人観光客が増えて、旅館に泊まるのがステータスになっているみたいです」と案内所のおばさんが言っていた。

足繁く通ったのは、「ふじの温泉 東尾垂の湯」(ひがしおたるのゆ)だった。「ふじの温泉病院」が隣接されていたのも、信用度が高かった。「病院のリハビリにも使っているので、本物の温泉だと思う」と言うのが謙也の見解だ。

厚木の七沢温泉にも「AOI七沢リハビリテーション病院」がある。そこに磁場ゼロのパワースポットを売りにしている「七沢荘」という温泉がある。お湯がpH9.54以上の強アルカリ性でリンス作用を持つメタホウ酸・メタケイ酸を含んでおり、とろっとろのお湯が美肌の湯として、女性に大人気だ。「男でも肌がツルツルするよ」と謙也はお気に入りだった。

その隣に、「ズンドバー」と言う人気ラーメン店がある。あまりの行列に謙也達は、呆れて行かなくなったが、こんな感じだ。
「厚木の山奥、人気ラーメン店
厚木の奥地にあるラーメン店「ZUND-BAR」。山奥にあり、ロケーションが最高!きちんとした塩味に、細打ち麺と具材の味もしっかり楽しめる。「まろ味」は鶏油入り、「淡麗」は鶏油なしと分けられている。塩ラーメンが好きなら、一度は行っておきたい店だ」とネットで評判の店だ。

最近は、小田急線鶴巻温泉の駅前にある「鶴巻温泉」の「弘法の湯」に電車で行っている。温泉泉質は弱アルカリ性、カルシウム・ナトリウムイオン塩化物泉だ。「湯上がりに、大広間の売店で、生ビールとモツだけもつ煮と冷奴で溜飲を下げるのが楽しみだ」と謙也の言う通り、庶民感覚が好きなようだ。

入り口にも、「登山客の皆様へ 靴の泥を落としてから入店ください」と書かれた看板があるように、登山客も多い。下山して温泉に入るのを楽しむ人たちがいる。「何だか、一種のロマンを感じてしまう」と妻の優子に囁いた。「今は、その足では登山は無理ね」と素直に言われて納得するしかなかった。

思えば、温泉マニアではないが、温泉を求めてドライブや旅をした。意外に千葉に名湯がある。「神奈川は、ブランド構築が上手いだけで、温泉が枯渇し始めているかも」と謙也はあえて警鐘を鳴らす。専門家ではないので、何とも言えないが、「温泉が体にいい理由は、大きく2つ。 1つは体をあたためる温熱作用のほか水圧・浮力、清浄作用など、私たちの体に物理的に働く効果。 もう1つは、温泉の成分が皮膚を通して体内に吸収され、体の機能が健康になる化学的効果です。」とソニー生命のページで読んだ。

家のお風呂との違いだ。体の機能が健康になると言うのは納得する。それと、大勢の人たちに、裸の肉体を晒すことも意味があるように思ってきた。みっともない無様なスタイルを晒せないのも事実だ。弛んだお腹をさすりながら謙也は、もう一度ダイエットしようと考えていた。「冬は脂肪を溜めないと寒いもんね」と優子が笑った。「そりゃあそうだ」と謙也が頷いた。


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