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「熊本城瓦御守」のルーツをたどる。〜あらうひと、つくるひと、手に取るひと〜


地震で被災し、破損した熊本城の瓦を封入し、ブルーシートで包んだ「熊本城瓦御守」。
二度と落ちない「後来不落」という言葉に身近な方の合格祈願や目標達成の心願成就、熊本の復興など、それぞれの願いをこめて手にとっていただくアイテムとなり、半年で4,000個、ご購入いただいています。

このお守りの製作にあたっては、様々なひとが関わってくれています。

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あらうひと

廃棄予定のブルーシートの回収から、熊本城瓦御守の製作がはじまります。

ブルーシードバッグを企画・発売しはじめた当初は、熊本地震の被災地域で活動する団体に回収の協力をお願いし、洗浄は、イベントとして、地域の方々と一緒に行っていました。

被災地域で支援活動をしたいけれど、なにからしたらいいか分からない…。という方でも気軽に始められる支援として、関わりしろとなるイベントになっていたように思います。

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いまでは、南阿蘇村の公認の元、 南阿蘇村の村民で作られたボランティア団体「ロハス南阿蘇たすけあい」が、ブルーシートの回収から洗浄の日程調整、実施、BRIDGE KUMAMOTOへの配送まで行ってくださっています。

熊本地震を機に繋がったみなさんが、いまはアイテムの製作のはじまりを担ってくださっているのですが、手間も時間のかかるこの作業を、あまりに自然に、当たり前のように協力してくださるその姿勢に、感動や感謝はもちろんですが、たまに不思議な気持ちになるほど。

洗浄会イベントは、不定期で開催しています。現状、なかなか広く告知しての活動は難しくなっていますが、ぜひ「お守りのはじまり」を一緒につくりたい!という方は、BRIDGE KUMAMOTOのFacebookをチェックしてみてください。

■BRIDGE KUMAMOTO facebook

つくるひと

縫製は、熊本市東区に位置する就労継続支援B型トイロハンドワークスにお願いしています。

就労継続支援B型事業所とは、障がいや体調などの背景で、一般企業への就職に不安があったり、困難な場合に、就労訓練をおこなうことが可能なサービスです。一般企業からの委託業務も請け負っており、就労者の方が行っている業務のなかには、封筒へ資料を詰め、発送する業務や、商品の梱包もあります。もしかすると、あなたが最近買ったあの商品も、事業所の就労者の方の手があってこそ、のものかもしれません。

トイロハンドワークスでは、隣接しているバリアフリーウェアのショップ「トイロ・エフェクトリー」の、製品の開発・製造のを一端を担って行っていたり、キャンドルやアクセサリーの製作、その他の軽作業なども行ったりされています。

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熊本市街から車で20分ほど。建物内はとても温かみを感じる雰囲気で、ミシンが並んでいます。

この場所で、一人ひとりの就労者の方が、ブルーシートのカット、お守りの縫製、紐を通し、瓦を砕いてなかに詰め、袋にシールを貼って封入する、といった一連の業務を手作業で行ってくださっています。

感染症拡大の影響で、リモートワークを導入した時期には、就労者のみなさんが自分の工程分の材料を持って帰って、作業をしてくださったこともあったそうです。

代表の山本さんは、准看護師として看護師として現場経験を積んだ後、訪問ボランティアナースの会 キャンナス熊本 代表として、熊本地震の際には仮設団地の見守り支援も行うなど、さまざまな活動を経て、現在は合同会社といろ、一般社団法人ReFRELの代表を務めています。看護師の経験を活かし、様々な障がいを持つ方の衣服のオーダー・リメイク作製を通して、障がいがあってもおしゃれを楽しめるような社会を目指していたり、自身や当事者のものづくりを通じて、社会の中において障がい者がうまく活躍できる場の開拓にチャレンジしています。

山本さんにお話を伺っていると、このお守りを通じて就労者の方の変化を感じる瞬間があったそうです。
身体の特性上、ブルーシートのさわり心地をつらく感じ、集中の妨げになっている方や、なかなか作業に前向きに取り掛かることが難しい方が、新聞やメディアで多数取り上げられ、完売が続くようになってから、自分自身がこのアイテムに関わっていることに誇りを持ち、作業の効率を上げるためにより工夫するようになったり、目に見えて集中力が上がったりしたとのこと。

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就労継続支援事業所のみなさんが担われる仕事は、実は私たちの身近なところにあっても、購入者の声が、仕事を担うみなさんに向けて直接届く機会は多くはありません。Yahoo!ショッピングのレビューでは、縫製や梱包についても感想をいただくことがあり、お守りがこれまでの社会の仕組みをほんの少し、よく出来ているのでは、とも思ったりします。


また、累計の縫製個数に応じて、報奨金として商品券をお渡ししています。

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これがベストなやり方かは分かりませんが、たくさんの方に手にとっていただけるアイテムになっている喜びを一緒に分かち合えたら、お客さまからレビューをいただくくらい一つひとつ丁寧につくっていただいている感謝を形にできたら、という私たちなりのトライです。


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トイロエフェクトリーには、すてきな雑貨も並んでいます。
雑貨好きの方、ぜひ行ってみてください!


手に取るひと

まだ熊本城が臨時閉園をしていなかったとある日、お守りの納品のため熊本城 二の丸お休み処に伺いました。

ちょうど「そうそう!これ!!これが欲しかったんだよね。」と手に取ってお話しされている2名の方が。思わず、ちょっといいですか!と話しかけてしまったところ、快くお話を聞かせてくださりました。

修学旅行で熊本に来られていた学生さん。貴重な自由時間で「お守りを買うため」に熊本城に来てくださったそうです。
熊本城に来るついでのお土産、ではなくお守りを買いに!?と嬉しい疑問をぶつけてみたところ、なんとお守りを集める趣味があるそう。ニュース番組で取り上げられているのを見て、これは買いに行かねば!とお友だちと一緒に来てくださったそうです。

ちなみに、その学生さんのかばんのなかにたくさんのお守りが。私でも知っているような有名な神社をはじめ、さまざまな意味や背景のあるお守りを持っておられました。このなかにコレクションとして一緒に持っていただけること、とっても恐れ多さと嬉しさがあります。

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お写真も撮影させていただき、ありがとうございました!

売店のスタッフの方にお伺いすると、熊本城にきた来園記念のお土産として購入される方だけでなく、県外の親戚や友人からおつかいを頼まれた方、お孫さんの受験のためにと購入されていった方など、さまざまな理由はあれど売店のお土産のなかでもとても人気な商品になっているようです。

いろんな方に手にとっていただいて感無量です…。
なんだか私たちの手をはなれていって大きく羽ばたいたんだなあという、親のような気持ちもありますが(笑)、手元に届いたお守りを写真とともにツイートしたり、レビューしてくださる方々のおかげで、たくさんの方の素敵な想いを受け取っています。



\ みなさんぜひ!手にとってみてくださいっ! /

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そして、お手元に届いた際には、
ぜひ想いを聞かせてください!


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