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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #38 【36日目】メリデで名物プルポに再トライ〜アルスーアでクリストファーとディナー

こんにちは、ナガイです。今日はパラス・デ・レイからアルスーア(Arzúa)へ向かいます。
前回の記事はこちら。

天気予報(アルスーア) 曇り 最高気温19℃ 最低気温11℃

5時過ぎに起床。なぜかここに来て早起きが定着してきた。サンティアゴに着くのが惜しい気持ちもあるはずだが、心と体は別のようだ。
アニータからサンティアゴで一緒にAirbnbで泊まる場所をシェアしない?と連絡が来る。彼女も今日は早起きしているようだ。ちょうど昨日サンティアゴのアルベルゲの予約を済ませてしまったところだったので、「おはよう。そうしたいところだけど昨日サンティアゴのベッド予約しちゃったよ」と返信する。すると「気にしないで!どこに泊まる予定なの?」「昨日聞けばよかったんだけど、それどころじゃなかったんだよ!」といったメッセージに続いて「レオナルドと連絡取ってる?」と来る。アニータは先日の件について何か知っているのだろうか。とりあえずその質問には答えずに、サンティアゴで泊まる予定のアルベルゲのリンクだけ送った。
6時前に出発。外は寒すぎず、ちょうどいい涼しさだ。空には少し雲があるくらいで昨日より天気は良さそうだ。

月明かりがきれいだ。前回これだけ丸い月を見たのは随分前のような気するが、月の満ち欠けが一周するだけの日数が経ったということだ。

町を抜けて国道から逸れた道へ入ると辺りは暗闇に包まれる。iPhoneのライトで前方を照らしながら歩く。

6時半過ぎにサン・スリアン・ド・カミーニョ(San Xulián do Camiño)の村を通過。

他の巡礼者がほとんどいない早朝に歩くのは気持ちいい。特に明るくなるまでの間は視覚情報が少なくなる分、つい考え事をしてしまいがちになるが、外の空気を吸いながら体を動かしていることで気分が落ち切らずに済むのだろう。

7時過ぎにカサノヴァ(Casanova)の村を通過。良さそうなカフェがあったので朝食を取ることにする。卵とベーコン、アメリカーノ、オレンジジュースを注文。8.30ユーロ。今日の朝食もいい感じで、最近当たり続きだ。

たっぷり休憩を取って7時半過ぎに再び出発。この時間になると巡礼者の数がぐっと増える。休憩している間に抜かされていたシンとアンや、昨日同じアルベルゲの部屋に泊まっていた南アフリカから来たサムに挨拶しつつ、追い抜き返して先へ行く。

残り60kmを切った。

8時半前にオ・レボレイロ(O Leboreiro)の村を通過。

村を抜けた辺りからしばらくは国道沿いの道を進む。

9時頃にフレロス(Furelos)の村を通過。そこから少し歩いて9時半前にメリデ(Melide)の町へ到着。距離的にちょうど今日の行程の中間地点だ。

メリデはまずまず大きい町だ。実はプルポ料理の本場はメリデらしく、ちょうど9時からオープンしているプルペリアがあったので休憩がてら昨日のプルポと食べ比べてみることにした。

プルポとコーラ、パンを注文。14.30ユーロ。うん、昨日のプルポより歯応えがあって、油っこくなくておいしい。値段もこちらの方が安いし、プルポはメリデで食べるべきなのだろう。

外に出ると少し怪しい雲行きになっている。10時を回ってさらに多くの巡礼者を見かけるようになった。メリデや手前の村から歩き始めた人たちもいるのだろう。

「ブエンカミーノ!」と言いながら他の巡礼者を追い抜いていくと女性が「Have a good day!」と声を掛けてくれる。「You too!」と言って先を行くが、こういうプラスアルファのやりとりができると嬉しいのは旅の終盤になっても変わらない。

しばらくすると再び先を行っていたシンとアンに追いつく。メリデのプルポが昨日パラス・デ・レイで食べたものより安くておいしかった話をし、彼らも今日はアルスーアまで行くつもりのようなので、もう半分過ぎたから残り頑張りましょう、と言って先へ行く。

残り50kmを切った。この辺りの木は苔むしていて雰囲気抜群だ。

11時頃にボエンテ(Boente)の村を通過。

パラス・デ・レイからの道のりは多少楽になるものと思っていたが、全くそんなことはない。時には心臓破りの坂と呼べるような場所もある。カミーノは最後まで我々を試してくるようだ。

