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備忘録 22-10-10

国を治むる者は田を鎒(くさぎ)るが若し、苗を害する者を去るのみ

――治国者若鎒田、去害苗者而巳

『淮南子』

田の草刈りも、今は除草材などを使ってやるからずいぶんと楽になったが、むかしはいちばんの重労働で、田の中をはいつくばって除草したものだった。国の政治も、その除草と同じ要領で、雑草を取り除けばそれでよいのだという。

へたにやる気を出して、新規の大事業を始めたり、国家成立の根幹にかかわる抜本改革などに着手すると、騒ぎばかり大きくなって、ろくな結果にならない。それよりは、害になるものだけを取り除いて、あとは自然の成長に期待した方がよいという考えだ。

宋代の司馬光(しばこう)という宰相も、同じようなことを語っている。
「天下を治むるは、たとえば室に居るが如し。敝(やぶ)るれば則ちこれを修(ととの)え、大いに壊(やぶ)るるにあらずんば、更造(こうぞう)せざるなり」

壊れたら直せばいい、建替えなどめったにすべきでない、というのだ。大人の知恵といってよいだろう。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

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