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フランスパンは硬くない


物事を相対的にとらえる
ープロタゴラスの「相対主義」

「人間は万物の尺度である。あるものについてはそれがあることの、あらぬものについてはそれがあらぬことの」というように。

問題解決のための哲学思考レッスン25
小川仁志さん

あることは、ないこと。
ないことは、あること。

こうと決めたらこう、と自分も周りも
決めがちだなあと思うので、
「相対的に考える」は、最近のテーマです。

哲学、の力を借りてみることにしました。

もし仮に、事物のあり方がそれを知覚する人間の認識に相関的であるとするならば、認識する人間を離れて事物そのもののあり方を語ることは無意味だということになります。物事は常に、それを認識する人間によって別の意味を与えられるのです。
これが、プロタゴラスの唱える相対主義です。

同上

いきなりちょっと難しいな。

起こる物事はいつも、
それ自体には意味がなくって、
それをどう捉えるか?という人間。
によって意味が与えられる、っていうのは
わかる気がします。

しかも、その人によって、
意味も解釈もぜんぜん違うんだ、っていう
ことを前提にしちゃうところからはじめる。

ことは賛成です。

とかく、自分が見ているように、
相手も見ている、と思っちゃうんですが、
そうではないんだよ、というところから、
お互いに始めることが幸せの入り口。

「よかろう。正義は敬虔に少しは似ている。じっさい、どんなものでも互いに較べれば、どこか似ている点はあるのだ。白だってある点では黒に似ているし、硬さだってやわらかさに似ている。その他の互いに正反対だと思えるものでもそうだ。

同上

白は黒に似ているのか!
硬さはやわらかさに似ているのか!

っていうのはびっくりしました。

白か黒か?
AかBか?な二者択一って嫌だなあと
最近思ってたんですが、
まさか、似ているだなんて、
その思考自体が、自分にないものだったし、
こういうのもバイアスがかかってたんだなあと
気付かされます。

正反対だと思ってた、いや思い込んでただけだ

正義と敬虔、白と黒、硬さと柔らかさ、顔の各部分、いずれも正反対のものを挙げていますが、プロタゴラスに言わせると、どこか似ているはずだということになります。改めてそう言われると、確かに共通点を探ることは可能でしょう。
正義も敬虔も誠実さという点では共通していますし、黒と白はいずれもフォーマルな色です。硬さと柔らかさはいずれも触ってみた感覚です。

同上

一つ上の上位概念でいえば、括られる。
黒と白、たしかにフォーマル括り!

そう考えていくと、
苦しみも喜びも感情であり、
書くことも読むことも生きることであり、
なんだか、ホッとします。

白黒つけるとかつけないとかじゃなくて、
みんな、仲間やん。

敵はいないよ。

フランスパンはパンとしては硬いけれど、レンガよりは柔らかいと言えます。顔の各部分は、たとえば耳鼻咽喉科などと言うように、いずれもつながっているひとつの管にすぎません。前についているか、横についているかの違いがあるだけです。
このように、あらゆる差異は相対的なものなのです。

同上

フランスパンがレンガより柔らかいとか。
耳鼻咽喉科!って管つながりなんだとか。

相対とは、相対にすることで
比べるためにあるんではなくて、
同じなんだなあって気づくためにある。

人類は同じではないと思おうとしてたのに、
なんだ、同じなんだなあということに
かえってきてしまった。

嫌だなあと思うことも、
嬉しいなあと思うことも、
実は表裏で人なんだ。

哲学とは、こうだと思ってしまう職見を退け、批判的考察により、物事の本質を探究する学問です。つまり、一番はじめに常識や固定観念を取り払う必要があるのです。その際、一見正反対に見える物事を、相対主義によって疑うことができれば、常識や固定観念を退けることに寄与します。

同上

常識や固定観念の、外し方だったのね。
苦しんでることに気づくための方法だ。

問題は、その相対主義にとどまってしまっては、物事の本質は永遠に見えてこないという点です。いったん、相対主義によって物事を相対化したあとは、今度は果敢にそこから抜け出す努力が必要です。「では、いったい真実はどうなのか?」と。したがって、本当は相対主義を乗り越えた時はじめて、真実が見えてくるのです。

同上

白黒比べて終わりじゃないのね。
真実を見失いそうな時は、
フランスパンを思い出そう。

あたまがかたくなってたら、
レンガとくらべてみよう。

きょうは硬いお話でしたが、
硬くもないお話かもしれません。

お付き合いくださりありがとうございます。

エッセイや小説を読むことが増えたので、
違うジャンルも読んでみることで、
やわらかくなりました。

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