11時半頃にバルの前を通りかかったので休憩することにする。用を済ませ、カフェコンレチェを注文。1.40ユーロ。

いつも「ハロー♪」と言いながら軽やかに自分を追い抜いていたフィンランドのミアは今日サンティアゴに到着したようだ。もう彼女に追い抜かれることもないのだと思うと少し寂しい。ここ最近は歩いている時に他の巡礼者に抜かれることはほとんどなくなり、今日の道中で追い抜かれたのはこの荷物を持たずに歩いていた男性一人だけだった。

アルスーア到着直前で残り40kmを切る。

13時前に今日の目的地アルスーアの町へ到着。

アルベルゲに行くと、あと15分で部屋の掃除が終わるので待っていてほしいという。しばらくアルベルゲ併設のバルで休憩しながら待つ。コーラを注文。2ユーロ。テラスでコーラを飲んでいると、ホスピタレイロの男性がサービスで軽食を持ってきてくれた。これだけで今日はこのアルベルゲにしてよかったと思えるから単純だ。

結局13時半頃まで待ち、ようやく部屋の準備ができたのでチェックインする。

シャワーに行こうとしたところで、男性から「昨日同じアルベルゲに泊まってたよね?」と話しかけられる。彼はオーストリアから来たクリストファー。彼は日本語を勉強したことがあるそうで、少しだけ日本語を話せる。シャワーに行くのも忘れてしばらく立ち話をした。

シャワーと洗濯を済ませ、アニータからナタリーとの2ショット写真と共に「ナタリーが君はカミーノで一番最初に出会った人だって言ってたよ!」とメッセージが来ていたので、「うん、それは本当だよ」と返信する。こうやって友達同士が繋がっていくのも面白い。彼女とウリーは今日メリデに泊まり、明日オ・ペドロウソ(O Pedrouzo)へ向かう予定だという。彼らは昨日パラス・デ・レイの15km手前にいると言っていたので、今日はメリデまで30kmほど歩いていることになる。明日も30km以上歩くことになると思うが、ややハードな行程なので少し心配だ。

先ほど話したクリストファーがディナーに誘ってくれた。昼寝をしてから17時過ぎに町へ出る。良さそうなレストランをチェックしつつ、薬局とスーパーへ行く。

日本から持ってきた花粉症の薬が無くなりそうだったので薬局で花粉症の薬を購入。3.12ユーロ。

通りがかりにあった教会でクレデンシャルにスタンプを押す。

スーパーで水とオレンジジュースを購入。2.86ユーロ。他にもいくつか大きめのスーパーがあったが、ここのスーパーにある自分でオレンジ搾り機を操作して作るオレンジジュースが大のお気に入りになってしまったので、結局この日も同じスーパーで買い物をした。

19時半頃にクリストファーとディナーへ出かける。目を付けていたレストランへ行くが、ここで問題が発生した。クリストファーはベジタリアンなので肉を食べられないそうなのだが、聞くとベジタリアン向けのメニューはないという。彼は「僕はワインだけでいいよ」と言うが、「お店変えようか?」と言っても「実はお腹空いてないから大丈夫だよ」と答えるばかりなので、そのままここで食べることにした。

ディナーはメヌー形式で、一皿目はパスタ、二皿目は牛肉とじゃがいも、にんじんの煮込み料理、デザートはヨーグルト。お店の女性の愛想が悪かったが、料理はおいしく、何よりクリストファーとの会話がとても楽しかった。彼はコロナ禍前に日本を旅行したことがあるそうで、その時は和歌山の熊野古道や那智の滝を訪れたそうだ。彼には付け合わせのパンを分けてあげたが、あまりに申し訳なかったので彼の分も会計を支払った。パンとワイン・水込みで20ユーロ。

帰りに彼の夕食を買いにスーパーへ立ち寄り、話は尽きることのないままアルベルゲに戻った。このタイミングでこんなに気の合う新しい友達ができるとは思わなかった。彼は仕事を辞めるタイミングがずれ込んだ関係で今回サリアからスタートしているが、本当はスペイン北部の沿岸沿いを歩くルート、いわゆる北の道を歩きたかったそうだ。そして、彼はサンティアゴへ着いた後はポルトガルへ行き、後からやってくるガールフレンドと過ごす予定らしい。サンティアゴへ着いた後のプランは人によって様々なので面白い。
アルベルゲへ戻り、22時半就寝。

歩いた距離
今日28.7km 合計741.3km 残り39.1km

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