焦げたパン

私は焦げたパンの妖精です
ざらざらの羽で、
くずれそうな朝の空気に
傷をつける 悪い妖精です

でも 私は貴方の手によって生まれたのです
まだバターの匂いがしみついている
指に押された後が、ほらここに
パン切り包丁は、ほらあそこに

私は きらきらの妖精になれたのです
明かりを消した寝室で
ゆっくりと光る 愛する人の太腿のような、
翼をもつことができたのに
飛んでいって、貴方の鼻にキスをすることができたのに
私は貴方に嫌いをみせるしかないじゃありませんか

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?