見出し画像

ホワイトな学校へ#13 寄り道② 中学受験について思うこと

前回述べた「この地域なりのうまくいく要因」というのは、6年生で中学校受験をする子が少ないからかもしれない、ということ。

中学校受験について、私は、「受験生だった自分」「受験生が通っている小学校の教員」「受験生の親」「受験生をもつママ友」という4つの視点がある。
(内容について、マウント取りに来てるのか⁉️と思われる部分があるかと思いますが、そういうつもりはなく、落ちがあるので、最後まで読んでください(^_^;)

受験生だった自分

私は、何十年も前、中学受験を経験している。
私の親は、中学受験については全くの無知で、小学校4年生の時の担任の先生に、家の近所にある御三家と言われる私立校の受験を勧められたから中学受験を考えただけの話である。
当時、私は小賢しい子供だったので、4年生の3学期(だったと思う)の前に行われた某有名塾の入塾テストに結構いい成績で合格した。しかし塾では、算数と国語は面白いと思ったが、その他の理科とか社会とか暗記するばかりの受験勉強に嫌気がさし、ほとんど何も努力しない日々を過ごした。(ただ、この時楽しく学習した算数は、後々役に立った。)
塾の成績はどんどん落ちるが、両親は、私の模試の成績がどれだけ悪かろうと全く怒らなかったし、「塾に行っている」というだけで、なんだか嬉しそうだった。
そして極めつけは、試験前日のすき焼き。(これ以降、高校受験、大学受験と、とにかく試験前日はすき焼き)
「頭が良くなるから、長ねぎをたくさん食べろ!」と、言う。前日に長ねぎを食べても、急に頭はよくならないと思うんだが…。
で、当然落ちた。
私立に行って何がしたいという目的があるわけでなく、私立に行くことが目的ではないので、滑り止めは受けなかった。一生懸命勉強したわけではないので、挫折感が全くなかったのは救いである。

目的なく中学受験をしても意味がない。

受験生が通っている小学校の教員

教員にとって困るのが、塾カーストを教室に持ち込まれることだ。塾でのクラス分けとか、模試の順位とかが教室での力関係に影響する。みゃー先生も書いていたが、一流校に合格する子は、塾のことを学校に持ち込んだりしない。

持ち込むのは、二流以下の受験生である。その子たちが、塾に行っていない子を馬鹿にしたりし始めると、大変なことになってくる。

最初に書いたように、本校では中学受験をする子が少数派で、受験すると分かったとしても、周りの子供たちが、「へーすごいねー。がんばってねー。」と純粋に応援するのでカーストにはならない。
受験する当人ももちろん、ひけらかしたり威張ったりしない。
先生方の、一人一人の子供を大切にする意識が、子供たちにも伝わっていると自負している。(このことは、次回に)

受験生の母として

私には、二人子供がいるが、二人とも中学受験をした。
長男を受験させることにした理由は、本人がとてもボーっとした子だったから。
学級に一人はいますよね。自分の周囲1mに物が散乱している子。終業式に大きな袋を持たせるけど入りきらず、先生からもう一袋持たされて帰ってくる子。私がすべての持ち物に名前を書き続けていたにもかかわらず、名無しのものまでお前のだと持たされて帰ってくる子…このような子は、落ちこぼれたり、いじめにあったりするのでは、という危惧から、面倒見のいい私立に入れた方がいいと思ってのことである。
早くから始めても長続きするとは思えないし、小さい頃は体力をつけるべきだと考えていたので、水泳は4年生の夏までに学校の一番上の級まで取れるよう夫が教えた。1年生からミニバスのチームに入ったが、これは4年生の3学期に受験勉強を始めてからも続けた。

結果、この子が化けた。
中堅の面倒見のいい私立に入れれば御の字と思っていたところ、塾に入ってしばらくするとぐんぐん成績が上がり始め、本人に言わせると、ある日「脳みそが、ピッカーンとして」急に、勉強がわかるようになったそうだ。彼にとっては塾カーストが幸いし(本人は人を馬鹿にしたりはしなかったと思うが)、学校でも一目置かれるようになり、ミニバスでもキャプテンになった。
本人は、問題の解法などを書いて説明することが特に得意で、御三家の某中学校の入試問題がぴったりだったのと、学校見学に行ったら、自由な校風をすっかり気に入ってしまったので、そこを受験することにした。問題があまりに特殊で、志望校を決めてからはそこに特化して勉強していたためか、すべり止め以外結局そこしか受からなかった。

