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「太陽光パネル」と「中国」の関係について藤井厳喜氏が語る

虎ノ門ニュース 2022/7/29 藤井厳喜 ・ 江崎道朗 ・ MC 居島一平 より

https://youtu.be/YzMvTgtbLZs

【 太陽光発電に中国依存リスク 】 日本経済新聞による
日本、アメリカ、ヨーロッパなど西側諸国がロシア産化石燃料への依存解消を急ぐ中、その足かせが明らかになってきた。ウクライナ侵攻でロシア寄りの立場をとる中国の太陽光パネル製造の世界シェア8割に上り、エネルギー安全保障と気候変動対策を巡る脆弱な現実が浮かびあがっている。
IEA(国際エネルギー機関)は7月上旬、太陽光パネルの主要製造段階での中国のシェアが8割を超えるとの分析を公表。主要素材のトリシリコンやウエハーは2025年までに中国のシェアが95%になるという。
IEAのビロル事務局長は12日、シドニーでの講演で「世界がある製品をひとつの国に依存するのは、エネルギー安保の観点から考えねばならない」と供給網(サプライチェーン)の不均衡の是正を促した。
中国依存は太陽光パネルだけではなく、電気自動車 EV バッテリー生産では中国が75%を握り、その材料となるリチウムコバルトの加工シェアも5割を超える。

居島氏
衝撃的なニュースですね。藤井さん、改めていかがでしょう?

藤井氏
あの、これ、2010年の時点で見てみますとね、ソーラーパネル作ってる会社で「ベスト10」にチャイナの会社は4社しか入ってなかったんですね。
その時はね、日本の「SHARP」と「京セラ」がベスト10に入ってます。
それから、台湾の会社が2社、ドイツの会社が1社、アメリカが1社、チャイナが4社だったんですよね。
それがね、2020年の太陽光パネルメーカーの生産ランキング見ますと、ベスト10の内、チャイナが7社なんですよ。

居島氏
たった10年で‥。

藤井氏
カナダの会社(カナディア・ソーラー)が1社、韓国(ハンファQセルズ)が1社、アメリカ(ファーストソーラー(2010年にもランクイン))が1社、この3社を除くと、全部中国になっちゃってるんですよ‥ という状況なんですね。

それから、太陽光パネル自身の性能も上がってて、発電コストも下がってるのは事実なんですね、特に最新式のものほど非常に効率は良いです。
だけどこれは、もともとそんなにハイテクなものじゃなくて、もともと「先進国で作っていたもので出来る」んですよ。ただ「安い」っていうことで(中国に)マーケットをとられちゃっているわけです。

居島氏
その1点ですね。

藤井氏
ですからね、それがね、半導体のよくないものだったらね、質のよくないものでも「安い」ということでやると、これでどんどん情報も漏洩したり、ファーウェイみたいな問題も出てくるということなんですね。

ここでよく考えてみるとね、R が今、U戦争をゆうに進めれるようになってきちゃった。これはですね、「安いエネルギー」化石燃料ですね、「石炭」「石油」特に「天然ガス」、これをヨーロッパに売って、ヨーロッパも、安くて豊富で安定して入ってきますから、それを前提にして経済の問題を考えるってことになっちゃったんで、R は非常に強いヨーロッパに対する「発言力」ができちゃった、ということですね。

で、チャイナがやってるのは、チャイナは化石燃料、輸出するものはありませんが、非常に安い工業製品を作って、そして「安くて便利でしょ?」っていう形で、そして他国を支配していく、先進国や発展途上国を支配していく、そういうやり方なんですね。「相互依存」を巧みに利用しながら、自分たちの権力を伸ばしていって、そうしてこういった国の言うことを聞かざるを得ないようにして、他の国を追い込んでいく、と。やり方は一緒なんですよ。

だけどね、ソーラーパネルなんてね、作ろうと思えばできるんですよ、先進国でももちろん。
それからね、「ニッケル」とかの話も出ましたけれども、リチウムコバルトだってね、これもともとですね、カナダオーストラリアアメリカ、どんどん出るんですね、南アフリカとかですね。

