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コントラクトブリッジの初心者がブリッジを嫌いにならないためのゲームアプリ活用術

当方はカードゲームのブリッジをテーマにnoteを書いていますが、何か参考になればとブリッジ以外のカードゲームやテーブルゲームの書籍にも目を通すことがあります。その中で、将棋棋士の遠山雄亮さんが書いた将棋の入門書に面白いことが書いてありました。

この書籍の第1章「将棋アプリの「ひよこ」と対戦するのが第一歩」の中に「家族や友人と対戦するのはNG」という見出しの項目があります。以下はその理由部分の引用です。

ここで読者の方にひとつお願いがあります。この本を読んでいると、誰かと対戦したくなってくると思います。家族や友人に将棋経験者がいれば、こころよく相手をしてくれるでしょう。しかし彼らに挑んではいけません。必ずや返り討ちに遭い、将棋が嫌いになってしまうかもしれません。それはとても悲しいことです。

Toyama Yusuke. zerokarahajimeru otonanotameno shougi nyumon (smart shinsho) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.46-49). note. Kindle 版.

この「しかし彼らに挑んではいけません。必ずや返り討ちに遭い、将棋が嫌いになってしまうかもしれません。」という部分は個人的によく分かります。なぜなら、当方も子どもの頃は大変な負けず嫌いでしたからね…

そういった悲劇を生まないために、遠山さんは将棋を指したくなったときは将棋のスマホアプリ(「ぴよ将棋」)で遊ぼうと提案されています。

この「経験者と対戦してもらったらゲームが嫌いになってしまった」という事例は、将棋に限らずブリッジやその他のテーブルゲーム全般に言えることで、とても興味深いと思いましたので、今回はブリッジ初心者の場合に置き換えて考えてみたいと思います。

ルールを知らない人が一から遊び方を覚えるときは人から教わっても良いのでは

まず、「ルールを全く知らない人」がブリッジを始めようという場合を考えます。
個人的見解を言えば、この場合では「カードを使って人から教えてもらう」方が覚えやすいと思います。理由は以下の3点です。

  1. 実際にプレイしている様子を見ないとルールを理解しづらい

  2. ルールが複雑なので、テキストにすると余計に分かりづらい

  3. 日本語でブリッジを学べるゲームアプリがない

このnoteでもブリッジを学べるテキストや書籍をご紹介はしていますが、とにかく文章が長いです。そして、普通の人が知らないブリッジ用語がたくさん出てきます。実際に読んだことがある方なら分かると思いますが、ブリッジについて何も知らない状態の人がこれらを読んでも理解できるとは思えません。書籍を読むのは、誰かに一通り遊び方を教わってゲームを何度か体験してからの方が良いと思います。
(一応、以下の記事でブリッジの書籍をいろいろご紹介しているのでご参考まで)

また、ブリッジのゲームアプリはすでにブリッジを遊び慣れている人向けに作られているものが多く、特に、オークションでは「プレイヤーはビディングシステムやコンベンションについて承知している」という前提でゲームが作られているので、初心者の人がいきなりゲームアプリにチャレンジしても訳もわからず負けてしまうことになるでしょう。
ですので、ルールを覚えるまでの間は、その人に合った指導をしてくれるプレイヤーから教わった方が良いと思うのです。

とりあえず、いつも当方がご紹介している、日本コントラクトブリッジ連盟さんの遊び方ガイド「Let's play Bridge」(無料pdf)はご覧いただくとしても、遊び方を学びたいなら指導者から教わり、できれば他の初心者の人と一緒に4人でカードを使って実践してみてほしいです。

「どうしても人から教わるのは難しい」という方が独学するならゲームアプリや動画の方が分かりやすいと思うのですが、日本語のものがこれといってないのが難点です。
英語にはなりますが、オススメできるものがあるとすれば、ゲームアプリ「Tricky Bridge」があります。このアプリは一人でもブリッジを学べる「Learn」モードがあり、初歩的なルールから上級者向けのスキルまで、ストーリーに沿って一つずつお勉強することができます。

また、動画を探すならYouTubeもオススメです。海外のものばかりになりますが、ブリッジの遊び方動画を紹介する記事も書いたことがありますのでご参考まで。↓

ルールは分かったけど、勝ち方がよく分かっていない時はゲームアプリが安心

初学者の方がブリッジの遊び方を教わったら「実際にゲームをしてみよう」と多くの人が思うはずですが、そこに一番の落とし穴があります。それは「やってみたら全然勝てないじゃないか!」と、どツボにハマってしまうことです。おそらく、冒頭の遠山さんが書籍に書いていたことはこのフェーズに入ってからのことだと思います。

ブリッジはババ抜きなどの他のカードゲームと違って「運」では勝てません。ブリッジプレイヤーたちは自分の手札とパートナーの手札、そして対戦相手の2人が持つ手札の全52枚がどのように配られ、どちらのペアが強いカードを持っており、誰がどのような順番でどのカードを出すかを想像し、推理してゲームを行います。複雑なルールを覚えるだけではなく、このロジックを理解できるようにならなければ、初心者は経験者とまともに戦うことができません。

それを身につけるためには「練習」しかないのですが、生身の人間相手ではちっとも勝てずに悔しくて面白く無くなってしまうでしょうし、自分の練習のために自分以外のプレイヤーの時間を奪うわけにもいきません。なので、ルールを覚えた後に練習するなら、遠山さんのアドバイス通り、ゲームアプリを利用するのが良いと思います。場所も時間も気にせずブリッジができるし、下手なゲームをしてもコンピュータ相手なら恥ずかしくありません。

1人で遊ぶなら先ほどの「Tricky Bridge」や、無料で遊べる定番のオンライブリッジ「BBO(ブリッジ・ベース・オンライン)」の1人用モードが便利です。

また、ゲームアプリを使って初心者が練習する方法については過去にも記事を書いたことがありますので、あわせてご覧ください。

ゲームアプリでブリッジに慣れたら対戦相手を探してみよう

暇な時にスマホやパソコンでブリッジを遊んでいるうちに、「ブリッジで勝つコツ」が段々と分かってくるようになったら、いよいよ対戦相手を探してみてはいかがでしょうか。まずは、ブリッジの遊び方を教えてくれた人をゲームに誘ってみましょう。また、一緒に遊び方を教わった仲間がいれば声をかけてみましょう。きっと練習の成果に驚いてくれるに違いありません。
そして、見知った仲間内でゲームができるようになったら、ブリッジセンターなどの施設に行ってみたり、SNSやオンライブリッジなどで対戦相手になってくれるユーザーを探してみたりすることにも挑戦してみてはいかがでしょうか。

以上が当方の見解となります。ブリッジは勝ち方のコツというか、セオリーを体得してからでないと、その面白さを実感することができないゲームだと思っています。なので、それが分かっていない時に、上級者がいとも簡単に勝ってばかりいると「もうやめた!」と諦めてしまいたくなるでしょう。ですが、繰り返しゲームをプレイしていれば必ず理解が進んでくるはずなので、誰にも邪魔されずにブリッジに何度も取り組めるゲームアプリは初心者の力になると思います。とはいえ、ブリッジは「ハマると止まらない」のでスマホやパソコンの見過ぎには気をつけて、安全な場所で健康を害さない程度に遊びましょうねーではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。