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愚直に

靴やバッグの修理に就いて20年以上携わってきました。

大切なものがまた使えるようになる事で、お客様から笑顔で感謝していただけるとこちらも笑顔になれます。

使い捨て、或いは断捨離など、モノに執着するのは時流ではないかも知れませんが、一方でこのところサスティナブルという言葉もよく目にするようになりました。
私自身では『思い出や愛着まで捨てることはないよね』と解釈しています。


私はそれ以前、ある大手靴メーカーで企画開発、要は設計して新製品を作る側で、パターンナーを7年ほどやっていました。

作ると治すのでは要領がだいぶ違って、加えて接客というそれまで経験したことが無い要素もあることから、初めは苦労が絶えませんでした。

経験がある。経験があるから転職先でもメリットやアドバンテージはあるだろうと、心のどこかに隙があったのだろうと思います。

この仕事は俗に『職人』と呼ばれる事が多いのですが、実際そう呼ばれる事で勘違いをして横柄になっていく人もたくさん見てきましたし、そうなってしまうとどんなに技術が高かろうとお客様は目に見えて、長い時間を掛けながら離れていきます。

『職人』というか、店員なのです。
目標は『良き店員』。

ひと手間を惜しまず、愚直に向き合わないとお客様から見透かされます。
たまに至らない部分があったりすると、お客様は反応が早いですから。

長く続けるからこその、初心忘るべからずだなと感じています。
自分も笑顔になれるよう、準備を怠らないようにしていきたいと思います。


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