希少金属、レアメタルなんかもですね、今チャイナの比率が大きいですけれども、これ元々アメリカで作ってたんですよ。ただ、鉱山がですね、コストが高くてチャイナから買った方が安いってことで、レアメタルのシェアが大きくなっちゃう(ということ)。
レアアースなんていうのは、希土類になったら世界中にありますから、どこでもとれるようなもんです。
ただ「コストが安い」んで、やられちゃうんです。

だから逆に言うと我々は「高い」でも「ちゃんとした安全保障で安定したスクラムを組める仲間でハイテクのサプライチェーンをつくっていかなきゃいけない」そういう時代に変わってきてるんだと思います。

最近、イエレン財務長官がですね、「フレンド・ショアリング」という言葉を作ったんですけれども、僕はね前から同じような意味で「三近主義」って言ってるんですよ。「3つの近いところでサプライチェーンを作れ」と。
「地理的に近いこと」「技術レベルが近いこと」「価値観が近いこと」
「価値観が近い」っていうのは、自由経済を重んじ、デモクラシーを重んじるとか、そういう価値観が必要である、そういうところだったならば、パテントとかもちゃんと「特許料を払って特許を使う」と、そういう契約精神が守れるところね、そういうところでサプライチェーンを展開してかなくてはいけない。

で、その範囲内で充分原材料供給もできるんですよ。ただこれやろうとすると、今よりは「コスト高」になることを我々覚悟しておかなきゃいけないということです。
これがまさに「経済安全保障」なんですよ。

チャイナ産のソーラーパネルばんばん入れといてですね、「安全保障」ってないですよ。
そしてご存知のように「上海電力」は、チャイナの会社が日本に入ってきてですね、モノを仕切っている
いざっていうときは、大停電が起こされてしまうかもしれないですよね。
そんな外国の会社なんか、基本の「インフラ」のとこにね、「ライフライン」のとこに入れちゃダメですよ。

フィリピンなんかはね、送電網を持っている最大の会社の株主がチャイナになっちゃってるんですよね。
だからフィリピンの大統領が親中だなんとかって批判されてますけど、これはある程度仕方ないんです、あそこまでいっちゃうと。
いざとなったら電気切られちゃったらマニラ真っ暗になっちゃうんだから。
そういう「インフラ」までとられちゃったらお終いなんですよ。

だから、まだ間に合うんで、アメリカでもできますし、日本だってかつては「SHARP」が今アメリカに買われちゃったけど、「京セラ」だって「SHARP」だって作ってたんですから、(ソーラーパネルは)そんなにハイテクなものでもないんで、これは先進国が協力しあってやれば、まあ半導体での協力が出てきた、これはいいことなんですけれども、これも日本、アメリカ、台湾が協力すれば、韓国が入ってこなくても世界で超一流の半導体ができますよ。

それだけじゃなくてですね、この太陽光パネルなんかもですね、先進国の「信頼できる仲間」、いわば同盟国ないし、それに近いような「価値観が一緒の仲間」でサプライチェーンを分業で作っていく
当面は高くなりますが、それが「経済安全保障」だと思うんですね。
チャイナの会社に電力の発電、それから配電網をにぎられてですね、いざとなったら東京が真っ暗になっちゃうとかね、大阪、名古屋の電気が切れちゃうってことになったらもう日本はお終いですから。

それからもう一つ言っときますけどね、太陽光発電も色々問題もありますけれどもね、緑の木を切っちゃってね、そこに太陽光パネル作って「なにが自然に優しいエネルギーだ」と思いますが、ああいうのはまあ、人も行かないような、田んぼや畑がないようなところに作るべきもんでしょ?

もうひとつは「処理」問題ですよ。
2035年から2037年に、ソーラーパネルの廃棄量年間17〜28万トンになるっていうんだよ。
廃棄、どうやってするんだ?
そこまで考えて「環境問題」なんで‥「太陽光でやった、とりあえずキレイだから良いでしょ?」の問題じゃないんですよね。

アメリカもね、オバマさんのときに、安いソーラーパネルをいっぱいチャイナから入れてね、粗悪品だったからすぐ使えなくなっちゃって砂漠なんかに山積みになってますよ。
それから重金属なんか、垂れ流しになって大問題になってるんだよね。
そこら辺まで含めて「経済安全保障」ですね。

続きは動画で確認✩


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