プラットフォームが提供する保険制度


シェアリングエコノミーサービスの新規立ち上げ時によく聞かれる質問で、「プラットフォーム側で保険を提供することについてどう思いますか?」というものがあります。今回はその背景や回答について解説していきます。

保険制度とは

シェアリングエコノミーにおける保険制度とは、ユーザ間の取引に関する活動時に何らかのトラブルが起きてしまい損害を被った際にそれを保障してくれる制度を指します。

なぜ保険制度が必要なのか

シェアリングエコノミーは多くの場合は個人間で取引を行います。企業サービスとの大きな違いの一つに、トラブル時の対応が手薄になるということがあります。

例えば民泊の場合、家の備品を汚されたり壊されたりした場合、どちらにどれくらいの責任範囲が及ぶのかを明確に規定している家主は少ないでしょう。これが一般的なホテルであれば利用規約や事前の説明でお互いの責任や保証範囲が明確に規定されているはずです。

そんなトラブル時のリスクヘッジを少しでも行うためにプラットフォーマー側が保険制度を用意している場合があります。

代表的なものだと以下のような保険があります。

airbnb ホスト保障保険
kidline 賠償責任保険
シェアリングエコノミー協会 シェアビジネス総合補償プラン 

保険は以下のパターンがあります。

・プラットフォーマーが独自に用意した保険商品。
・一般の保険会社が用意した保険商品の流用。
・シェアリングエコノミー協会の保険制度への加入。

保険制度を持つことによるメリットデメリット

メリット

保険制度をもつことによりプラットフォーマーの付加価値が高まります。シェアリングエコノミー全般的な課題の一つとして、直接取引をされて手数料を中抜きされてしまうという問題があります。これを防ぐためには直接取引するよりもプラットフォームに仲介してもらうほうが合理的だという付加価値を提供することが必要です。そのための一つの材料として保険制度の提供は代表的な仕組みになります。

デメリット

ビジネスの立ちあげ時に最初から保険制度を用意するのは時間もコストもかかります。安心安全のブランディングのために保険制度の準備にこだわる方もいますが、ほとんどの場合サービス初期には必要ありません。サービス初期はほとんどの場合身内のユーザしか使いませんし、仮に完全な新規ユーザが入ってきても相当なアーリーアダプターです。保険がないからサービスを使わないというケースは想定しづらいです。それよりもサービスの新規性や面白さを重視して利用することでしょう。

保険に拘るのは保守的な後期ユーザーになると思われるので、保険制度を用意するのは後からでも間に合います。最初の頃は「準備中です」と書いておけば十分な場合がほとんどです。

必要なシステム設計

プラットフォームで保険制度を提供するためにシステムとして必要なことはほとんどありません。保険制度の運用はトラブルが起きたときの顧客ごとに個別対応する程度ですので、顧客間の取引やメッセージの履歴がわかればシステムとしては十分です。

弊社提供の108Sharingではそのあたりはデフォルトでしっかり用意されているので全く問題ありません。安心してご利用ください。

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