「文章を書く」ことはハードルが高い。なんてことはない

人間が行う基本的なコミュニケーションは「書く」「読む」「話す」「聞く」であるとされています。
(それに加えて「見る」もあるのですが、ここでは一旦置いておきます。)

「読む」「聞く」は、漫然とできます。
なんとなく読み始められる。
なんとなく話している人がいるから聞く。
これらは明確なうまいヘタが見えにくいものです。

同じく「話す」に関しても、そもそも大勢の前で記録が残る形で話す機会はそう多くありません。仕事でも「あのー、あれどうなった?」「終わりました。/これからやります。」といった具合。

ですが、「書く」となると話は別です。
あなたが書いたメールを、部署長や場合によっては社長が見るかもしれない。
「書く」行為は万人に拡散し伝えられる有効な情報伝達手段であるがゆえに、「あなたが書いたという証拠」が残ってしまうのです。

「書く」ことのハードルはなんでこんなに高いのか……。

と、思っているとしたら、考えすぎです。気にしないで。

少なくとも、「読む」「聞く」「話す」も同じくらい高いハードルをもっているのですから。

どうせ全部難しいから、「書く」だけを気にしない

「ちゃんと読む」のは難しい。活字離れしちゃってるのがその証拠。
読解力が低い人は、読むたびに誤解してしまったり、他の人が一回で理解できる内容を何回も読まないと理解できなかったりします。そもそも知らない漢字や熟語につまづいてしまったり、慣れない言葉が多いと目が滑ってしまうことも。

「ちゃんと聞く」のは難しい。聞き逃し、聞き直しなんてしょっちゅうよ。
なんかボーーっと聞いている人は、同じことを何度も質問したり、間違って覚えたりもします。そもそも周りがうるさくて聞こえなかったり、話す人の声が小さくて聞き取りにくかったり。言葉としては知っているはずなんだけど、何回聞いてもなぜか全然頭に入って来ないこともありますよね。

「ちゃんと話す」のは難しい。オチのない素人トークでなにが悪い。
「何回聞いても、あの人の話って全然頭に入って来ないよね」ということが多いなら、もしかしたら話している人がヘタなのかも。主語を省略しすぎちゃったり、「わかるだろ! な!」みたいな言い方だったり、「します/しません」の最重要な語尾を濁したり。
実際、取材やインタビューの音源を書き起こしていると、人がいかに「適当にニュアンスで会話しているか」が身に染みます。会話を起こしただけの文章って、読めたもんじゃないし、何も伝わらないんですよ。

「ちゃんと書く」のは難しい。だから、ほかと同じく適当にやっちゃおう。
「書く」ことが特別難しいなんてことはありません。
ほかと同じくらい、「ちゃんとしようとすると」難しいのです。
だから気にせず、ほかと同じように、「適当に」バーっとやってしまいましょう。

書くことを楽しむ人が増えたらうれしい

ライティングの相談を受けた際、「でも、書くのってすごくハードル高いじゃないですか~」とか「書き始めれば書けるんですけど、重い腰が上がらないんですよねー」といったお話をうかがうことがあります。
それも、結構な頻度で。
もしかしたら、「書く」ことに苦手意識を感じている人がいるのでは!? と思って、このようなページを作りました。
私が一番苦手なのは「聞く」こと。だから実は、相談を受けるまでは「書く」ことにハードルを感じる人がいることは、あまり想像できていませんでした。

私が楽しんでいる「書く」ことを、楽しむ人が増えたらうれしいな、と思っています。
できれば、思いっきり軽率に。ふらっと、適当に。
何かを書き始めてみてください。

それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。

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