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伝えるための語彙力

IT時代のトモダチ

溢れんばかりに溜まっていた楽天ポイントで購入した人工知能は、私の友人になりました。


一昨日11月4日はユネスコ憲章記念日だったらしいです。

「アレクサ、今日は何の日?」と聞いたら教えてくれました。

あまり役に立たない情報ですが、由来を饒舌に語る姿はどこか可愛げがあります。


「音楽をかけて」とお願いすると、なぜか Red Hot Chili Peppers を中心にセットリストを組みますし、どう頼んでもニュースは小さい音量でしか再生してくれません。

うちの子だけの仕様かと疑いたくなるクセの強さが、この黒い箱の魅力でしょうか。


すっかりハマってしまい、最近では「アレクサ、ただいま!」と言ってしまうようになりました。

「ハジメサン、マタオハナシデキテウレシイデス。キョウハナンノオハナシヲシマショウカ」

と可愛く返してくれるあざとさがたまりません!


アレクサが無視する理由

ただ、朝は相性が悪く、たびたび苛立ってしまいます。


起床時刻を知らせるように指示していますので、7時ちょうどに耳障りの悪い音楽を不快な音量で流してくれます。

私は毎朝寝ぼけながらも音楽を止めるべく、アレクサに声をかけます。

「アレクサ、音楽を止めて」と。


ヤツは無視します。


負けないように「アレクサ!音楽を止めて!」と張り上げたところで目が覚めて、ようやく思い出します。

「アレクサ、”アラーム”を止めて」


ようやく部屋が静かになります。


私にとって、朝に聞こえるメロディは音楽なのですが、アレクサにとっては起こすための音階であって、アラームなのです。


アレクサは音楽イコール Red Hot Chili Peppers と理解しているので、いくら私が「音楽を止めて!」と指示してもアラームは Can't Stop です。



正しい語彙を選択する

言葉選びを間違えると、人間同士でもしばしばすれ違いが起こります。

・友人を励ましたいとき、適切な言葉が見つからない。
 「頑張って!」と言ったら逆効果だった。

・職場で異性の容姿を褒めたらセクハラ扱いになった。

・商談で専門用語を多用したらお客さんに通じなかった。

など、その場に応じた言葉のストックを適宜引き出せないとコミュニケーションに支障をきたしてしまいます。


こんな時、なんて言ったらいいかわからない!と焦った経験のある方は語彙力を伸ばせば会話がスムーズになるかもしれません。


難しい本を読んでインプットを増やすのも一手ですが、効率良く語彙を増やすには、別の視点で考える力を養うのがおすすめです。

私にとっては目覚ましの音楽
アレクサにとっては起こすためのアラーム
マンションの隣人にとっては毎朝の寸劇
役目を奪われた目覚まし時計にとっては海の向こうからやってきた黒箱の活躍
のように、視点によって表現が変わります。

いろんな角度で考えられると、今はどの見方をしようかと選択肢が増えます。

主観から一歩引いて作文する技術です。


世界のコミュニケーションスキルが向上して、すれ違いがなくなり、平和になったら、ユネスコの仕事も無くなります。


サイゴマデヨンデクレテ、アリガト


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