D&D2024年版ローグまとめ
こちらは、6月25日に配信された「New Rogue | 2024 Player's Handbook | D&D」の内容を日本語でまとめたものです。必要な解説も中に交えて説明するので、初心者も読みやすいです。
2024年版って何?OneD&Dはどうなったの?
現在のD&D5版は2014年に英語で発売されました。今の日本だと割と最近まで公式が流通を初めて知名度が上昇していますが、実は10年も前に作られた割と年季のあるシステムです。
今後の商品展開に耐えうるしっかりとした基盤を作りつつ、10年前にはなかったリソースを注ぎ込んで豪華にリマスターしよう!……というのが「D&D2024年版」です。ここではクラスの一つであるローグが取り上げられています。
こちらはえいりが解説していた当初はOneD&Dの名前で知られていましたが、これは開発コードらしく、今では正式名称が変わっています。
概ねOneD&D=D&D2024だと思ってください。
以下の解説動画プレイリストに当時のOneD&Dのルールを追っていた配信を見られます。調整中のデータを先行して和訳で見れるのでお勧めです。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLtUXRdiM2VKii0pAGqW7LMkp-_HcAwEp4
ここからが動画の内容になります。いくつか中で詳しく解説されていないところもあったので、Beyondなどの記事を見て補足してます。
その前に前提情報の解説です。
ローグと有利:ローグの一番重要な特徴は「急所攻撃」です。自分が有利を持っていたり、敵の隣に味方が居た場合において追加ダメージを出せます。ローグは複数回攻撃を行えない代わりに、一撃が強いクラスです。記事の中で「有利」が多く出てきますが、それは急所攻撃を誘発するための重要な要因だからです。
概要
まずは「台無しにしない」ことを目標にした。
クラスとしてすでに完成されていて、みんなに愛されているのがローグ。
武器マスタリーを与えることで、次の攻撃に有利(急所攻撃のトリガー)を与えて、より柔軟に戦える。
以下が他の変更点だ。
巧妙な一撃(Cunning Strike・5レベル)
急所攻撃のダメージの一部を特殊効果に置き換える事ができる。常にダメージを追求したい場面は多くなく、必要に応じて柔軟に立ち回れるように与えた。
・相手を毒状態にする
・相手を伏せ状態にする
・機会攻撃を誘発せず撤退する
*プレイテスト時の武器落としはなくなってる
高レベルになると選択肢が増えて、1回の攻撃に複数の選択肢を乗せられるようになる。確かな技術(Reliable Talent・7レベル)
元は11レベルだったのが7レベルになった。技能の判定でダイスの出目が9以下だった場合、10として扱う。盗賊の符牒(Thieves' Cant・1レベル)
盗賊専用の言語に加えて任意の言語も一つ獲得できる不動の照準(Steady Aim・3レベル)
ターシャ本からの特徴。移動しない代わりに次の攻撃が有利になる。囚われぬ心(Slippery Mind・15レベル)
判断セーヴに加えて魅力セーヴの習熟も得られる。
強制テレポート呪文のほとんどが魅力セーヴであるため物理的な危険だけではなく、魔法的な危険からも囚われないようにした。
ローグと言えば、ステルスゲームで遊んだことのある要素をみんな試したいはず。武器に毒を仕込んだり、相手をノックアウトさせたり、今のローグではそれがやりやすくなった。
*新システム「巧妙な一撃」でローグが使用できる特殊能力を以下にまとめてみました。括弧の中は支払う(減少する)必要のある急所攻撃のダメージダイス。
初期の選択肢
毒(1d6): 目標は耐久力セーヴを行い、失敗すると1分間毒状態になる。目標はターン終了時にセーヴを繰り返し、成功すると毒状態が終了する。使用するには調毒道具が必要。
足払い(1d6): 目標が大型以下であれば敏捷力セーヴを行い、失敗すると伏せ状態になる。
撤退(1d6): 攻撃後、移動速度の半分まで機会攻撃を誘発せずに移動できる。
11レベルでImproved Cunning Strike(上級巧妙な一撃)を得られて、一度に2個の効果を付与できる。(例:毒&足払い)
14レベルになると以下の効果も使用できる。
幻惑(2d6): 目標は耐久力セーヴを行い、失敗すると目標の次のターン終了時まで移動、アクションまたはボーナスアクションのいずれかしか行えない。(もともとは幻惑状態だったが、これが2024年に残るかは不明)
