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年月を経てたどり着いた場所/草刈正雄さん

欠かさず視聴している(地上波で映らないので配信にて)ドラマのひとつ、テレ東さんの『おじさまと猫』。癒しの30分は、いつもあっという間だ。

先日初めて原作漫画を読み、「こ、これは草刈正雄さんありきのドラマ企画だったのでは?」と思うほど、主人公の神田が草刈さんで(何を言っているのだろう……)。

草刈さんといえば、今でこそダンディなおじさまからコメディー、吹き替えまで幅広く活躍する役者さんだが、自分が幼少の頃は、表現がこれで良いのかわからないがイケメン俳優のひとりに数えられていた。なかでも忘れられないのが、三田寛子さんとドラマ共演した時の元アルペンスキー選手の役だ。

内容は覚えているのにドラマの名前が忘却の彼方で、思わずウィキってしまった!

そのドラマは『激愛・三月までの…』。覚えている人、挙手!

なんだか『激流~私を憶えていますか?~』みたいなドラマ名ね。

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ストーリーは、31歳の元名スキーヤーと16歳の女子高生のプラトニックな恋愛物語。草刈さんが演じたのは、骨肉腫と闘う元アルペンスキー選手・佐久田万平。三田さんは、心に闇を抱えるスキー部員・香坂すみえ。脳裏に焼き付いているのが最終回のエンディングだ。滑走する万平が、スキー板を外して雪の中にひとり横たわる。その体にどんどん雪が積もり、最後はまったく見えなくなるという哀しい終わり方。今でも雪がちらつく寒い日に、この場面だけを突然思い出すことがある。それほど自分にはセンセーショナルなシーンだった。

一昨日までの寒さと雪で思い出し、「あの草刈さんが、今はブサかわ猫・ふくまる(しかも実際はぬいぐるみ)を溺愛するピアニスト・神田を演じている……」と、変な感動を覚えた。あの純愛ドラマから35年以上。草刈さんの俳優人生を、私はこうして何も考えずに画面で見つめ続けてこられた。世代は違えど、同じ時代に生きて見てきた。なんと奇跡だろうか。近年で印象深いのは大河ドラマ『真田丸』の昌幸パパ。退場してしばらくロスになり、ちょっとだけ離脱してしまった。それほど魅力的な真田昌幸だった。

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『おじさまと猫』も7話まで放送が終了。楽しみなドラマが、少しずつ終わりに近づいている。前回からは平山浩行さんが、神田をライバル視するピアニスト・日比野として登場。私のドラマ脳実話『父が死んだ日からの悲喜こもごも』シリーズの初回にもご登場(私の勝手なチョイスですが……笑)いただいた平山さん。初めて認識したのは、確かNHKの朝ドラ『天花』のお坊さんだったかと。今まで観てきた中で思い出すのは、10年程前のドラマ『ジョーカー』(堺雅人さん演じる伊達の少年期は井之脇海くんだったのか!)の来栖、近年だと『やすらぎの刻』の根来鉄兵、『これは経費で落ちません!』の田倉さん。『おじさまと猫』では、珍しく拗ねた役でちょっと可笑しい。

そして相変わらず神木くんの神ボイス。これで猫コトバは反則にゃー。「パパさーん……」「にゃーん♪ にゃーーん♪」……。デレデレだよー。画面の前で「ふくまる~、モ◯プチ食べる? それともチュー◯? 黒◯にする?」って言いそうになってる自分がいる(笑)。

ああー、すでに円盤が欲しくなってる。メイキングが見たいから。草刈さんとふくまるがどんな風に撮影されているのか、気になる!

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