絵の才能の磨き方 トレーニング編(2023.8.08大幅修正)
この記事の続きです。
読んでない方は、こちらの記事を読んでから、今回の記事をご覧ください。
今回は、指とペンの使い方を鍛えるためのトレーニングについてです。
※ペンの持ち方を変えたくない人は第2ステップから始めてください。
第1ステップ
ペンの持ち方を整える。
ペンを、より理にかなった持ち方に矯正します。
どんなスポーツにも、正しい型があります。
それは、先人たちが膨大な蓄積の果てに導き出した最適解です。
ペンの場合、それは親指、人差し指、中指の3本の指で持つというものです。
中には、例外もあるとは思いますが、これが基本のはずです。(あくまで僕基準です。)
この3つの指の理想的な関係を表すと、「1:1:1」という力関係で、それぞれ機能しているのがベストです。
ですが、おそらく大半の人は、このパワーバランスがくずれていると思います。
基本的に、親指が一番力が強いし、次が人差し指、3番目が中指の順番だと思います。
だから、この3本の指のバランスをとるために、どうしても歪んだペンの持ち方になってしまいがちです。
そして、その歪んだ持ち方に、相応なペンの使い方になってしまうはずです。
この持ち方を、整え直すにあたって、3本の指を同時に処置しようというのは相当に困難です。
なので1本減らして、2本ずつの指で対処していきたいと思います。
指の数が減った分、難易度も下がるはずです。
対処を行うための、具体的な組み合わせは、「親指と人差し指」、「親指と中指」です。
これら2つの指で、ペンを持ってください。
普通に3本の指でペンを持った状態から、「中指を外す」、「人差し指を外す」という解釈でもいいです。
それぞれの状態で、指の限界がくるまで、紙の上に、ひたすら何かを書き続けてください。
絵でもいいですし、字でもいいです。
ひたすら、ぐるぐると、円を黒く塗りつぶすように描くのもいいと思います。
この練習の目的は、指の筋肉に高い負荷をかけることです。
腕立て伏せのような筋力トレーニングと同じです。
これで指の筋肉を鍛えます。
2本の指で行うのは、このトレーニングを効率よく進めるためです。
なぜなら、このトレーニング法では、1本の指の力を、もう1本の指の力で受け止めるしかないからです。
だから、2本の指の筋力を、効率よく同レベルにまで鍛えることができるはずです。
このトレーニングの目的は、2本の指を「1:1」の関係になるように鍛えることです。
「親指と人差し指」が「1:1」、
「親指と中指」が「1:1」。
結果的に、3本の指が「1:1:1」でバランスがとれるようになるはずです。
これで、ペンの持ち方が整えられて、ペンを扱う際の歪みが軽減されると思います。
ちなみに、このトレーニングを3本の指で行うと、1本の指の力を、2本の指の力で受け止めることができたりするため、指にかかる負荷が下がってしまいます。
これではトレーニングの効果が下がってしまいます。
というわけで、このトレーニングは2本の指でおこなったほうがいいです。
第2ステップ
指を鍛える。
※ペンの持ち方を変えたくない人は、ここから始めてください。
要はやるべきことは、筋トレです。
なので、腕立て伏せからヒントを得て、トレーニング法を導き出します。
腕立て伏せとは、肉体への高い負荷の反復運動です。
これを指に流用します。
線を引くトレーニングをこれに照らし合わせて、考えていきます。
このトレーニングは、基本的に1動作しかしないです。
なので、指にたいした負荷をかけることができません。
このことから、指の筋肉を鍛えるためには、効率が悪いことが分かります。
やるべきことは高負荷の反復運動です。
つまり「→」の1方向の線だけでは、負荷が低いのです。
なので「→」のあとに「←」の動きも加えます。
往復させるということです。
これは、腕立て伏せの「↑」と「↓」の反復運動と同じ動作になります。
そして、「→」「←」「→」「←」「→」「←」と続けてください。
これを延々に繰り返して、指の限界がくるまで、指の筋肉に負荷をかけ続けます。
これなら負荷の高いトレーニングができるはずです。
そしてこれを、「縦」、「横」、「ななめ」、あらゆる角度でおこなってください。
あらゆる角度に、高いレベルで対応できる指の筋肉を鍛えます。
さらに発展させて、「縦⇒横」、「横⇒ななめ」、「縦⇒ななめ」という組み合わせの動きをするのもいいと思います。
