山﨑 亮
僕は、彼女との花火が好きだった。夏の生ぬるい風が吹く夜と彼女の汗ばむ手、僕たちは手を繋いでいつもの公園に向かう。 この公園は遊具が少なく、僕が一週間前に、歳の離れた弟と一緒に遊びに来て、砂場でお山を作って葉っぱをのっけたりして遊んだ。ちょっと懐かしく特別な公園だ。公園の中に入る。 「全然人がいないじゃん。」 「当たり前でしょ!」 彼女は僕の隣で笑った。マスク越しでも可愛いのが伝わってくる。そんな笑顔だった。 僕達はベンチに座ってしばらくの間、話した。それからでし
若い人いるのかなー?