見出し画像

入浴法(浴槽浴vsシャワー浴 全身浴vs半身浴)

始めに入浴前、入浴中の意識するポイントを4つ挙げさせて頂きました。
(1)入浴前後に1杯ずつの水を飲むべし
  入浴すると発汗により血液粘度が高まるため入浴後は必ず水分(イオン
  飲料など300ml程度)を補給する。
(2)入浴前には足先など心臓の遠くから順に十分な「かけ湯」をすべし
  体の汚れを落とすだけでなく温度に体を慣らすためです。
(3)頭には濡れたタオルをのせるべし
  立ちくらみ・のぼせ対策となります。
(4)一気に長湯せず「分割浴」にすべし
  短い入浴と浴槽から出て休憩する事を繰り返すのが分割浴です。
  分割浴の方が湯冷めしにくい言われています。

「分割浴の方法」

・40℃以下(37~40℃)のお湯につかる場合
 目安:夏(38℃)冬(40℃)
 まず慣らし(5分)→休憩(3分)→じっくり浸かって(8分)
 →休憩(3分)→軽く仕上げる(3分)
・42℃(日本人がもっとも気持ちよく感じる温度)の場合
 体に負担をかけるので入浴(3分)→休憩(3~5分)→入浴(3分)
 →休憩(3~5分)→入浴(3分)

「日々の健康のための加温」

○週2回高めの温度で入浴

目安:40~41℃ 10分(人によりますが体温は37度越えてきます)
※10分間は連続ではなく洗い場に出たりしながらの合計時間となります。
※慣れてきたら湯温を42℃まで上げて下さい(体温は38度越えます)
 注意点として慣れるまで時間がかかるということを念頭に置いて下さい。また自律神経に問題を抱えている人は「汗をかけない」「汗が出にくい」ことがあります。汗がかけない、出にくいと体温調節が上手くいかず、熱中症になる危険が高まるため注意が必要です。自律神経に問題を抱えている人だけでなく、子供や子供の頃をイメージして頂くとわかりやすいですが子供は玉っころのような汗をかきます。しかし大人となるとじんわりとしかかけない方も多いのではないでしょうか。冷房が効いている部屋にいることも多くなった現代は知らず知らずのうちに汗をかきづらく、体温調節が苦手になっている方も多くなっているかもしれません。
 お風呂から出たあとは体を冷やしたりしないようタオルなどを巻いて温かくし10~15分保温ししっかり汗をかくことが重要です。保温後まではお風呂上りの冷たい飲みものや冷房は我慢して頂ければと考えます。

上手く汗をかけない、汗が出にくい方のイメージ図

○週2回以外はご自分の好きなようにリラックスして入浴

※入浴には「気持ち良い」と感じる温度が良いと言われています。
 健康になるためあえて自律神経に負荷をかける週2回の入浴以外は
 体温プラス4度を目安に入浴して頂ければと考えます。。
※入浴時間は全身浴:10分 半身浴:30分となります。

入浴の仕方は浴槽浴、シャワーだけでなく、水位によっても全身浴、半身浴とバリエーションがとても豊かです。ここからは対戦形式でそれぞれの特徴について書いていきたいと思います。

浴槽浴 VS シャワー浴

・浴槽浴の温熱作用はシャワー浴と比較して優れている 
 →お風呂に入った方が体が温まる
・就床約30分前の浴槽浴はシャワー浴や入浴なしの場合と比較し、就床時
 の末梢皮膚温度が高くなる
 →末梢皮膚からの放熱により深部体温が低下するため寝つきが良くなる
・浴槽浴で睡眠中の交感神経活動が有意に抑制された。また起床時の意欲が
 有意に高い→よく眠れる・疲労回復に有効
・浴槽浴頻度においては1週間の内3回以上の浴槽浴を行う高頻度群で「主
 観的健康感」が有意に高かった→自分自身が健康と感じている人が多い

4勝0敗 浴槽浴の勝利

 圧倒的に浴槽浴の方が健康に良いことがわかると思います。それぞれの方の生活の仕方もあるため絶対に浴槽浴にして下さいということではなく1週間のうちに数回でも湯舟に浸かる機会を設けて頂ければと考えます。

全身浴 VS 半身浴

・全身浴が半身浴より温熱作用が高い
 →全身で浸かった方が体が温まる
・入浴時の水位において全身浴群で「主観的健康感」および「睡眠の質」が
 有意に高かった
 →浴槽に全身で浸かった方が良く眠れる・自分自身が健康と感じている人
  が多い

・半身浴は心臓・肺に負担をかけない
 →全身浴の場合は首まで湯舟に浸かってしまうため肺の容量減少、呼吸数増加と肺に負担をかけてしまいます。半身浴の方が血液が固まりづらいという特徴もあります。
・半身浴は副交感神経を有意にするためリンパ球増加で免疫力アップにつな がる→ウイルスにやられにくくなる

2勝2敗 引き分け

全身浴と半身浴では今回の比較テーマでは引き分けでした。その時の自分自身の体調に合わせて入浴方法を変更して頂ければと考えます。
最後に一例として1週間の入浴の仕方をご提案出来ればと考えます。
浴槽浴の入浴時間としては全身浴10分、半身浴では30分必要となるため半身浴でじっくり入浴して頂くためには金曜日や日曜日が良いのではないかと考えます。また全身浴については加温から2日後にHeat Shock Protein(HSP)=熱ショックタンパク質が増加されストレスに対して体が強い状態になります。疲れがたまる週末の金曜日や週明けの月曜日に向けて体を強化するために水曜日や土曜日に入浴するのが良いのではないかと考えます。

今回は入浴法について書かせて頂きました。自分の周りの入浴事情を聞いていくと浴槽浴ではなくシャワー浴で済まされている方も多いこと、入浴していたとしても時間が足りていない、温度設定もあまり意識されていないか、熱い湯は入ることが出来ない等のお話を聞くことが出来ました。
 自律神経を調整する方法は数多くあり、私の理学療法士の立場からも運動はとても大切です。しかし誰もが運動を実施出来る訳ではないためより身近な入浴から皆様の健康に寄与出来ればと考え記事とさせて頂きました。参考にして頂けると幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?