あらゆる角度の線と、もうひとつ別の角度の線の二つの組み合わせの線に、高いレベルで、対応できる指の筋肉を鍛えられると思います。
具体的なやり方は、「→」「↑」「↓」「←」「→」「↑」「↓」「←」の動作を延々繰り返すのがいいです。
そのさらに上の、「縦⇒横⇒ななめ」、「横⇒ななめ⇒縦」、「縦⇒ななめ⇒横」というのもあります。
これは、異なる三つの組み合わせの線に、高いレベルで対応できる指の筋肉を鍛えられます。
そして、四つの動作、五つの動作、六つの動作、とどんどん練習法を発展させていってください。
ということで、これで、あらゆる角度とあらゆる組み合わせの線に、強い指を作っていきます。
他にも、直線だけではなく、曲線でトレーニングするのもありだと思います。
他には、ずっとぐるぐると指を止めずに、円を描き続けるトレーニングもいいと思います。
この場合は、時計回りと反時計回りを、交互にバランス良くやってください。
とにかく徹底的に、あらゆる方向に対応できるように、指を鍛えまくってください。
第3ステップ
トレーニングをさらに発展させる。
次は、第2ステップのトレーニングを、さらに上のステージへレベルアップさせていきます。
たとえ話ですが、10年、20年、30年、ずっと腕立て伏せを続ければ、日本トップ100位以内の腕力の持ち主になれるでしょうか?
これは、勉強やスポーツと同じで、何の工夫や理論もなく、ただ考えなしにやみくもにトレーニングを積み重ねても、たいした成果は得られないのと一緒です。
より成果の得られるトレーニングをするためには、トレーニングの質を高めなくてはいけないと思います。
その第1歩として、まずはペンに込めている力を、普段よりほんの少しだけ強くしてみてください。
そして、それでトレーニングをおこなってください。
漫然とただトレーニングをするのではなく、常に自分の限界に挑戦したほうが、いい結果が得られるはずです。
あとペンの使い方も少し変えてみるのもいいと思います。
その際の注意点です。
ペンにあてている指の腹の部分は、本当にこれでいいのか?
もっとペンが安定する指の当て方があるんじゃないか?
常にこれを考えて、自分の当たり前に疑問を持ち続けてください。
なぜこんなことをするのかというと、ペンの使い方を根本的に見直していくためには、この方法が一番効果的だと思うからです。(あくまで僕の見解です。)
指の筋力が上がれば、自然とペンを扱うことがうまくなります。
それは単純に、パワーとスピードと安定性が増すからです。
ただこれはペンを扱う技術とは一切関係ない話です。
あくまで指の筋力が上がってペンが使いやすくなっただけです。
決してペンを扱う技術が上達したわけではありません。
ペンを扱う技術を上げるためには、ペンの扱い方を変えなくてはなりません。
やるべきことは、ペンと指の接し方を考えることです。
具体的な方法は、ペンと指の接している部分、つまり接地面に変化を加えることです。
ペンの使い方を変えるには、ここを変える以外に方法がありません。
そして、ペンの使い方を変えた結果、何が起こったか徹底的にリサーチして分析してください。
はじめは、それが良い変化か、悪い変化か分からないと思います。
ですが、試行錯誤の回数を積み重ねていくことで、段々となんとなくどんな変化か感じ取ることが、できるようになっていくと思います。
そして、自分で良い変化を感じ取ることができるようになった時に、ようやくペンを扱う技術が上達することができるはずです。
なぜなら、その良い変化こそが、ペンを扱う技術がレベルアップした瞬間のはずだからです。
それができるようになるまでは、とにかくいろいろなやり方を、総当たりで試して、今より一歩でも手ごたえのある答えを探していってください。
たぶんそれ以外の方法は無いと思います。
やり方としては、ペンに当てている指の腹の部分を、ミリ単位でずらしていってください。
その際に、ペンの反応がどう変化したのか、意識を研ぎ澄ませて、感じ取れるようにしていくのがいいと思います。
そして、今よりほんの少しでも指に感じる手ごたえが、良くなった瞬間を見逃さないでください。
それで、その状態で第2ステップの練習を行ってください。
新しいペンの使い方を、無理なくスムーズに指に記憶させるのが目的です。
