「5番目だからこそ人より経験できる」放送作家 澤井直人の1番になれないからこその勝ち方
美容系クリエイターのプロデュースやキャスティング、企業のSNSやYouTubeのマーケティング支援などを手掛けるbuggy株式会社。代表を務める関根(@mu41208)と、buggyに関わるさまざまなクリエイターが対談する企画第二弾です。
今回は、前回に引き続き、テレビ番組やYouTube動画の企画を手がける、
放送作家の澤井直人が登場。
壮絶な20代を経て、数々の番組に引っ張りだこの放送作家となった澤井。
「自分は1番にはなれない」と言いつつも、人より圧倒的経験を積んできたと自負します。
澤井の経験値の多さの裏側には、どのような意識があるのでしょうか。
また、大変な20代を経て30代になったからこそ言える、後輩への熱いアドバイスも伺いました。
人のアイデアを否定しないことを第一に。全員が話しやすい環境を
関根:澤井は柔らかい雰囲気をまとっているけど、これまで数えきれないくらいの企画を考えていて、実はすごくストイックな生き方してきてるよね。
澤井:人に圧をかけるのが嫌なんですよね。常にヘラヘラしてますよね。だからストイックなイメージがなくて、舐められやすいんですけど(笑)。
関根:僕は、相手の記憶に“爪痕を残したい”と思っていて。人と出会ったとしても二度と会わない人が大半だから、ちょっと大袈裟なことや変なことをしたり極端なことを言ったりして、覚えてもらえるようにしてる。
澤井:関根さんは、人のアイデアを否定しないですよね。僕も企画会議など、アイデアを一緒に考えるときにすごく大事にしていることで。
頭ごなしにアイデアを否定されてしまうと、2つ目の言葉が出なくなってしまうんですよね。全員が話しやすい環境にすることを心がけているので、同じスタンスの関根さんは合うだろうなと最初の会議から思っていました。
関根:たしかに、僕も人の意見を否定しないのは心がけているね。
1番じゃなくて良い。5番目だからこそ、人より経験を積める
関根:澤井が仕事をする上で大切にしていることはある?
澤井:僕の尊敬している笑福亭鶴瓶さんが「縁は努力」と仰っていたんですけど、まさにそうだと思っていて。縁は自然に繋がっていくものだと思われがちですけど、人との繋がりを大事にするからこそ新たな縁が生まれるんです。
だからこそ一つ一つを大切にするようにしています。些細な意識で相手の記憶の残り方も違うので。こちらから相手に自然と興味を持つようになっていますね。
関根:過ぎ去ってしまうものでも、「これはチャンスだ」と思った瞬間に縁になるんだよね。澤井は「一見なんてことないようなものでも、どこかの未来で繋がるかも」と感覚的にわかっているような気がしてる。
澤井:その感覚はあったかもしれないですね。僕は五本指には入りたいですけど、1番にはならなくていいと思っているんです。
圧倒的な天才には勝てないので、5人選ぶときの最後の1人で良い。天才は嫉妬されるので、逆に呼んでもらえないこともあるんですよ。僕のようなポジションの人は、最後の1人に入れてもらいやすくて(笑)。そのおかげでラッキーなことに人の5倍の経験をさせてもらっていると思います。
関根:僕は対照的に、1番になりたいタイプ(笑)。何事も爪痕を残したいとはずっと思っているから、たとえ試合に出れなくても人一倍応援したり、誰よりもみんなの給水に気を配ったり。
その瞬間に与えられた自分のミッションに全力で取り組んで、空気にならないことが大事。これは意識すればできることだし、掛け声ひとつがトッププレイヤーの気持ちを変えることもあるし。とはいえ1番を狙いつつ、常に1番にはなれなかったけど(笑)。
澤井:関根さんみたいな人も必要ですよね。僕は性格的に1番を目指せなかっただけで。
20代はあえて向かい風に立ち向かってほしい
関根:20代の後輩にアドバイスするとしたら、何て言う?
澤井:「この人」っていう相手を見つけた方が良いなと思います。今後も付き合っていくパートナーと言ったら重いかもしれないですけど、男女関係なく深い関係になれる人がいるとあらゆる場面で助けられると思います。
関根:「良い先輩」もいると良いよね。20代で35〜40歳の良い先輩に出会って、自分が30代になったときに先輩が「俺あいつの先輩なんだぜ」って自慢できるくらいになったら本物だよね。
澤井:僕らの世代は、上の世代と一緒にやらない考えの人も多いです。その考えも正しいとは思いますが、僕は上の世代からめちゃくちゃ学ばさせてもらうことが多かったので、本当にその時間が宝物だと思っていて。そこは、他の放送作家さんよりも恵まれているところかなと思います。
関根:最近は、上の世代が若手に席を譲る雰囲気になってきたよね。
澤井:なりましたね。実際に僕も先輩から番組に誘って頂いたとき、「この企画は次の世代にバトンを渡したいから、澤井くんに声をかけたよ。」と言っていただきました。
今の若い世代の子たちは、もっと“汗”をかいてほしいですね。20代の一番吸収する時期に、あえて向かい風に立ち向かってほしい。昔の偉人たちもみんな汗かいてますし、20代に怠けていると、30代で自分に返ってきますので。
関根:仲良いヘアメイクの後輩が言ってたことなんだけど、必死になると字のごとく死んでしまうから、大きく変わる“大変”な道をみずから選んで進んでほしいよね。澤井は大変な20代を経て、30代はどう過ごしていきたい?
澤井:これからは仕事との向き合い方を変えて、本当に熱を込められるテレビの仕事と自分の血を100%入れられるお仕事に重きを置きたいと思っています。
あとは素敵な人にたくさん会って、「この人はこういう人なんだよ」「こんな良いところがある」と文章で上手に残していきたいですね。実は、今年から東京と京都の二拠点生活を始めるので、京都で仕事ができる環境作りもしていきます。職人、和尚、茶人…そういう方とお話をして、文化を一から学んでいきたいですね。関根さんはどうですか?
関根:僕のテーマは、10代に戻る。子供のように欲しいものを欲しいと思える気持ちを持ち続けたいんだよね。冷静になると「もう35歳だし」って思ってしまうんだよね。おじさんって思うと本当におじさんになるから、年齢を気にしないで過ごしたい。
澤井:めちゃくちゃ良いですね。
関根:ちなみに、buggyでやりたいことはある?
澤井:関根さんとまだ経験したことのないジャンルに挑戦したいですね。この一年で、小説を書いていきたいって思うようになりました。
関根:いいね。あとは作詞や本の表紙のデザインも良いよね。何か手触りのあるものを作りたい。
澤井:わかります。そのときの言霊を閉じ込めて残っていくものを作りたいですよね。でも面白かったら何でもやりたいです(笑)。
関根:では最後に、読んでくださった方へのメッセージをお願いしようかな。
澤井:僕と関根さんの生き方や考え方が全然違うように、人生の正解なんてないと思います。20代でいろんなことにチャレンジして、めちゃくちゃ経験して、そうすれば…30代で自分なりの正解に少しは近づけるんじゃないのかなと思います。
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人の意見を否定しない優しさを持ちつつ、人との縁を大事にしたり、自分なりの勝ち方を見つけたりと、誰よりも自分と周りを見続けてきた澤井。
仕事の選択肢や二拠点生活のはじまりなど、人生の過渡期でもある澤井の活躍に今度も期待が高まります。
次回はどのクリエイターとどんな話が繰り広げられるのでしょうか。ぜひお楽しみに。
<ふたり広報:取材・多葉田愛/執筆・伊藤美咲/編集・えるも/写真・三浦えり>
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