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あのたび -夢精と連れ込み宿-

 起きて朝はモレン(揚げバナナ)で済まし、船に乗る前に菓子類や茶を買い込む。11000Rp。

 インドネシアのタラカンからマレーシアのタワウ(Tawau)行きの船は14時に大きい港から出るという。早めに港に行くと、朝発の便もあったという。10時になってようやく切符を販売してくれ、イミグレーションで出国手続き。合わせて100000Rp(≒1400円)。

 パスポートはSHIPで、と言われ取り上げられてしまった。出国スタンプは押してもらえたが。若干不安。旅行先ではパスポートだけが自分のアイデンティティで、なくしたら密入国者だ。20年前の当時、スマホはなかったので。

 時間になり船に乗ると冷房が効きすぎて寒いくらい。ちゃんとパスポートは返却してくれてひと安心。

 わずか3時間でマレーシアのタワウ着。陸路の国境越えよりも海路の国境越えは感慨が少ない。
 うるさい客引きが寄ってくるということもなく都会だった。宿事情がわからず心配だったが、あっさり15RM(≒460円)で見つけた。港町で人の往来も多いから宿もたくさんあるのだろう。バスタオルと冷水サービス付き。これだけでもインドネシアとは国の発展のレベルが違うと感じた。ただシャワー無しでマンディ(手桶で水を汲んで体を洗うスタイル)というのはインドネシアと一緒だった。

 荷物を置いて散歩。パン屋でピザなど3個3.7RM(≒100円)。デパートやビルなどもあり都会の雰囲気。ムルタバ2RM。

 翌朝、夢精してしまいパンツとシャツも汚す。長く旅行していると性欲が減退する。英語もままならないので女の子と話すということがなくなるからかもしれない。騙されないかという不安もあり踏み込めないのだ。そして定期的に夢精することなる。旅行者の中には、〇〇の女の子良かったなーなどと物価の安い国で買春した話も聞く。ボクは勇気がなく臆病者なのでできなかった。

 もう一泊しシャツとパンツを手洗いし乾かす。久しぶりに爪切りを借りて切る。遅い朝は、ナシチャンプル=ナス卵豆腐カレー風味+ペプシ3.3RM。スパイスが効いた味が食欲を増進する。
 これまでずっといたインドネシアは辛いか甘いかだけで味が単調だった。それに比べマレーシアは香辛料の香りがただよっているのだ。

 両替のレートは100JPY=3.4RMでUS$=3.762RMと書かれていてなかなか良かったが日本円は不可と断られた。

 小さいバザールでクエ(羊羹風の甘いお菓子)4個1RM.ES(アイス)1RM。
 ネット屋を探し次に行くフィリピンの情報を得ようとする。回線は速いが日本語が使えない。読むことだけはできた。3時間6RM。

 夜は屋台でチャンプル+焼き鳥3RM、ビタミン不足のためスーパーで野菜ジュース4.3RM。麦食パン2.2RM。東側マレーシアは、西側マレーシアよりも安くて暮らしやすい感覚だ。

 翌日次の町ラハダトゥ(LAHAD DATU)まで寒いエアコンバス13RMで2時間。もっと安いミニバスもあったようだが見つからず。Airport Shippingと書かれたよくわからないところに降ろされる。海外バスあるあるだ。
 南へ数十分歩き町へ出る。一軒ペンギナパンという宿を見つけるが25RMちと高い。暑くてペプシ買う。0.95RM。缶ジュースはだいたい1RM(≒33円)くらいで安い。

 ぐるぐる回ってマレーシア旅社を発見。一泊20RMを15RMにまけてもらった。しかし怪しい連れ込み宿のような雰囲気。落書きだらけ。Short Timeという休憩?のような設定料金もあり、こりゃ日本でいうラブホじゃねえか。
 ロビーに座っていた女の子たちもなんか艶めかしかった。システムはわからないが好きな子を選んでお部屋にということも可能だったのかもしれない。

 荷物に厳重に鍵をかけ出かける。14時からもう屋台が出始めている。少しずつつまみぐい。ミーゴレン(焼いた太麺)1RM、えび揚げ1RM、えびあんかけ1RM満足。夜ナシゴレン+イカン1.5RM。翌朝用にとパン3RMは多くて買いすぎた。

 寝付きが悪かったが特に物騒なことはなく翌日チェックアウト。東マレーシア北東端の町サンダカン(SUNDAKAN)へ向かう。フィリピン行の船に乗るためだ。

マレーシアルート
前半は左、後半は右

(つづく)


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