これをやらないと、新しいペンの使い方に指がなじむまで、とんでもなく時間が掛かってしまいます。
というのも、今まで培ってきたペンの使い方というものは、ちょっとやそっとじゃ変えられないからです。
だから、新しいペンの使い方を維持した状態で、ペンを徹底的に強引に動かしまくることで、その使い方を強制的に指に記憶させます。
そのあとは、さらに第2ステップのトレーニングを繰り返して、指の感覚とペンの感覚を磨いていくのが良いと思います。
ただ、あくまでこれは僕のやり方なので、このやり方に固執せず、色んなやり方を試したりして、どのやり方が自分に一番効果的なのか、とにかくひたすら試行錯誤して調べたりするのも良いんじゃないかと思います。
あと、このやり方による副次的な効果です。
ペンの使い方を変えれば、当然、指の筋肉にかかる負荷も変化します。
そして、それによって、鍛えられる指の筋肉の部位も変わります。
それは、今まで鍛えてこなかった部位の筋肉だと思います。
つまり、このトレーニングは、ペンの技術と指の筋肉を、同時に効率良く鍛えられる練習だと言えます。
それと、この練習方法のきもは、ワンランク上のレベルの指とペンの使い方に、意識的に無理矢理たどり着けるということです。
そして、当然、意図的に自分のレベルを上げられるのならば、さらに一つ上、さらに一つ上と、どんどんレベルを上げていくことが、できるようになります。
おそらく、はじめのレベル上げが一番きついと思います。
何も分からない中で、手探りで、誰の助けも借りることができずに、自分の力でやりとげなければならないからです。
たぶん早くても、1,2カ月はかかると思います。(あくまで僕基準です。)
ですが、一度でも壁を超えることができたら、そのノウハウを使って、どんどん次の壁を越えていくことができるようになると思います。
そして、その経験を蓄積していくにしたがって、壁を超えるスピードは加速していくと思います。
意識してほしいことは、自分で自分の力を鍛える方法を、常に磨いていくことです。
前の記事でも書いたように、このトレーニングは膨大な時間をかけて行うものです。
だから、自分で自分の力を鍛える方法を磨いて、レベルアップするスピードを高めていかなければ、飽きたり嫌気がさしたりして、途中でリタイアしたりしてしまうと思います。
それを防ぐためには、常に自分のトレーニング方法を発展させ続けていったほうがいいです。
レベルアップが実感できない筋トレは、誰だって嫌なはずです。
最後にペンの技術が上がった直後にするべきトレーニングについてです。
おそらく、レベルアップした直後の時点では、100%近くの力、つまりほぼ全力の力を出さないと、そのペンの技術に指がついていかないと思います。
それは、まだまだそのペンの使い方を実行するための、指の筋力が足りていないからです。
つまり、それだけペンを扱う技術が上がったということです。
だから、ペンの技術のレベルアップに満足するだけじゃなく、その使い方を指になじませるための筋力トレーニングも忘れずに行ってください。
指を鍛えて、全力から、90%くらいの力で行えるようにしていきましょう。
そして、もっと鍛えて80%、70%、60%とそのペンの技術を扱うために必要な力配分を、どんどん減らせるようにしていってください。
最終的には、ごく当たり前の状態で、それが自然にできるようにしてください。
つまり1%以下です。
そうすることで、ようやく次の壁に挑む目途がたちます。
なぜなら、次の段階でのペンの技術に要求される指の筋力は、さらにぶっ飛んだものになるからです。
だから、ペンの技術が上がったあとは、じっくり指の筋力を鍛えてください。
そして、充分に指の筋力が仕上がった後に、改めてペンの技術を上げるトレーニングをしてください。
これをひたすら交互におこなっていくことが、絵を描くための基礎を鍛える方法だと僕は思います。
というわけで、指の鍛え方とペンを扱う技術を磨く方法をまとめてみました。
やってみたいと思った人は、気軽に試してみてください。
たまに確認したりして、気になったところは、その都度修正していこうと思います。
というわけで以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
それでは失礼します。
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