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想像しよう 創造しよう_小学校図工授業でSDGsを考える04

「つくることを通じて想像することを創造しよう」をテーマに4週にわたって授業が行われているVIVISTOP NITOBE。授業を受けたのは、3月卒業した新渡戸文化小学校6年生です。
今回の企画は、新渡戸文化小学校の山内佑輔先生と、現在同校のリニューアルを行われている、株式会社船場、”モノ”の新しい価値と流れを生み出す“リマーケティングビジネスを展開されている株式会社モノファクトリーがタッグを組んで実現しました。
今回で最終回。授業の第三回目と第四回目を一挙にレポート!ついにアートギャラリーが完成します。

01~03までは以下よりご覧いただけます。

企画概要



新渡戸文化小学校6年生授業記念ワークショップ
小学校図工授業でSDGsを考える。廃材を利用し通学路のリノベーションを行い環境問題やSDGs 、ディスプレイデザインについて学ぶ体験型特別授業

●第1回目:SDGsを考える。
      マテリアルに親しむ
●第2回目:アートボードを作ろう-1
      テーマを決めよう
●第3回目:アートボードを作ろう-2
      ディスプレイを考えよう
●第4回目:ギャラリー鑑賞会
      作品をフェンスに飾り付けする

授業講師:山内佑輔
主催企業:新渡戸文化小学校株式会社船場株式会社モノファクトリー

アートボードを完成させよう

2回の授業を経て、マテリアルを通して、世界のおかれている状況を学び、そして自分の心が『これがいい』と思えるものに向き合ってきたアートボードをお披露目する日がやってきました。

山内先生から、

「いよいよ今日で制作が最後になります。制作に真剣に向き合って、「これでいいや」ではなくて「これがいい」と思って完成させてください。自分たちでこの授業の価値を高めていい時間にしてください」

という言葉が子どもたちに伝えられました。

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その後、株式会社船場の立野さんにバトンタッチ。

「前回途中まで作っていると思いますが、1週間経つと弱くなっているところもあるので補強してください。また前回と違った見え方になっていると思うので、違うマテリアルを付け足したり、外したり、色をつけたりしてもいいと思います。そして最後に作品にタイトルをつけてください。」

アートボードを完成させるための注意点を聞いたら、さっそくアートボードを仕上げよう!

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前回までのみんなの作品が並べられた床を見た子どもたち。自分のアートボードだけではなく他の人のものを見ることで、感想を言い合ったり、自分の作品に生かしても良い?と聞いたりする姿が印象的でした。


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前回までのマテリアルを外して別のものを取り付ける姿を見て、大人は「え!外しちゃうの!?」と言うのをグッとがまん。『これがいい』を探す子どもたちの眼差しがとても素敵でした。

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株式会社 船場の皆さんも子どもたちを手伝って、接着をし直したりワイヤーを補強したり。みんなで次週の最後の授業に臨みます。

アートギャラリーを完成させよう

そして迎えた授業の最終日。完成したアートボードを学校のフェンスに飾ってアートギャラリーを完成させます。自分の作品に名札をつけた後、教室でアートボードのレイアウトを考えます。
どのようにレイアウトを決めたらいいのか?自分の作品だけではなく、みんなの作品をよりよく見せるにはどういった点に注意すればいいのかなど、レイアウト方法について、株式会社船場の櫻井さんより説明がありました。

レイアウトの順番は、

1. 仮で並べてみる
2. 気になるところは直す
3 .全体を見てバランスを整える

作品と作品の端を揃えたり、隙間の幅を揃えてみたり、ランダムにしてみたりしながらバランスを整えていくことが大切です。

「間を詰めたり、間を開けたりを意識してみよう。同じ色が偏っているところはバランスを見て違う場所に移動させたりすることでより良くなります。
”気持ちいい” と感じるバランスを見つけながら、早速みんなでどういうレイアウトにするかやってみましょう」

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室内の床面には、フェンスと同じサイズの枠がテープで仕切られていました。まずは櫻井さんのレクチャー通りに、そこに自分たちが作った作品を仮置きしたら、作品と作品の幅を調節していきます。

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山内先生から、「少し離れてみるとバランスが見やすいよ!」というアドバイスもあり、俯瞰して仮置きしたレイアウトを確認します。
同じ色が偏っていないか?この大きさは、あっちに移動させた方がいいのではないか?など話し合いながら、再度作品を移動します。”気持ちいい”バランスを求めて、みんな真剣!

