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ぶんぶんカフェ・プレ企画part2 鴨川の源流、山の暮らし

2020年11月7日に京都市北区雲ヶ畑にある農家民宿ぜーもん(久保家)にてぶんぶんカフェ・プレ企画part2を開催しました。

今回は、「鴨川の源流 雲ヶ畑の暮らしってどんなの?農家民宿&カフェで地域の方々とおしゃべり会」をテーマに、見守るマネジャーとして担当されている事務局の吉岡さん、久保家所有者の久保さんにお話いただきました。地域の方々と地域外からの参加、オンライン参加の方々と交流を楽しみました。農家民宿ぜーもんは久保さんご夫妻が2016年に開業されて、現在は週末カフェとして営業されています。

雨上がりの久保家住宅2

紅葉の雲ヶ畑を期待していたのですが、当日は小雨模様。けれど雨の雲ヶ畑は霧が湧き立ち幻想的で、とても美しい情景でした。

雲ヶ畑ってどんなところでしょう

京都市の北部、山間地域にあり「京都で一番青空に近い村」と言われています。少子高齢化が進み、空き家が増え、小中学校は休校中と悩み事はありますが、最近は新しい移住者や小さなお子さんが増えたりと明るい話題もあります。(雲ヶ畑ブログ

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歴史は古く、平安京造営のために杣人が拓き、移り住んだ村と言われています。明治以前はほとんどが雑木林だったそうですが、明治期以降に林道が整備され造林が進みました。雲ヶ畑川は鴨川の源流で、御用川として大切に保護されてきました。

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古材文化の会って何ですか?

地域からや会員外の参加者が多かったので、主催である古材文化の会の説明を理事(副会長)の栗山さんからお話していただきました。「古材」という言葉から古材だけを扱っている団体かと思われがちですが、「歴史的な建物を大切にしていきたいね」「材木そのモノの命を使い切り大切にしたい」という思いから成り立っています。「木の命を大切にして最後まで使いきりたい」と。歴史的な古い建物を守るというのは、建物の問題だけではなく、お住まいの方や建物のあるその地域の方々、人と人との関わりを大切にしていきたいものです。

事務局の吉岡さんからも説明していただきました。1994年に前身の「古材バンク」として設立、2006年に「古材文化の会」と名称変更されました。設立当初は「利用相談部会」「調査部会」「企画部会」を活動の3つの柱としてきましたが、現在は、さまざまな部会があり、それぞれに多くの会員が活動しています。見守るネットもそのひとつで、見守るマネージャーの多岐にわたる活動が紹介されました。歴史ある建物を地域の文化財としてまずは知ってもらう活動です。

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吉岡さんは見守るマネージャーとしても活動しています。雲ヶ畑では、地元の方と一緒に花山椒摘み&佃煮作りのイベントを行ったり、自家栽培のお茶摘み&お茶作りなどのお手伝いをされています。その他にも久保家では、流しソーメン、お祭りなど季節ごとの楽しみが盛りだくさんです。

20140430_山椒摘

吉岡さん自身、季節を楽しむ豊かな暮らしに魅了され、この素晴らしさを「みなさんにも伝えたい」という思いから活動されているようすが熱く伝わってきます。

雲ヶ畑の暮らし

農家民宿ぜーもんの久保さんからもお話いただきます。「ぜーもん」は久保家の屋号「善右衛門」から名付けられています。元々は久保さんご夫妻で開業されましたが、開業の翌年に久保常次さんは亡くなられました。常次さんは林業を生業とする家に生まれ育ち、お勤めの傍ら山仕事をされていて、「山仕事サークル杉良太郎(すぎよしたろう)」に参加する学生さんたちに森林作業の楽しみを教えていました。久保清美さんは雲ヶ畑へ嫁いできてから山仕事に携わっておられて、サークルの学生さんたちから”雲ヶ畑のお母さん”と慕われています。

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雲ヶ畑での暮らし、山仕事のお話をいただきました。霧が立ち込める山水画のような景色、夜空の星の美しさ、心豊かな暮らしを大切にされています。久保さんが身に着けているのはタチカケ。山仕事用のモンペのような作業着でとても機能的、この地域の衣装だそうです。(独特なカタチで型紙が難しそう。1着いただいて研究することにしました・筆者)

20160322_留学生林業体験copy

山仕事サークルでは、学生さんたちや一般の方々も来て楽しく交流しました。そんなことから、みなさんと集える場所として農家民宿を始める流れになりました。

「ぜーもん」は千客万来がモットー。みなさんが集まってきてくださっていることをうれしく喜んでいます、とお話くださりわたくしたちもほんとうにうれしく思いました。

地域の方々から

雲ヶ畑にお住いのみなさんにも一言ずつお話いただきました。久保さんと同世代のみなさん、この村で生まれ育った若い人、移住してきた若い世代、さまざまな問題はあるけれど、雲ヶ畑への思いをいろいろうかがいました。

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この日、このイベントに参加していない89歳の方がお手紙をくださり地域の方に代読していただきました。戦時中の雲ヶ畑での暮らしの様子です。子どもの頃の思い出、洗濯は川で、カマドでの炊事、マチから疎開してきた子どもたちとの交流。「今、わたしたちは生きている。今の暮らしを大切にしたいと思っている。」

楽しいお昼ごはん

お昼ごはんは久保さんの栗ご飯おにぎりとおでんです。とても楽しみにしていたとおりのおいしさで、よぉしゅんでます。

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食後のおしゃべりもはずみ過ぎました。オンライン配信は午前中だけで、午後は地域のみなさんとの交流です。

新型ウイルスの感染予防に注意しながらの開催でしたが、みなさんから「参加してよかった」とうれしい感想をいただけました。あいかわらず慣れないオンライン併用ですが、遠方の方や時間の都合がつかない方でも様子をお届けできるメリットがありますので、スキルアップに励みたいと思います。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

オプション・雨のお散歩

雨に煙る雲ヶ畑。しっとりした空気が気持ちよく惟喬神社までお散歩しました。鴨川の源流といわれる地で、天から降ってくる水の恵に苔も美しくイキイキしています。

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