二人めは女の子で、算数が苦手だった。小学校2年生になっても指を使って計算をしていたし、暗算をさせようとすると固まった。習熟度別の算数では、いつも一番下のクラスで楽しそうにのんびり勉強していた。この子は、大学まである私立に入れた方が後々苦労しないだろうと、中学受験をすることにした。
兄と同じく、体力をつけるため水泳とミニバスは続け、同じく4年生の3学期から塾に入った。
6年生の2学期、某大学系属の某中堅校に決めたところで、塾を辞めた。某中堅校の入試では、基礎的な問題を正確に解くことが求められているのに、塾では、最後の最後まで難しいことをやらせようとする。もともと、算数が苦手でキャパが狭いのに、これ以上余計なことを詰め込んだら混乱を招くだけだし、某中堅校の問題に特化して練習させた方が合格に近付くと考えたからだ。すべり止めを確保し、その後は、毎日、私が作った問題を解いて練習した。算数が苦手な子の特徴として、数字を変えたり、問題の書きぶりを変えたりしただけで、全く違う問題と受けてめてくれるので、問題を作る私としても楽だった(だめじゃないか!?)。結果、そこしか受からなかった。

子供の受験を通して感じたのは、自分の子に何が合っているか、見極めるのは親だということ。塾の商戦に乗ってはいけない。

後日談。

長男は、自由な校風の学校に行ったが故、自由過ぎて全く勉強せず、浪人後、当初の希望とは全く違う某国立大学教育学部に行き、数学の教員になるようです。本人曰く、自分のピークは小学校6年だったと。
二人めの女子は、あの時、塾を辞めさせてくれて本当によかったと、今でも言います。結局は途中で方向転換して系属の大学には行かず、今は理系の大学に通っています…

受験生をもつママ友として

長男が塾に通い始めた4年生の3学期、小学校の同じ組で、そのずっと前から子供を塾に通わせていて、ほとんど話をしたことがないママ友に、「今から始めたんじゃ、いい学校には受からないわよ。」と説教された。うちは、そもそも難しい学校を受けるつもりはないし、この人の言う「いい学校」ってなんだ?本人に合っている学校がいい学校なんじゃないのか?と言おうと思ったが、塾新参者の私としては反論せず、「ははは、そうですねー」といってやり過ごした。
数か月後、まだ、長男の脳ミソがピッカーンとしていない頃、同じママ友に「いいわね、下のクラスは勉強が楽で。うちは上のクラスだからついて行くのが大変よ。」と、漫画にでも出てくるようなセリフを言われた。うちの子はボーっとしているので、相当な馬鹿だと思われていると実感した。負けず嫌いの私としては悔しいところではあったが、自分が勝負しているわけではなく、勝負しているのはボーっとした長男なのでいかんともしがたい。

それが理由というわけではないが、長男の時も下の娘の時も、家で子供の勉強はよくみた。中学受験は子供に任せておくべきでないことを、私は、身をもって体験していたので。
昔取った杵柄、独特な受験算数も結構わかるもので、子供と一緒に勉強し直すつもりで付き合った。テストの前には、暗記の確認にも付き合った。2年限定と思えば、親も子も続けられるのではないかと思う。

長男と同じ小学校で、やはり4年生3学期から塾に入った子は、御三家の中でも一番難しい学校と某国立大学附属中学に合格した。

例のママ友の子は、後から入った子たちにどんどん追い抜かれ、クラスが落ちて、ママ友はすっかりおとなしくなってしまった。早くから始めた弊害が顕著に表れた例だと思う。早くから塾に入ると、全体数が少なく内容が易しいこともあり、あまり努力をせずとも上位になることができる。それで、自分は大丈夫と油断してしまうのかもしれない。もしくは、その頃からすごく努力していて、息切れしてしまったのかもしれない。

結論

できる子はいつから始めてもできるようになる。
偏差値の高い学校=いい学校、ではない。
そして、中学受験で人生が決まるわけではない!

またまた、寄り道が長文になってしまいました…
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

閑話休題、次回は、「その9 一人一人を見よう」 です=^_^=

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?