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レイアウトが決まりました。
いよいよ外のフェンスに移動して飾り付けします。

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本来は子どもたちでフェンスに飾る予定でしたが、この日は風がとても強く難しいと判断。株式会社船場の皆さんが、先ほど決めたレイアウトを元に飾ってくれることになりました。

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インシュロックを使って、アートボードとフェンスを固定していきます。

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下校中の下級生も、アートギャラリーに飾られた作品に興味津々です。

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完成です!

先に教室に戻った子どもたちは、山内先生と今回の4週に渡る特別授業を振り返り。4週にわたる授業の総評と子どもたちへの思いと共に、授業の1回目からの授業風景の映像が子どもたちへサプライズでプレゼントされました。

中学校へと進学する子どもたちにとって、図工の授業はこれで最後になります。この特別授業で学んだことや、関わってきた大人との思い出が蘇ってきたのではないでしょうか。山内先生の子供たちへの思いが詰まった素敵な映像でした。

最後に、この授業を通してそれぞれが感じたことを振り返りシートに書いて提出しました。このシートには、この授業を通して発見したことや感じたこと、これから意識して行動したいこと、そして山内先生へメッセージが書かれていました。今回の特別授業にタイトルをつけている子どもも。それだけ印象深い授業だったんだなぁ、とニヤリとしてしまうタイトルでした。

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授業終了後に、山内先生にお話を伺いました。

「これから中学校へ行って、時間が経てば、この授業のこともほとんどの子どもたちは忘れてしまうと思う。半分、いや1人でも何かしら残ってくれたら嬉しい」

という言葉が印象的でした。

私たちも、子どもたちにとって思い出以上の「何か」が残ってくれることを願っています。

4週に渡り貴重な授業取材をさせていただいた、新渡戸文化小学校の山内先生、株式会社船場の皆さま、株式会社モノファクトリーの中台さん、ありがとうございました。そして楽しくお話をさせていただいた、新渡戸文化小学校の6年生の皆さん、卒業おめでとうございました。

今回の取り組みは、"Imagine and Create" Art Gallery PROJECT として
VIVISTOP NITOBEのプロジェクトポートフォリオサイトにまとめられていますので下記よりぜひご覧ください。


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<講師紹介>

山内 佑輔(やまうち ゆうすけ)
新渡戸文化小学校 プロジェクトデザイナー/VIVISTOP NITOBEチーフクルー/SOZO.Ed副代表/Microsoft Innovative Educator Expert
<プロフィール>
実社会と学びを繋ぐ授業をデザイン。ワークショップの手法をもちいて、子供たちのクリエイティビティを育む環境をつくりだす。 学校内では様々なアーティストや専門家、企業と連携した授業を実践。2020年4月から新渡戸文化学園へ移り、VIVITA株式会社と連携しVIVISTOP NITOBEを開設。「教室や教科、学年などの枠をなくし、教師も生徒も共につくり、共に学ぶ」を掲げ、新しい学びのあり方を模索したり、放課後の子どもたちの活動を拡張中。 学校外ではTechnology×Creative×Artをキーワードに各地でワークショップやイベントを展開。キッズワークショップアワード優秀賞を受賞。出張図工室プロジェクト「山と水の図工室」の活動では東京新聞教育賞を受賞。その他にも、地域と連動した創造型プロジェクトに複数携わる。二児の父。

立野 弘貴(たての ひろたか)
株式会社船場 EAST事業本部 設計統括部 設計第1DIV.設計第2チーム チームリーダー/Maneger/一級建築士
<プロフィール>
1975 年生まれ、福岡県出身。1999 年(株)船場入社。専門店から共通環境デザインまで業 種・規模問わず様々な空間のインテリアと建築デザインに携わる。空間デザインは、作り手・ 売り手・利用者間における重要なコミュニケーションツールの一つと捉えており、デザイン に「Message」を吹き込むことを信条としている。
2 児の父、趣味はスチールパン。
代表作:大川魚店泉店(2016 年日本空間デザイン賞)エスパル山形(2018 年ウッドデザイ ン賞受賞)

櫻井 利芳(さくらい りか)
株式会社船場 エシカルデザイン本部 re division
Designer
<プロフィール>
1991年生まれ、千葉県出身。2016年(株)船場入社。アパレルや食物販の専門店や教育空間等、様々な規模や業態の空間デザインに携わる。家具のコーディネートやサイン計画に至るまで、細やかな空間づくりを心掛けている。2021年より新設されたエシカルデザイン本部にて「再生」をテーマに循環型リノベーションサービスの構築を推進中。
主な実績:近畿大学次世代型新食堂THE CHARGING PIT&DINER(2020ディスプレイ産業賞優秀賞)、角川ドワンゴ学園N高等学校通学キャンパス他

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