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新潟では通じなかった、富山の言葉「ツクツク」

これは前職のイベント業での忘れ難い出来事。

そのイベント現場では、ご来場者にアンケート的なものを記入いただくブースがあり、そこにはツアー持ち回りの備品として、記入用鉛筆が大量に用意されていた。ツアー側からの指示で、「開場時間までに持ち回りの鉛筆を削っておいてください」とあった。(まだコロナ前の、消毒作業や感染対策など無い、非常におおらなか時代の話)

私はその日のアルバイトチーフAくんにトランシーバーで指示を出す。

私「Aくん取れますかー」
Aくん「どうぞー」
私「ロビーのカウンターの上にツアー持ち回りの鉛筆と鉛筆削り置いといたから、全部ツクツクに削っといてー」
Aくん「…?!(沈黙)えんぴつ、削っとくでいいんですか?」
妙な沈黙と、何か伺うような返答。
私「…うん。ツクツクに。」
Aくん「いやだから、ツクツクって、何ですか?!」
Aくんはロビーの中心でトランシーバーに叫んだ。俺には届いたよ、その気持ち。そして、ごめん。

富山では、鉛筆に限り、鋭利に削られた状態を「ツクツク」と呼ぶ。ツンツンではない。私はそれを、全国共通の表現だと思い込んでいた。少なくとも、新潟ではそうでは無いらしい。

ツクツクの鉛筆。懐かしい響き。

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