「オオカミはどうしていい動物ですか?」
先日、授業で出た話。
読解の精読の内容が「動物を使ったことわざ」についてだったので、みんなに
それぞれの動物のイメージ
自分の国でも動物を使ったことわざがあるか、どんな言い方をするか(日本なら『猫に小判』『馬の耳に念仏』など)
を紹介してもらいました。
そのときに学生から出た質問。
「先生、オオカミはどうしていい動物なんですか?」
オオカミはいい動物?私は勘違いして、「Dさんの国ではいい動物なんですか?」と聞いてしまいました。
すると、
「悪くはないですが…怖いです。
でもほら、いわしは魚と弱いと書きます。たしかにいわしは弱いです。正しい。
オオカミは漢字にいいがありますね。日本人はどうしてオオカミにいいをつけましたか?」
漢字にいい…
前に出てきて
『狼』と板書。
「ほら、ここに『良い』があります!なぜ良いんですか?強いから?」
あ、確かに確かに。
漢字は色々なパーツの組み合わせで覚えている彼ら。確かに『良』と同じ。
うーん。。。
たぶん、いわしはその意味を付け加えたんだろうけど、
オオカミはの『良』は『ロウ』という音に嵌めたんだろうなぁ。。。
さて、これを中級前半の彼らにはどう説明しようか?
とりあえず、
「うーん、何でだろうねぇ?
これに良いの意味があるかはわからないけど、左の部分(獣偏)は動物の意味はわかるね?猫にもあるし。
でも、右はたぶん、読み方を言っているんだと思うよ。この字がある漢字は『ロウ』と読むことが多いです。
だから、『良い』の意味じゃなくて、『ロウ』と読む字を探してつけたんじゃない?
そして、中国語の『ロウ』の動物と、日本語のオオカミが一緒だったんじゃないかな?
でも、日本語も漢字は中国から教えてもらったものだから、わからないことが多いな〜
うん、ごめん、漢字の文句は中国人に言おうか!(逃げ)」
と、話してみました。案の定中国勢も困っていましたが。笑
納得したのか、そこでDさんは「そうか〜」と引き下がって行きました。
確かに良、入ってるわ。だから良い動物かー、面白い発想。
あとでじっくり考えると、『良い』も音読みは『リョウ』、似ている。中国から渡ってきた時代によって読み方が変わっただけで、もとは同じ発音だったんじゃないかなー、と思う。とっさの質問だったのでそこまで頭が回らなかったけど。
学生の質問は予想の斜め上をいくものが多いので、こちらもいろいろ気づかされます。
しかし、今思えばなぜ彼は『鰯』の字を知っていたんだ?笑 バイト先、寿司屋だったかなぁ…?
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