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仏ヘアサロンはSkypeで髪のオンライン診断、ケア製品送付で顧客とのつながり重視

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COVID-19の影響で、対面での接客が必要なヘアサロン業界も深刻な影響を受けた。第二波の可能性も考えられるなか、美容室はどんな対策や顧客に寄り添ったサービスを提供できるのか模索が続いている。コロナ禍のフランスで顧客からも好評だったヘアサロンブランド、クリストフ・ニコラ・ビオとロレアル・パリのオンラインビデオ診断サービスを紹介する。

フランスは2020年3月17日に外出禁止令が発令され、約2ヶ月間にわたって、食料品店、薬局、銀行など生活を営むうえで必要な事業を除き、すべての店舗と施設が休業を余儀なくされた。フランスでは美容室も完全休業となった。

この危機的ともいえる状況で、スマートフォンを利用して、テレワークで働き続けた美容師がいる。フランス国内に6店舗のサロンを経営するクリストフ・ニコラ・ビオ(Christophe Nicolas Biot)氏だ。コティグループ傘下のヘアケアブランド、ウエラプロフェッショナルのアンバサダーを務め、雑誌『GQ』のフランス版では2年連続でパリの美容師ベスト8に選出されるなど、現地で知名度が高い美容師のひとりだ。

自宅でのカラーリングをオンラインでコンサルティング

現地メディアBFMTVの取材によると、突然全店舗が休業となり、ビオ氏が真っ先に考えたのは顧客が置かれた状況だ。「ヘアカラーの色は褪せ、髪が伸びて根元からは白髪も生えていくだろう。顧客を放置するわけにはいかない」との強い決意があった。そこで、次回の来店時まで顧客をサポートするため、自宅でカラーリングするための無料のビデオ診断サービス「Ma Visio Color」をスタート。休業が始まって約1週間後のことだった。

図1

出典:Christophe Nicolas Biot 公式サイト 

顧客としての利用方法は、まず、指定のメールアドレスにメールを送ってビデオ診断の日時を予約する。当日はビオ氏やヘアカラーの専門家であるカラーリストの側から顧客に連絡し、FaceTime、WhatsApp、Skypeなどを利用してライブで対面。顧客は髪や根元の状態をカメラに映しながら、髪の悩みを語り、好みの色合いなどを伝える。カラーリストは顧客の髪の状態に合わせた染め方をアドバイスし、あわせて、各自にパーソナライズしたカラーリング剤や、ケア商品などをレコメンドする。

商品や自染め用の道具の購入希望者にはすぐに配達(パリ市内であれば1時間以内)され、メールでチュートリアル動画が送られてくるので、顧客は動画を見ながら自宅でカラーリングに挑戦する、という流れだ。もっとも多かった悩みは髪が伸びて色の差が目立つ根元部分についてだったという。

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