花火

大きな花火
小さな赤提灯
真っ直ぐな道は
光を引っ張っている
僕は君の
勇気を手に取って
コンビニに行く
花火と水とこれください
水は手に持ちます
暗いままの空の下
アスファルトの上で
二人で火をとかす
冷たい水が温くなって
花火は死んで
最後の僕たちは
互いに炎をみている

ずっと暗いままの外
窓は真っ黒な熱さに塗られている
水色の重たそうな浴衣を
僕はじっとみる
部屋の本の匂いが妙に艶めかしくて
日常を振り返ってしまう
彼女の黒に触れてみる
二人疲れて背骨をくっつける
ゆっくりとしたその寝息が
線香花火に火をつけて
天井の豆電球を
僕は睨んだ

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