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パルフェタムール

時々,胸に溜まったあなたへの感情が獣の様に募り育って
あなたと狭い檻に2人きりになりたくなる
私はすぐにあなたを捕らえて自分のモノにしてしまうだろう,首輪を付けて短い紐に繋いで檻の外に出た時私は中の方がずっと広々していたと感じる。
永遠に檻の中に居られれば彼を広々と感じ,もっと良く見えるのにと思って彼が外に出たがらないことを望み失望する。
紐は日に日に短くなり,やがて腕に抱えるようになる。私は彼を永遠に渇望しているのだ

その心は獣になり,野獣になり,その爪でいつか彼をこの手で殺してしまうかもしれないと思いながらそっと髪を撫でる。
額からよくカールした髪をぬけ耳を通り襟足に行き着く時,私の心は暴れて両手でその顔をぐちゃぐちゃにしてやりたくなる。私の前でこんなにも無防備に眠り体を預けて子供のように脱力して眠り,そんなではいつか誰かに捕まってしまうよ
私が獣だから
スタンプを貼るみたいに頬にキスをした
__目を閉じたまま私を感じて離さない


春になると悪いが思い出すのは元彼の事で
それはあまりに鮮やかすぎた春の街並みを沢山見てしまった年だったから。ただ春をよく見た
西荻窪の道は小さい野花や民家の大きく育ったビカクシダに川のアオダイショウ,私の髪を気安く触る彼。
毎日私が彼の家の窓の歓喜をしていたから,毎日私が1番に春の匂いを嗅いだ。
窓の下に咲いた日陰の花がひんやりとした甘い香りを放ち遠くから流れる風は黄色い花の暖かい香りを含んだ。
彼が初を露骨に感じていたから,私も目を向けて沢山吸い込んだのだと思う。
今年の春は上手く飲み込めない

朝目覚めた時彼がまだ寝ている私を書こうとした残骸,がスケッチブックに消しゴムでは消せきれなかった跡が残っているのを見て酷くかき乱れた。
そのまま書いて欲しいとも思ったし,そんな諦めた痕跡を残さないで欲しいとも思った。

彼の作るものは欲しいと鳴く様に彼っぽかった。黒のレザーのカバンに指輪に深夜のラーメンに舞茸のナムル,彼が素直でそれは美味しかったり上手だった。彼のセンスの良さが出ていて私に歩みよる事はなかった
だから私はいつも彼の服選びにうんともすんとも言えない,私好みな事をしている所が想像つかない。
あなたはもっと私から遠く私の好意に寄り付かないようなイメージ,私に飲み込まれたりしなくて私に染ったりもしてくれない。
きっと私が友達なら恋人の存在に気付かない様な,そんなイメージだから
そんな心がたまに,醜い形で顔を出す。

弱くて、今夜会えないならもう何も頑張れない。今日だって頑張れないと脅してやりたい
それって何も魅力的じゃないけど本当に
隣のOLからシャボンの匂いがしてその型にハマった服装すらが憎くて仕事なんてと発狂してやりたい、許してもらうために
でも私は彼に見損なわれたくない一心で動いてる,みっともなさすぎるが
こんな私の事好きなんでしょって言ってみたい

大人になれば自然とまともになると思った心もまともじゃないまま大人になっても
いくらは上手になると思った恋も未だに不器用で下手なままだ。下手だねと笑ってくれるのが救いだよ

お酒を飲んでお得意の挙動不審でただこのまま寄りかかってもいいですか,抱き締めてもらっていいですか,ずっと手を触ってもらってもいいですかとしか考えられなくなる。

男の人が不安や寂しさで慰めて,と寄りかかることはせずにただ空虚なセックスを求めてくるのが虚しくて。ヤケクソで気持ち良いようで気持ちは良く無くて揺れながら私の心がガラス器からこぼれ落ちていく気がする
そう言う時はセックスするんじゃ無くて,ただ一緒にあったかいご飯を食べたら良いと思うよ

そう言うのを当分されていなくて嬉しい
あれはあまりに苦しいから,気持ちよければ気持ちいい程苦しくなるからどうかいっその事私の事を微塵も気持ち良くさせずに終わらせてくれと思うの。
私たちは上手く関われないし,上手く手も繋げずに抱き合うことも満足に出来ない。
もっと手があればとか胴体が平らならとか
もう少しは満たされたかもしれない___とか。

だからせめて結婚とか話して欲しい。
いつかの話,私たちMOROHAが好きじゃない
それでいつか、いつかの話って
今はまだ手に届かぬものばかりって
最悪1KでもOKなお家であなたの肌色をめざして毎日帰宅する,
あなたがほろりとこぼした,私のご飯に毎日こんなご飯ならから始まった話に私は崩れ落ちそうになる。
果たしてあなたは私との明日以降をどの位想像したのか,その目の前のご飯の話だけか
それともあと5年とか経ったら結婚とかしちゃったりとか思うのかって
考えて酷く虚しいんだけど,こんなこと面と向かって言ったら逃げられちゃうよって女は言うの。結婚とか将来の話をすると男は逃げちゃうんだって
でも私結婚とか将来が無い関係性なら要らないかもしれない。
この世で一番欲しいのって永遠じゃない
ただ毎日私と同じグラスでコーヒーを飲んで,私の作ったご飯を食べて同じ布団で飽きずに抱き合って眠るみたいな日々を夢見ていて
私の事好きならそれくらい考えてくれたって良いじゃない。ねえ
私ってバケモノかな
苦しめるかな、いつか逃げられちゃうかな

母親が私を見てあざ笑って私は今すぐ助けてと思いながら,自分も好きな人さえも嫌になって死んでやる、と思った。
どうせ彼は一生一緒にいてくれたりなんかしないし,いつもは適当な事言うのに一生一緒に居ようとかなだめたりしてくれないから。
この仕事がダメで、お金が尽きたら、ほんとに死のうって思う。

欲しいものを全て失った時ちゃんと死ねる大人になりたい

でも明日も明後日もあなたがいて欲しい
あと四日後会えるのが分かってるから今すぐ仕事がなくてもお金が無くてもあなたに会うためにきっと切れ切れの息で朝でも夜でも逢いに行く
惨めだけど、とても惨めだけど
ただあなたから次会う日の話をして貰えたのが嬉しくってただそれだけで生きてしまうのが惨め。
誰かは私をこれ程好いたりしないのに私はこれ程好いてしまうのは気持ちが悪い事だし、苦しい
いつか私にいつかの話をして,
悶々としてオチもなく夜にこんなことを考えるのはあなたが好きなままだから

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