気絶(6d6): 目標は耐久力セーヴを行い、失敗すると1分間たつかダメージを受けるまで気絶状態になる。目標はターン終了時にセーヴを繰り返し、成功すると気絶状態が終了する。
目眩まし (3d6): 目標は敏捷力セーヴを行い、失敗すると目標の次のターン終了時まで盲目状態になる。
アサシン
ローグの殺戮部分を強化するサブクラス。2014年版のアサシンは愛されながらも不遇なサブクラスだった。
一番強い特徴は奇襲を仕掛けないと機能せず、奇襲を仕掛けるのはとても困難だ。
*通常ルールだと、戦闘に参加する者たち全員が隠密に成功しないと行けないです。ファイターなどの重装鎧使用者は足を引っ張るため、ローグが単独先行しがち。そのため、パーティ全体がローグを待たないと行けなくて退屈しするという一連の流れはよく問題になります。
奇襲ルールも変わったことから、アサシンのデザインを変更した。
暗殺術(3レベル)
イニシアチブに有利を得る。相手を「暗殺」するには先に行動するのは必要不可欠。
また、行動してない相手に対して攻撃を行った場合、追加ダメージ(プレイテスト時はローグレベルに等しい)が発生するようになった。
先手が取りやすく、先手を取った場合追加ダメージを与えるのがデザインだ。習熟追加(3レベル)
調毒道具と変装用具の習熟を得る。しかし、実物の道具がもらえなかったのは不便だったので、道具も一緒にもらえる。偽りの素性(9レベル)
変装や喋り方を真似る対人用の特徴をそのままで、不動の照準を移動しながら使用できるようにした。なりすまし→Envenom Weapons(武器毒化・13レベル)
巧妙な一撃の毒を使ったときのダメージを増やし、毒抵抗を無視する。
*毒のダメージ抵抗はD&Dで一番多くのモンスターが持っているもので、せっかく毒が使えるのに効く相手が居ないというのはよくある問題でした。暗殺奥義(17レベル)
クリティカルは不要になった、急所攻撃を与えるだけで発動する。
(プレイテスト時は相手が耐久セーヴに失敗すると受けるダメージが倍になる)
アーケイントリックスター
ローグと魔法使いのミックスであり、一番変更点が少ないサブクラス。
呪文発動能力(3レベル)
呪文の系統縛り(防御術、幻術)がなくなった。エルドリッチナイトと同じ変更。この縛りがなくなったことで、作れるローグの種類の幅がより広まった。多彩ないたずら(13レベル)
メイジ・ハンドを出した状態で誰かに巧妙な一撃の「足払い」を仕掛けたら、メイジ・ハンドも同じく誰かに足払いができる。
トリックスターの代名詞である「いたずら」をしやすくなった。
ソウルナイフ
超能力とローグのミックス。アーケイントリックスターはシーフの魔法版ならば、ソウルナイフはアサシンの超能力版である。
ターシャ本で初めて紹介されたクラスで、PHB入りした。
精神の刃(3レベル)
ソウルナイフが手元に召喚する精神エネルギーの刃。大きな変更点は2つ。
・機会攻撃でも使用できる。
・マスタリー特性を与えた。(Vex・崩し:命中時、次の攻撃が有利になる)
精神の刃はボーナスアクションでも攻撃できるため、2回目の攻撃に有利を与える事ができる。
シーフ
ローグのトレジャーハンター部分を強化するサブクラス
シーフをより盗賊らしくするためのバランス調整をした。
器用な指先(3レベル)
魔法アクションを必要とするマジックアイテムを持っていれば、器用な手先で起動できる。
もともとは通常のアイテムのみだった。
*魔法アクションとは、2024年版に追加された新たなアクション。攻撃を行う場合は「攻撃アクション」を使用するのと同じように、呪文などを使うときは「魔法アクション」という定義が新たに加えられている。一律に「魔法アクション」であれば、カウンタースペルなどの打ち消し対象となり、今まで打ち消せるか曖昧だった効果もこれではっきりと分類される。屋根渡り(3レベル)
跳躍距離を決めるとき、筋力ではなく敏捷力を使用する。
登攀移動速度も得られる。
*プレイテストの時、跳躍する場合は判定が必要になっており、ここでの言い方を見るに、跳躍に判定が必要なのは撤回されているようです隠密無双(9レベル)
巧妙な一撃の選択肢が増える。
・精密攻撃:隠れ身で攻撃しても、隠れ身が終了せず、相手にバレない魔法装置使用(13レベル)
・マジックアイテムの同調数が4つになる
・チャージを消費せずに魔法のアイテムを使用できる
・呪文スクロールを使用できる