NHK朝ドラ「ひよっこ」は良いドラマです

最近、延び延びになっていたドラマがだんだんと放送され始めていて、ドラマおたくの私としては非常に嬉しい。ありがとうございます。
新ドラマが観られるのは嬉しいけれど、コロナの影響で昔のドラマの再放送が色々観られたのもそれはそれで嬉しかった。「ごくせん」とか久しぶりに観るとすごく良いですね。

最近の再放送で一番ハマって観ているのが、NHKの朝ドラ「ひよっこ」である。
ちなみに「ひよっこ」は、コロナの影響で再放送になったわけではなく、純粋にコロナの前から再放送していたのだがまあそれはそれとして。

そもそも私は朝ドラが大好きで毎シリーズほぼ欠かさず観ていて、今のエールも毎日楽しみにしているし前作のスカーレットも素晴らしかったのだが、ひよっこはその中でも、良い。
良いドラマなのである。

ストーリーは、主人公のみね子(有村架純さん)の高校時代から始まる。茨城県の奥茨城というところで、農家の娘として元気いっぱいに育ったみね子が、東京に出稼ぎに行ったお父さん(沢村一樹さん)が行方不明になってしまったことをきっかけに、奥茨城から東京に出て働くなかで、さまざまな人々と出会い、自分の居場所を見つけていくお話なのだが、この谷田部みね子という女の子が、とにかく頑張り屋さんで、かわいい。よく働くし、明るくて性格も良い。ほっぺたも触りたくなるくらいかわいい。
リアルタイムで放送していた頃は、「みね子みたいな子がうちの職場に入って欲しいです!」とずっと上司に言っていて、「ああ、有村架純ちゃんみたいな子ってこと?」と言われ、「いや、有村さんはかわいいんですけど、そうじゃなくて、今の朝ドラが、」というやりとりを何回もしていた。

朝ドラの主人公はだいたいみんながんばり屋さんのいい子なんだけれども、私はみね子が言う「働くのが好き」という言葉がすごく好きだ。
みね子は、目の前にあることを一生懸命するのが好きで、特に大きな夢とかが無くて、私ってつまらない人なんだね。というようなことを言ったりするのだが、その、目の前にあることを一生懸命やるのが好きという考え方は非常に大切なことだと思う。

私もどちらかというと昔から、仕事においてやるべきことを身を粉にしてせっせとやっていくのが好きで、なので基本的に働くことは好きなのだが、世の中というのはどんなにがんばっても自分一人がどうこう出来る問題ばかりではなく、途方にくれることも多々あるので、そんな時はこのみね子の言葉をよく思い出していた。

そんな風に、生きていくうえで大切にしたいと思うようなことを、「ひよっこ」の中では自然に言ってくれる。

他にも、出てくる登場人物みんな魅力的な「ひよっこ」の中で私が特に好きなのがみね子のお父さんの弟である宗男おじさん(峯田和伸さん)である。
宗男おじさんは、ビートルズに憧れて髪型もビートルズっぽくしている一風変わった、底抜けに明るい人なんだけれども、その明るさも、戦争を経験したからこそ自分は笑って生きようと決めたものらしく、言うセリフ言うセリフがどれもみんな温かい。
先日の放送(再)では、「どんなに誠実に生きていても、悲しいことはいきなり起こるもので、でも悲しいことから救ってくれるのは人だから、誰かに助けてもらったら、また誰かを助ければいいんだよ、みんながそうすりゃ世界はきれいにまわっていくんだよ」という旨のことを言っていて、宗男さんが優しすぎて観ていて倒れそうになった。

しかもこの本放送があったのは2017年なんだけれども、去年のフジロックで宗男役の峯田さんが、「援助交際やっても、薬やっても、闇営業やってもいいから、生き延びてください。生き延びればまた会えますからね!」と言っていたのを私は生配信で見ていて、その時は、まさかコロナなんて流行ると思っていなかったから、生き延びるのがこんなに大変だと思っていなかったのに、今年こんなにも大変なことがあって、それらをぜんぶふまえて宗男さんのこのセリフを聞くと、全てのことはつながっているというか、なんかこのひよっこってドラマただのドラマじゃないな‥と思った次第なのである。

今たまたまみね子と宗男さんの話だけしているけれども、焦点を変えると色んな切り口があっていくらでも話せる名作で、そんなわけで、おすすめです。「ひよっこ」

というか他にも、もっといっぱいありがたい言葉がたくさんたくさんあるのに、私は本当になんでもすぐ忘れてしまうというか、見たり聞いたりしてうわー素晴らしいなあ!と思って感動しても、すぐに砂のようにこぼれていってしまうので今出せるのは以上になります。
本当に、「ぼくたちはなんだかすべて忘れてしまうね」(岡崎京子著)である。

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