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あの日の思い出

「図工の時間ってつまんねー。体育がいいわー。」って思っていた頃の”てゃ子”と”どしお”の話。

図工の時間は嫌いではない、でもつまらない。

だってアイディアが全然浮かばないから。ようやく浮かんできたと思ったら、すでに友達がそのアイディアと同じような作品を進めていて真似したみたいに思われるのが嫌だった。てなわけでどの作品の時もみんなが制作に着手する中、構想に足止めを食らうわけ。

でも隣を見ると一安心する。どしおもまた私の仲間だった。(今思えばどしおといつもおしゃべりしたりおふざけしているせいで遅かったのかもしれないけど。)

「で、今回は何を作るんだっけ?」
「自分の好きな形の黒板を作るんだって。だからどんな形にするか決めて先生に許可を貰わないと進めないよ。どしおどうする。」
「全然決まらない。そもそも黒板とか作ってもいらなくね。いつ使うんだよ!」
なんて話しているうちに周りはどんどん次の工程に進んでいく。取り残されていく2人は焦る。

「・・・!!いいこと思いついた!2人で一つの大きい黒板にしてやろうぜ。迫力もあるしかっこよくなるし、人ともかぶらないよ。」
と、どしおが勧めてくる。

とてもいい案だと思い先生に確認しに行った。
しかし個人の作品だから一人ずつでないとだめだと却下されてしまった。

まあここで諦めるほど大人じゃないのがてゃ子とどしお。なんてかっこいいこと言ってるけど、こっちには後がない。最初で最後のアイディアなので引くわけにはいかない。

そこで2人は個人で進めるふりをしてバレないように1つの黒板を作ることにした。行くとこまで行っちゃえば先生も許すしかないでしょ。あはは。

そうと決まればさっさと作業工程に行きたいので適当な構想案を先生に提出する。なぜだろう、さっきまで浮かばなかったアイディアがどんどん浮かぶ。なんてことは当時のてゃ子は気づかない。

作戦は大成功。なんだかんだうまくいく2人。2人で秘密を共有している感じがすごく楽しかった。黒板にするためのスプレーを吹きかけているところで先生にバレたけど先生は笑うしかなかった。2人はもちろん笑った。これってみんな幸せだね。

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そんなことを今でも黒板を見るたびに思い出す。

完成した黒板をどっちが持って帰るか話し合おうとしたとき
「てゃ子が持っててよ。」
って言って譲ってくれたよね。

でもさ、どしお。お前、黒板いらないとも言ってたよね。いつ使ううんだよ、とも言っていたよね。
確かに一回も使ってないわ。自作だから消しにくくて綺麗に保ちたいから何も書かずじまいですわ。しかも一人の作品じゃないから捨てられないですわ。してやられたわ。ちびだったころからそんなに頭回るやつだったっけか。

そんなどしおも今じゃ図工の先生になるかもだって、、、
あ、うん、、うん?? ええぇぇー!!??ホンマカイナ。
初めて聞いた時には驚いたけども(笑)

じゃあどうせならどんな先生になってほしいか言うぜ。現在図工や美術の先生ををしている方や将来なりたい方はよく聞いてくれ。と、まあ粋がってるけど要望は一つ。

”楽しませてくれ!!”

楽しいにも、「制作物が魅力的で楽しい。」「制作中の工程が楽しい。」「作品を見るのが楽しい。]「作品を見て昔を思い出して楽しい。」など様々あると思うんだ。どんなことでもいいけど一つでも楽しいがあればそれは意味があったことだと思う。だから困っている子供がいたら手を差し伸べることも大切だけれど、時には見守ることも大切だと思う。この塩梅が難しいのだろうけどね。楽しませるって結構深いね。

幸いなことに、てゃ子は友達もよかったし先生もよかったから楽しかったけど、

  • 消極的な子

  • 不器用な子

  • 雑だけど早い子

  • 天才な子  など

色々な子供がいるよ。一人一人に寄り添いながら必要な支援をすることは難しいけれど、頑張ってほしいと強く願います。頑張れ。(よろしくお願いします。)

そうして図工や美術はもっと魅力的な科目になっていってほしい。てゃ子も今では図工が好きになれたからね。

え?じゃあまた図工の時間で黒板を作るからいい案出せって?

・・・

いやぁ~。無理だね(笑)

だって図工の時間は大好きだけど、つまんないから(笑)

(1748字)
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お読みいただきありがとうございました。
エッセイを書くのが初めてなもんでお恥ずかしいです。
是非♡(スキ)マークを押していただけると嬉しいです。
 
てゃ子

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