ネイティブとの雑談が難しすぎる件
先日このようなツイートをしたところ、たくさんのご賛同をいただきました。
ネイティブとの雑談に入っていくって、本当に難しいです。僕も何年もかかりました。アメリカの高校で1年、その後大学4年を経ても、気心の知れた友人たちとだったら、やっとなんとか加われる程度だったのです。とは言っても、みんなが僕の知らない話題で盛り上がると、しばしば幽体離脱していました。
日本に帰国した後は外資系企業で働いていましたが、仕事上で英語力不足に悩まされることはほぼありませんでした。仕事での会話って話題が限定されるため、実はそれほど難しくありません。たまに出張者が来てもこちらの土俵で会話が進められるため、一緒に食事などに行っても、あまり困ることはありません。
ところが、36歳の時に再びアメリカに住み始めると、改めて、この課題に直面しました。グループでの日常会話って、本当にハードルが高いです。
僕がとった対策
そこで僕がとった対策は、話題の守備範囲を広げることでした。渡米当初はまだ YouTube も Netflix も Podcast もありませんでしたので、ケーブルテレビで映画を観たり、ラジオをふんだんに聴くなどしました。また、情報源はほぼ英語のみに限定しました。
そして、これだけでもかなり効果を感じたんです。その時々にアメリカで話題になっていることがよくわかりましたし、最初から英語でネタを仕入れているので「これって英語だとなんて言うんだろう?」なんてこともありません。グループでの雑談のハードルが一気に下がりました。
この他、ソフトボールのチームに入ったり、キックボクシングのジムに入会したりと、人と触れ合う機会も増やしました。これも効果が大きかったように思います。
やがて、Podcast や YouTube が登場したので、どんどん英語をインプットしやすくなってきました。ワークアウトやジョギング中も音声が聞けるようになったのは、本当に大きかったですね。話題という意味では、あまり遅れを取らなくなってきました。
ところが、あと今一歩足りない
ただ、そうは言ってもあと一歩何かが足りなかったのです。
特にパーティーなどで、さほど親しくもない人たちと雑談になるのは、本当に苦痛でした。
そんなある日、ミーティングの最中にふと思ったのです。僕は当時アップル本社でシニア・マネージャーを勤めていたのですが、仕事の場だと特に緊張もせずに場を仕切れるし、僕の方からガンガン話題を振れるのです。
「あれ、雑談の時もこれでいいんじゃないかな?」
そう閃いて、その日の昼食時に試してみたら、なぜか突然肩の力が抜けて、まるで日本語を話しているときのように、素直に雑談を楽しむことができたのです。
それ以来、もう受け身の姿勢で話の輪に加わるのはヤメにしました。適当に話題を変え、まぜっ返し、冗談を言う。日本語でやっているときと、同じでよかったのです。
以前はついていけない話題があると自分の英語力不足を疑っていたのに、「そんな話、知らねーよ」と話題を変えたり、逆にわかりやすく説明してもうことができるようになったのです。急速に雑談が楽になり、やっとついに最後のハードルを超えた実感がありました。
僕からのアドバイス
特に大きな障害なくネイティブと仕事ができるのに、なぜか雑談となると途端に難しく感じる。
そんな方がいらっしゃいましたら、まずはぜひ、Podcast や Netflix のドラマや映画、あるいは、YouTube 動画などを視聴しまくって、英語のマシンガン・トークに慣れてしまってください。すると、豊富な話題が英語で仕入れられますから、雑談中の突然の話題の移り変わりに、ほぼついていけるようになります。スタンドアップ・コメディなどもおすすめです。英語のユーモアセンスにも慣れていくからです。
そしたら並行して、雑談の練習をしてみませんか? そして、話題を切り替えたり、提供したりしながら会話を回すことを覚えていくのです。
Brighture ではこの練習に特化した、Social Conversation というクラスを設けています。このクラス、僕のような苦労をしなくてもいいようにと、僕自身がデザインしたクラスです。まだうまく会話をコントロールできないうちは、講師が何度も仕切り直してくれますから、回数を重ねるうちに、1対多の雑談への抵抗感が薄れていきます。
ただ、かなりハイレベルなクラスなので、1対1の会話がある程度スムーズにできるようになってからの受講をお勧めします。
以上、「ネイティブとの雑談が難しすぎる件」をお送りしました。
参考になれば幸いです。
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