手乗りの地平〜荒ぶる文鳥の日々

 私は誇り高き文鳥である。見よ、この美しい純白の羽を!

 今、私の隣にはミルフィーユという名のごま塩頭の文鳥がいる。外見だけならミルフィーユどころか豆大福である。しかし彼女はたいへん愛嬌があり人間たちに可愛がられていた。毎日人間たちの手の上で本物の豆大福と見紛う程、羽をもふもふとさせていたのである。

 勿論、私はそのようなことはしない。何故なら私は何者にも飼い慣らされていない孤高の白文鳥だからだ。そう、人間の言葉で定義されるところの「荒鳥」である。

この続きをみるには

この続き: 3,448文字
この記事が含まれているマガジンを購入する
収録作品「老紳士の記録、あるいは覚めない夢の話」「文吉の恋」「大奥―十姉妹のおんなたち」「文鳥香」「手乗りの地平〜荒ぶる文鳥の日々」

小説集「老紳士の記録、あるいは覚めない夢の話」のnote版です。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文鳥堂

サポートありがとうございます。文鳥たちのエサ代になります。

3
文鳥って最高ですよね