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優しいってむずかしい

介護職、よくわからないので、何も言えないです。
あの時のことが、今もまだそうなのかもわからないし、今はもう、違うのかもしれないし、他の施設がどうなのかも、知らない。それに、私は二年も働いていないので……。

でも、三ヶ月でも三日間でも、働いた人が何か発言することに対して、私は何とも思わないし、それはとても貴重なお話と思うので、私も何か書こう。

うーん。
まず、忙しい。ずっと忙しい。時間があれば、あれをしたりこれをしたりできるのになあと思う時が、たくさんある。しかし私は、だんだん、忙しさに甘えてくるようにもなった。忙しいからできない、しない、しょうがない。
どんなに時間がなくても、入居者さんや利用者さんに心で接する職員はいた。ご本人やその家族と、心で接しているからこその、信頼関係に対して、やきもちをやいたりもしたし、劣等感もあった。

「もっと適当にやればいいのに」
先輩に言われることがあった。一生懸命に見えるのだそうだ。でも私は、入居者さん利用者さんに対して、一生懸命ではなかった。常に、どう見られるかを気にし、嫌われないようにすることに、一生懸命だった。
あれ、それに対して、「適当にやればいいのに」と言ったのかな。だとしたら、あの先輩は優しいな。
その男の先輩は、太っているのに太って見えない人だった。休憩時間になれば、すぐに休憩に入るし、いつもゆったり。辛そうに仕事をしているのを見たことがない。能力はもちろんあるのだろう。
自分を大切にすることができるのは、相手(入居者さん)も守ることなのかもしれない。この先輩も、とても好かれていかたら。

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働いている上で、時々、あ、こんな気持ちになることあるんだ、っていう、温かい瞬間はあった。
夜中のナースコールで、居室に行く。用が終わるとすぐに、
「もう行かなきゃならないんじゃない?」
と言われる。
「まだ大丈夫ですよ」
私が答える。相手がにっこりしてくれ、あれ、私が何か話したいんだなと、わかる時。

オムツ交換の際、オムツの向きを間違えてしまい、やり直しをしたのだけれど、入居者さんも私も妙に笑いのツボにハマり、お互い笑いがこらえられなくて、大笑いして、その日も次の日も、顔を見るたびに可笑しくなっちゃった時。

私の手が乾燥してカサカサで、入居者さんに、
「あんた、そんな手だと旦那さん嫌がるよ」
と言われ、
「旦那さんじゃないですよ」
と返したら、早く結婚しろと、予想外に一生懸命説得された時。
などなど。

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「資格があるのだから、また介護の仕事をしたら?」
たまに言われる。
「いや~、もうできないです」
私は答える。
この答えに、罪悪感が残る。この罪悪感すら、偽善だなと、思う。自分を偽善者と言うのも偽善。自分を悪だとわざわざ言うのも偽善。こんなんなら、私はすごく善ですって言って過ごすのが一番いいかも。

ミッフィーのメモ紙です。
一番ショート、水色地。
二番センター、白地。
三番セカンド、ピンク。
四番サード、黄色。
かな。
表紙の青地は監督。

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